セミの命は短い?

近頃、仰向けになって動かなくなっているセミを良く目にします。青空と入道雲にセミの鳴き声は、真夏を最も感じさせてくれます。その主役のセミは、「セミの命は短い」とよくいわれ、成虫になってから1週間程度の命と、鳴子で湯治していたときに教えてもらいました。 

今日(8月3日)は、日中35度にもなる暑い一日で、公園では、セミの独壇場の感じでした。暑い日中にアブラゼミの「ジージー」という鳴き声を聞く一方、アスファルトに仰向けになって動かなくなっているセミも目にしました。生命力溢れる鳴き声と動かなくなって姿という両極端が同時に存在することに何か興味を感じ、セミの生態が知りたくなってあちこち探してみました。 

今耳にしているアブラゼミは、どのような一生を過ごすのだろう。「アブラゼミは、7〜8月に、木の幹や枝などに開けた穴に卵を産む。卵は、長さ2.2mmほどの細長い形で、ひとつの穴に5〜10個の卵を産みつける。卵は、そのまま冬をこして、翌年の6月ころにふ化する。ふ化した幼虫は、土の中にもぐり、木の根から養分を吸って成長する。幼虫は、土の中で半年から1年ごとに脱皮をくり返して、しだいに大きくなり、卵から7年目に地上に出る。地上に出た幼虫は、木の枝や葉の裏などで羽化をして成虫になる。」と、ありました。 

何と、短い命といわれるのは、成虫になった後の話しでした。セミは成虫になるまでの期間は、土の中で7年もの間過ごすのだそうです。夏を謳歌するかのような地上で見られる成虫のセミは、長い幼虫期を過ごした後の、短い期間に次の世代を残すためだけの存在でした。繁殖行動を終えたセミに、もはや生きる目的はなく、セミの体は繁殖行動を終えると、死を迎えるようにプログラムされているようです。でも、この様なことはセミに限ったことではないようです。秋に川をさかのぼる鮭も、繁殖行為が終わるとぼろぼろになり力尽きます。私が知らないだけで、この様にプログラムされた生物は、結構多いのかも知れません。 

セミは必ず上を向いて死んでいます。その理由は、昆虫は硬直すると脚が縮まり関節が曲がる。そのため、地面に体を支えていることができなくなり、ひっくり返ってしまうのだそうです。私が見たセミも例外なく仰向けで動かなくなっていました。 

やっとの思いで地上に出てわずか7日程で生涯を終える。7日に全力を傾け命が尽きる、潔さのようなものを感じてしまいました。自然の摂理には、このような潔さのようなものがあるように思います。 

私も、潔さのようなものを持った生き方をしたいものです。これができたら悔いは無い等々、ただ、ダラダラと馬齢を重ねるようなことはせず、目的や目標を持って日々を重ねる生き方をしたいものです。さてさて、今の私に目的や目標はあるのか?チョット心もとない。こりゃ~ダメだ、セミにも劣る。

羽化したばかりのセミの成虫(右)と抜け殻(左)
撮影した時から2週間過ぎているので、もう死んでいるかもしれません。
鳴子で湯治していた時の杉並木の散歩道

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