民生委員児童委員試論 講義第13講『在宅高齢者世帯調査』概要
宮城県仙台市では、3年に一回、在宅で暮らす75歳以上の方々の様子をお聞きする悉皆調査があります。また、新たに75歳を迎える方々は、これとは別に毎年一回悉皆調査をします。民生委員児童委員は、あらゆる年代の人々が対象なのですが、様々な理由で後期高齢者の方々とのつながりを特段意識して、このような機会が設けられています。
75歳以上になると様々な点で保健・福祉・医療サービスを必要とする機会が増えるようです。こうしたことから、仙台市では毎年後期高齢者の生活の様子を把握し、民生委員児童委員活動に際して、対象者と民生委員児童委員の顔つなぎの意味を含め行っていると思います。今回行っての概括的感想を書いてみます。個人情報に関しては極めて厳しく取り扱いように指導されていることから、本稿では本当に概括的な感想レベルの内容になります、地域実態を示す数字は掲載していません、ご容赦ください。反対に、民生委員児童委員である私が、どの様な周知、説明を行いながら行っていることを通して、民生委員児童委員の地域における認知の現状や個人情報に関する地域住民の敏感さについて、お察し頂ければ幸です。
75歳以上といえば後期高齢者の括りになります。65歳以上の時は健康に過ごしている方と医療・介護ニーズを必要とする方の差はあまりないように感じました。まだまだ、高齢者(前期高齢者)と呼ぶのがはばかれる感じでした。そうした状況から10年が経った75歳以上(後期高齢者)になると、趣味や地域活動で健康的に過ごしている方と、医療・介護アービスを必要としている方々の差が目立つようになります。
在宅で医療サービスを受けながら暮らしている方が、65歳の時よりも多くみられます。10年経っているので当然ではありますが、75歳を超えると保健・医療・福祉をだいぶ自分事として関わる機会が増えるように思います。
また、75歳以上(後期高齢者)になると、家族構成にも大きな変化がみられるようになります。高齢者二人暮らしが急に多くなるように感じます。数字を見ても、高齢の二人暮らしが最多です。その次が同居世帯で、高齢者とその家族の同居です。私はとても意外でした。同居世帯はもっと少ないかと思っていたのですが意外に多かったのです。そうは言っても、従来の三世代同居ではなく、二世代同居が比率的には多い様に感じます。高齢夫婦と娘または息子の同居です。その際、高齢者(父または母)と息子または娘の同居もあります。もしかしたら、こうした同居の中には、8050や9050と言った状態もあるのかも知れません。
いずれにしても、高齢化した両親またはその片方を含む、家族内の人数が少ないなり、家族内の生活維持機能がとても脆弱になっている様に感じます。こうした状況は、『遠くの身内、近くの他人』が一般化しており、地域内の相互扶助(お互いさまの社会)を必須にしています。これまでにも増して近隣の関係が重要になっていることをヒシヒシと感じます。
こうしたことを行政等の公的支援に委ねることは到底無理があります。この為、自助努力が求められます。しかし、身内の手による自助努力は『遠くの身内、近くの他人』の状況下では意味を成しません。その為、見守り機能などは緊急通報サービスを使うなどの外部サービスを使った自助努力が必要だと思っています。実際、巡回している中で、転倒して自分では歩くこともできなかった方が、契約していた緊急通報システムで救われたというお話しを聞いたりしています。
今後は、怪我や病気だけではなく、災害時の対応などのサービスも、これからは含まれていくのではないかと考えています。民間事業者との直接的な契約だけではなく、公的サービスとしても、こういった緊急通報システムを一定の助成を行い進めています。しかし、なかなか契約数は上がっていないのも実情のようです。
高齢化した社会の進展は、家族環境も大きく変えています。それが基での安心安全の脆弱さは、喫緊の課題です。身内、ご近所に頼るだけではなく、市場の安心安全サービスを使うなどして、自分の生活を守っていく自助努力が必要です。今後は、こうした必要性を啓発していくことが極めて大切に思います。今年度の在宅高齢者世帯調査では、こうしたことの啓発について、これまで以上に強調していくことの必要性を感じました。
