二十四節気の一つ「小暑」

今日(7月7日)は、二十四節気の一つ「小暑」。この頃から暑さが本格的になってきます。梅雨の終わる頃でもあり、集中豪雨が多く発生する時季でもあります。昨日の仙台は、最高気温が30度に達しました。一方、深夜には強い雨が降り、その後強い雨は峠を越え、しとしととおしめりの朝を迎えています。正に、二十四節気の十一番目の小暑です。

古来、小雨は福をもたらすといわれています。田畑を潤し、木々の葉や根から養分を吸い上げるお手伝いをしています。もやがかかっている森林を見上げると、一生懸命雨を吸い上げ、葉っぱの一枚一枚に水を送っている命の躍動を感じます。「夏の山は笑うが如し」といわれます。昔の人々は、良く自然を見つめ自然とともに暮らしてきたのでしょう。しっかり自然を観察し生活の中に取り入れ、豊かな四季を楽しんでいます。

日本には四季があります。この四季折々の豊かな恵み、四季がもたらす生活の変化は、どれをとっても私たちの精神構造の基底に大きな影響を与えているように思います。最近、雨の降り方が、スコール的になり亜熱帯気候と見間違う機会がしばしばです。四季が崩れるということは、知らず知らずのうちに私たちの精神構造にまで影響をもたらすことになるのだということを知る必要があります。

話は変わって、小暑は、七夕と時期が重なります。仙台にいると8月の七夕祭りの印象が強く、本来の7月7日は少々影が薄い感じがします。仙台の七夕は、旧暦で行われて来ました。6日の夕方から、笹竹をかざり姫星と彦星を祭って、手習・手芸の上達を願い、農家では田の神の乗馬として藁などで七夕馬をつくって屋根に上げるなどして、豊作を祖霊に祈りました。

七夕に関する行事は、明治6年の新暦採用を境に、年々行われなくなり、第1次世界大戦後の不景気をむかえてからは、ますます寂しくなる一方でした。そんな中で、不景気を吹き飛ばそうと1927(昭和2)年、商家の有志達が仙台商人の心意気とばかりに、華やかな七夕飾りを復活させました。久しぶりにその光景を目にした仙台っ子達は喝采し、飾りを一目見ようとする人で街はあふれたといいます。翌1928(昭和3)年には、元来旧暦行事だったのを新暦日付の月遅れ、すなわち民俗学上中暦と呼ばれる8月6日、7日、8日の3日間にわたり、東北産業博覧会の行事として、さらに仙台七夕を盛んにしようと仙台商工会議所と仙台協賛会との共同開催で「飾りつけコンクール」が催されました。

戦後の七夕祭りは、商店街振興から観光イベントへと変貌していきます。現在では飾りだけでなく、ステージイベントや飾りの製作体験コーナー、食の魅力がまるごと味わえるフードコートを設置した「おまつり広場」も人気を集め、名実ともに日本一のスケールを誇る七夕まつりとなり、毎年全国から訪れる観光客を楽しませてくれています。昨年は中止でしたが今年は規模や展示の方法に工夫を凝らし開催するとのことです。

七夕、会いたい人に会えると良いですね。そもそも、会いたい人がいるということ自体が幸せなような気がします。私が空を見上げるのは、アマチュア無線のアンテナがしっかり機能しているかどうかを確認するくらいです。なんと風流心のないことか。今日くらいは、天の川を渡って織姫と彦星が出会えることを願って空を見上げてみたいと思います。

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