昨年(2025年)の今日は山形県を歩いていた
昨年(2025年)は異常とも言える外気温が連日続きました。宮城県仙台市では5月の最高外気温が29.9℃(18日)。歩き進めた新潟県長岡市の6月最高外気温は36.2℃でした。
2025(令和7)年5月25日、仙台市内の菩提寺(壽徳寺)で朝課に座した後、福井県にある曹洞宗大本山『永平寺』までの700㎞を約1ヶ月かけて歩き出しました。今思い起こすと、猛暑の日々が待っていることの予想はほとんどしておらず、雨対策だけに気を向けていたような気がします。
昨年の今日(5月29日)は、歩き始めて5日で、交通量の余り多くない標高差346mの3桁国道を山形県高畠町から飯豊町まで24㎞を歩いていました。山間をぬう様に続く緑に囲まれた道路は、標高が高く外気温はさほど上がりませんでした。二日目に霧の中で野宿したことから風邪を引いてしまい、体調はイマイチで、加えて長い距離を歩く体に慣れていなかったので快適な山行とは言えませんでした。
そうは言っても、青空と緑の包まれながら、錫杖で「チャリンチャリン」と邪気を払いながら歩くのはなかなか良いものです。四国お遍路の時は金剛杖でしたが、今回はお遍路ではないので、錫杖にしました。身長ほどの長さの上に遊輪(ゆうかん)という輪っかが付いています。歩くたびに軽く地面に突くと、輪が自然に鳴ります。
高僧侶は、錫杖で頭上や肩のあたりを軽くかざす「お加持」にも使います。凡人の私たちは、お寺や道端のお地蔵さんで礼拝する時、合掌して一礼するタイミングで、錫杖を体の前で軽く一度鳴らします。一応、修行僧である雲水の真似事をしながら歩いていたので、道端のお地蔵さんには、その都度立ち止まり、合掌してお地蔵さんの御真言(「オン カカカ ビサンマエイ ソワカ」)を三遍唱え、一礼してから錫杖をならしました。
このような山行を続けながら永平寺を目指し、新潟県の日本海側を歩く頃は、猛暑が連日続きました。30℃を超える中で何日も一日中歩き続けるので、このことが年末から今年に入ってから大きく体調をくずはした原因があることは、今になると容易に理解できます。もう無理の出来ない体なのだと今回は真剣に考え肝に銘じました。
振り返ると、四国八十八ヶ寺歩きお遍路よりも大変だったように思います。でも、この山行を機に親鸞聖人を知り、親鸞の生き方を書物から読み解き、『後生の一大事』や「人は何のために生きるのか」「死とは何か」「幸せとは何か」等々について考える良い機会を得たように思います。

今回、内科的な心配ごとや大腿骨頚部骨折で長い時間自分と向き合う時間がありました。男性の平均余命は81歳です。それからすると、私には5年しか残っていません。後生の一大事や何のために生きるのかをこの期間に考えてみる好機だったのかも知れません。




