市井の人となった1年を終えて(第3四半期)

第2四半期(7月~9月)に入りと、従来からの関わりの延長で、わずかに出番が回ってきたりしました。また、唯一の趣味に関して、その範囲を広げられる新たな手段(ライセンス)を手に入れるなど、喪失感だけの日々から、少し落ち着きを取り戻す切っ掛けを持てたような気がします。

そのような中で迎えた第3四半期(10月~12月)は、退職から半年が過ぎ、生活リズムも落ち着いてきた感じがします。毎朝、ネクタイを締めないことに罪悪感は感じなくなりました。有り余る時間の使い方にも、チョトした工夫を加えることで。それなりのリズムができ始めました。特定の人を対象とした講義などではない、別の場を見いだすことを考え始めたのです。

このことは、喪失感だけの私には大きな前進のような気がします。従来とは違う形で自分なりの役割を見いだそうと考え始められるようになったのです。それでは、例によってこの期間(10月~12月)の主な出来事を振る返りながら考えてみます。

福島CSW研修会
無線機を200W機に更新

・福島CSW講座 10月30日 従来から御縁があった機関から講義の依頼があり、出向く機関が何件かありました。気仙沼アクティブコミュニティー塾(16日)、あけの平小学校(26日)やNHK仙台放送局による南三陸町での取材などが有り、久々の緊張感を楽しめました。こうした、緊張感は、生活にメリハリができて大切な時間になるのだと感じました。

・かじってみよう“社会学”開講 11月1日 決まった人を対象とするのではなく、不特定多数の方に、こちらから情報を提供し、共感を持って頂いた方々を対象にして「社会学」を学び直そうと始めた講座です。これまでのように、誰かが企画したものに呼ばれるという形ではなく、自分で企画してみんなで勉強の機会を設けようと、これまでとは全く異なる役割づくりです。どうなるか、誰が読んでくれるか、皆目見当が付かないので、テストVersion、お試し企画程度の乗りで良いかなって始めました。でも、実のところ私にとっては、南三陸町へ行政ボランティアに赴いたのと同じくらいのインパクトのある試みでした。

・アマチュア無線Antenna増設工事 11月11日 2級アマチュア無線技士免許を持てたことから、新たな無線機(200W)や14MHz帯のAntennaを整備しました。隠し持っていた埋蔵金を叩いて整備しました。唯一の趣味なのでこれくらいは許される散財だろうと自分に言い聞かせています。でも、これによって格段に海外との交信局数が増えました。地球の反対側の方々と言葉を交わせるなんてロマンを感じませんか。70歳を過ぎて手に入れたとても新鮮な感動です。

・民生委員・児童委員に就任 12月1日 なんとなんと、私にとっては究極の地域貢献と考えていた民生委員・児童委員を拝命しました。あるとき、見慣れない方が我が家を訪ねてきました。聴けば、民生委員児童委員協議会の会長さんと言うことでした。そして、「急なお話ですが民生委員を引き受けてくれませんか」と話されたのです。前任の方は、ご家族の都合で継続することが難しくなり、人を探していたところ町内会長さんが薦めてくれたとのことでした。私は、「ハイ分かりました」と一言だけ答えました。そしたら、拍子抜けした感じで、「本当によろしいですか」「民生委員って、なかなか大変だと言われています」等々、私が民生委員とはどの様なことをするのか分からないで答えているのではないかと思ったようです。そんなこんなありましたが、民生委員・児童委員として一歩を歩き出しました。

第3四半期に入ると、これまでの役割が少し復活してきました。更には、趣味の分野でも新たな可能性が広がるなど、手帳に書き加えられる「予定」が増えてきました。また、4月から始めたHome Pageも何とか継続できているので、自分の中で温めていた企画「社会学をみなさんで紐解いてみよう」という企画を実行に移しました。これは大冒険です。負担も大きいのですが、生活の中にリズムとわずかばかりの緊張感を持たせることで、流れるような時間ではなく、時間を「刻む」ように過ごしたいと考えたのです。

時間を刻むようにして日々精進して過ごすにはどうしたら良いのか。出した答えはこうでした。あさは少し早めに起床して、四国八十八ヶ寺歩きお遍路のトレーニングとしてのウオーキングをする。戻ってから家の周りの草取り。これを毎日の日課とし、午前中は、Home Pageへの書き込みと講義があれば資料つくりを行う。実際、Home Pageへの書き込みは結構時間がかかります。書き込む内容によっては、色々と調べたりするのでそこそこの時間がかかります。起床からお昼までは、概ねこのような時間に費やされ、時間をもてあますことがなくなりました。午後からは、午前中で足りなかった分の補いやそれが無ければ本を読んだり、アマチュア無線を楽しんだりと、その時その時の気分次第で計画を立てずに過ごします。家の第1優先順位の奥様からご依頼は、午後の時間で対応します。

この様な一日の大まかな時間の過ごし方は、生活にリズムができて、何よりも「何となく一日が過ぎた」ということが無くなりました。また、どうでも良いような内容であっても、レベルは低いかも知れませんが、書いたものは「成果品」として残ります。いつか、振り返ったとき、いい想い出になるかも知れません。

民生委員・児童委員は、これまでの講義する立場から、実践する立場になり、これまで思い浮かべてきたことを形のできる立場になりました。まだまだ、何が必要で何ができるか分かりませんが、私が考える地域福祉や安心・安全の地域づくりを実践していきたいと思っています。この時期になって、これまでとは異なるとても大切な役割を担えるようになりました。私にはとても大きな出来事です。この機会を大切に生かしたいと思っています。

何となくですが、したいこと、できそうなことは何なのかの糸口が見えてきたような気がします。何となくですが!

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

市井の人となった1年を終えて(第3四半期)” に対して2件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    先生の一年を振り返ってみたら、随分と充実した日々でしたね。
    この様にだれかの振り返りを聞く機会はあまり無いことなので、仕事を退職した後のこころの浮き沈みを赤裸々に語っていただいたことで、私も近い将来の自分の姿を考えるきっかけになりました。
    少しずつ心の準備をして、あらたな目標や楽しみのある毎日を送りたいものだなぁと思っています。

    また、先生が「南三陸町に行政ボランティアに赴むいたのと同じくらいにインパクトのある試み」と仰る『かじってみよう社会学』では、社会的想像力を持って世の中を見ることの大切さに気づかせて頂きました。
    そして、先生が民生委員児童委員のお役目を引き受けられたことがとっても喜ばしく、今後の活動をこころから応援しつつ注目しているところです。
    それは、認知症の専門医であった故長谷川和夫先生が、ご自身が認知症になって『ボクはようやく認知症のことがわかった』と仰ったように、先生が直接地域に出て自ら生活弱者の支援に当たることで、また新たな気づきに恵まれることだろうと我がことのようにわくわくしているのです。

    どうぞこれからもお元気で「きょうよう」と「きょういく」のある充実した日々を楽しまれます様にお祈りしております😊

  2. やまぼうし より:

    おはようこざいます。
    先生が考える地域福祉や安心・安全の地域づくりの実践、これからますます拡がりや深さを見せてくれると思います。
    春の訪れと共にワクワクしますね。これまでとは違う大きな役割、どうか楽しんで日々を過ごしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です