民生委員児童委員試論 第16講 『一人で頑張らない支援』

民生委員児童委員は、地域生活を送るあらゆる方々の、様々な生活課題に向き合い、行政のみならず様々な社会資源とつながり、解決への道筋を助言し、時には伴走していく。

民生委員児童委員の最大の特徴でもあり強みであることは、対象者と共に同じ目線で地域生活を営む近隣住人であることです。この為、社会福祉に関する特別の知識や活動を前提としていません。私は、それが良いのだと思います。常に市民目線で制度や規則に縛られず、住民の生活第一に寄り添うことが大切です。制度や規則は、ある一定の配意や制限があります。それを持って住民に接したら、制度や規則の下で仕事している方々と同じになってしまいます。その結果、行政や関係機関の下請けに成り下がってしまうからです。

行政や関係機関と協力するというのは、本来そのようなことを指すのではないと思います。住民と行政や関係機関の間に立ってアドボゲイト(代弁)し、住民を支えることです。時には、無理難題が求められることもあるかと思います。それでも、その内容が現時点で本人が求めている『支援』です。その支援に対する対応は、民生委員児童委員の役割ではなく、行政や関係機関の役割です。もし、本人が求めている内容と行政や関係機関の支援に乖離がある場合は、その乖離に寄り添い、本人自身がその乖離と向き合い、不足部分を埋め合わせることを解決する為の考え整理するお手伝いをするのが民生委員児童委員です。このように考えると、民生委員児童委員に最大で唯一の能力は『市民的専門性』と言えます。

このようなことを考えるとき、民生委員児童委員はどうしても自分で解決する、あるいは解決したいと思ってしまう傾向があります(この辺の下りは、前回の講義で書いています)。このようなときに考えていただきたいのは、高齢者に関わることであれば『地域ケア会議』です。本来、介護保険法に関わる事案が対象となるのですが、高齢者の場合、直接・間接に介護保険と関わらない事案はないので、是非この制度を活用することをお勧めします。

地域ケア会議は、その開催を必要とする方が提案することができます。私が考える地域ケア会議の意義は、大きく二つあります。其の一は、現状の共有です。このことにより、当事者の現状のみならず、地域に潜在化している議案もある可能性を共有でます。其の二は、様々な機関や社会資源が協働して事案に対応できることです。ここで大切なのは、『役割分担』というよりは、『役割重複』になる必要があるということです。役割分担では、対象者をホリスティック(holistic:医療面では、身体・心・精神・社会的な環境」のトータルな存在として捉える)ことができません。健康・生活行為の面でも、心身の総合的なウェルネス(健やかさ)」を目指す考え方で捉えることができません。人を輪切りにしてしまいます。それでは何の解決にもならないし、第一本人の残存能力を引き出せません。対象者を取り巻くありとあらゆる面を包括的に把握する必要があるのです。なので、役割分担=ニーズの分断ではなく、それぞれの持ち分を重ね合わせて新たな社会資源を創り出す、それが地域ケア会議です。

このことにより民生委員児童委員は、一人で抱え込まずに安心して事案に関わることはできます。是非、民生委員児童委員の過大な負担にならないためにも、本人の課題を社会課題として捉えられるようになるためにも『地域ケア会議』を生かしてください。

近頃、曜日感覚が弱くなり、ましては今回は連休があり、今日がhp投稿日であることを忘れていました。もしかしたら『見当識』が弱くなってきているのかも知れないと、チョット心配したりしています。大急ぎで書いたので不足があるかも知れません。その際は、ご指摘ください。それから、河北新報の朝刊を添付しました。私としては、そんなことではないのだがな~・・・、という印象で読みました。

        河北新報2026-10-012

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