息子がマンション購入しました

東京(台東区)で暮らす長男から「マンションを購入した」と連絡がありました。このコロナ禍で行き先不安な中で、良く頑張ったなと感心すると同時に、ローンを払い続けられるのか心配になりました。

話を聞くと、一人娘が三歳になろうとしているので、近い将来の学校のことなど考え、決意したとのことでした。その話を聞いて、息子も父親になったのだと嬉しくなりました。私も、黒松のアパートから現在の居る長命ヶ丘に自宅を建てて引っ越してきたのが、長女が三歳になるときでした。娘が三歳になるので、落ち着いて暮らす場所及び学校が近くにある場所で暮らさせてあげたいと思ったのが動機でした。

私の、考え方からすると、自宅を持つということは、その土地に根付くということで、その土地との関わりが、これからの人生の基盤になり、娘にとっては「故郷」になる場所です。息子が、確固とした人生を築くためには大切な場所になります。なので、単なる雨露をしのぐ場、寝泊まりする場としての住まいとは、根本的に違うと思っています。

土地(地域)に対する愛着は、物理的環境よりも人とひととの織りなす社会環境が、大きな影響を持つといわれています。また、その土地(地域)は、自己形成にも大きな影響を与えるといわれます。マンションという選択肢は、私にはありませんが、東京住まいの息子には、戸建ては難しく現実的な選択なのでしょう。

購入したマンションは、現在の住まいからそう遠くなく、小学校へも大人の足で5分ほどだといいます。職場への通勤にも大きな変更はなく、これまでの生活パターンを継続できるようなので良い選択だと思っています。

リロケーションダメージという言葉があります。環境変化は、時として心身に大きな影響を与えてしまうことがあります。高齢者には顕著に表れるといわれています。そうした意味でも、これまで住んでいた環境と大きく変わらないのはとても良いことだと思っています。

一方、長男が、私の住む仙台から離れた場所に、自宅を持つということは、私たちとは異なる場所に生活の本拠地を構えたということでもあります。そうした視点では若干の寂しさもあります。

息子が、孫が、遠くの街で暮らすのであれば、なおさら「実家」の存在が必要になるはずだとも思います。なので、これからはこれまで以上に仙台の我が家に実家の役割を持たせ、何処にていてもこころの故郷である実家を持たせてあげたいと思います。

私は、宮城県の特色を生かす視点で、この「こころの実家」を打ち出すことも有りかと思っています。宮城県には、四季の変化を教えてくれる山河、豊かな食材に裏打ちされた素朴で飽きの来ない郷土料理があります。伝統芸能や伝統工芸は心を癒やしてくれます。豊富な湯量と多種多様な泉質は、心身を同時に癒やし時間の流れを緩やかにしてくれます。現職の時、グループホームを建設するときに、「お嫁に行った娘が帰省して大の字になって昼寝をしている『実家』のイメージで設計して下さい」と依頼したことがあります。

宮城県には、このような「こころの実家」で街づくりをすることに、都会と田舎を繋ぎ地方経済の活性化にも寄与することができるのではないかと思います。その為にも、私たちはもっともっと地元を知り、地元に愛着を持ち、人と人との関わりに限りない未来を感じさせる地域社会を築いていきたいと思います。

東京の孫が、夏休みにはお父さんの実家仙台で過ごし、自由研究を一緒に作り上げる。このようなことができる実家になれば良いなって、まだまだ先にことを思い浮かべています。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です