宮城県庁職員 半数超が震災後入庁

新任職員が、東日本大震災の教訓を学ぶべく、被災地に足を運び震災伝承館で訪れ語り部の言葉に耳を傾ける。また、震災当時に被災地支援に関わった職員の話を聞く等して、経験や教訓の伝承に役立ているといいます。また、能登半島地震被災地に職員を派遣し、支援活動に携わることで、その体験・経験の蓄積を、職員派遣の制度整備を進め行っているともあります。

とても大切な取り組みだと思います。時間の経過と共に東日本大震災当時の記憶薄れ、同時に当時の経験も薄れて行きます。この為、こうした取り組みが、制度整備を進め組織的に行われることは、来るべき大震災や様々な危機に対する『備え』として非常に重要だと思っています。

同時に、私は取り組みを評価しつつも、二つの点について不満があります。

一つ目は、学んでいる場面が、被災直後のことに重点が置かれているということです。被災した現状を見ることで、その残酷さや痛ましさを知る。また、語り部のリアルなお話しを聴くことで、当時の様子や犠牲になった方々の苦しみや悲しさを知ることができ、防災意識を高める上では心に響きます。

しかし、東日本大震災はこれまでの震災と大きく異なる点があります。其れは、震災の『大規模化』『長期化』及び『広域化』です。現在、高い確率で予測されている南海トラフ地震でも巨大津波が想定されてます。更に被災する市町村は小規模市町村も多く、東日本大震災で被災した沿岸部市町村と同様で、対応する力が弱いのです。

こうした被災地の状況を考えた時、『大規模化』に対応する支援体制は、どの県がどこの県に出向くか等々の体制が整備されつつあります。上記の被災地の出向いての研修においても、この部分についてのみ行われている様に感じます。実際、震災伝承館の展示内容や語り部のお話をみても、多くはこの部分に展示面積や時間がかけられています。

でも、東日本大震災を経験した私たちは、避難生活の『長期化』そして『広域化』に実態を知っています。そして、二次被害といえる長期の避難生活や故郷離れて避難生活を知られる困難さ、厳しさ時には残酷さを知っています。現在の震災伝承館や語り部のお話しには、この部分がとても弱いように思うのです。また、長期化を支えた地元町民の存在も多くは触れられていません。何とか、この『長期化』及び『広域化』にも目を配った研修や教訓伝承を考えていただきたいのです。

二つ目は、被災地のことばかり語られていますが、『長期化』及び『広域化』によって、被災者を受け入れる市町村と被災者自身の市町村との連携や受け入れ体制の整備も大きな課題です。被災者を受け入れた市町村では、避難元の市町村間に対応の差に戸惑うことが、多々あることが知れています。特に広域化と長期化により、小さな違いが被災者にとっては大きな不便さになっています。

また、被災者と日常生活の中で関わる住民の対応姿勢も違いがあります。多くの住民は、被災者との関わり方を知る機会が少なく、戸惑っていることがとても多いのです。そして、この戸惑いは、避難生活の長期化が進むにつれて大きくなってしまいます。

このように、『大規模化』に関わる研修や教訓伝承だけではなく、『長期化』及び『広域化』に対する学びの機会を是非設けてもらいたいのです。また、被災地に於ける住民の関わり方についても同様に学びの機会を設けてもらいたいと思います。被災地の住民を「被災者」だけにはしないで被災者支援の担い手として関わってもらい、復興後の地域づくりや地域福祉の担い手としての意識を持てるようにしている取り組みを学んでもらいたいのです。宮城県には、『南三陸町社会福祉協議会』の優れた対応実績があります。こうした事例を学びの場にするといった取り組みも、今後是非検討してもらいたいと切にお願いするものです。

復興庁の助成で作製 南三陸町社協の取り組みの特徴や想いがコンパクトにまとめられています。
南三陸町町民が被災者支援の最前線に立つ
(戸倉被災者支援センター)
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