七ヶ浜町の菖蒲田海水浴場でBBQ

我が家を建てて頂いた建築会社「無添加計画(株)」のご招待で、七ヶ浜町の菖蒲田海水浴場にあるレストランでBBQを楽しんできました。

快晴の中モーターハングライダーが上空を舞い、潮風は心地よく頬をなで通り過ぎていきます。昨年の四国八十八ヶ寺歩きお遍路の高知路を歩いたとき以来の潮騒に包まれました。

BBQの前に海岸の清掃ボランティアが企画されており、参加者の皆さんと一緒に海岸に出てゴミ拾いを行いました。

七ヶ浜町の菖蒲田海水浴場は1888(明治21)年に東北地方で初めて開設されています。全国で三番目、東北で最も古いといわれています。菖蒲田海水浴場は、海水に浸かり病を治療する「海水浴(うみみつあみ)」という治療方法により、たくさんの療養者が訪れた所でもあります。

しかし、七ヶ浜町は、2011年3月の東日本大震災で97名もの尊い命が奪われ、町面積の36%に当たる4.8k㎡が浸水し、住家被害は全世帯の60%に当たる3,923世帯にも上りました。菖蒲田浜地区は、七ヶ浜町の中で一番被害の大きかった地区であり、12.1mの大津波が、多くの人命や地区の2/3の住宅を流しました。今立っている菖蒲田海水浴場は、あたり一面瓦礫で埋め尽くされ、白砂青松と言われた菖蒲田海水浴場の松林はなくなり、砂浜には仙台港から大きなコンテナがいくつも流れ着きました。

震災後、全国各地から来ていただいた延べ8万人のボランティアの方々の支援があり、たくさんの瓦礫やコンテナは一つひとつ取り除かれました。そして、平成28年に10日間だけのプレオープンをして32,000人の海水浴客で賑わいました。平成29年には37日間の本格オープンし、平成30年には78,208人の方が訪れています。

開場となったレストランでは、毎年1万人ほどのボランティアの方々が「ビーチクリーン」に参加してくれ、開業以来の累計7万にもなるそうです。この為、海岸には目立ったゴミは見当たらず、マイクロプラスチック化したゴミは砂の中に隠れてしまい、なかなか見つけにくい状況にあるそうです。そんな中にあっても、牡蠣養殖に使う、パイプ状のプラスチックが多く見つかると言います。私も1時間で10個ほど見つけました。

県社会福祉協議会で震災復興アドバイザーをしているときに、毎月七ヶ浜社協に伺い、生活支援員の勉強会や運営支援のお手伝いをしていたので、当時のことを思い出すと、約13年の経過には目を見張るものがあります。ある意味、ゴミ拾いのやった甲斐がなかったということは「多くの人々の汗」の成果とも言えます。一人一人の環境に対する意識が、この様な姿を取り戻しているのだと言うことを実感する日でもありました。

美味しいお肉と山形風のいも煮をたらふく食べて、いっぱい潮風を吸い込み、とても元気になれる一日を過ごさせて頂きました。

主催者挨拶(無添加計画)
砂に埋もれていた牡蠣養殖に使われていたプラ
ハサミ

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

七ヶ浜町の菖蒲田海水浴場でBBQ” に対して4件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    阿部優さん
    コメントを今読みました。
    南三陸杉を誉めていただいて、身内のことのように嬉しいです。
    実は息子の幼なじみの青年が、大学卒業後に地元の林業に携わっています。小柄な体にパワーいっぱいのJ君ですが、山男になった時には少し心配をしました。
    私は林業がどの様に営まれているのか、ほとんど知らなかったからなのですが。
    今でもその知識が増えたわけではありませんが、阿部さんに誉めていただくその杉に彼も関わっているのかもしれないと思うと、とても誇らしく思えます。
    今度J君に会ったら、この話を是非伝えたいと思います。

    コメントありがとうございました。

  2. 鈴虫 より:

    青空の下、BBQってさぞかし美味しかったでしょうねー!
    って、その前に海岸清掃のボランティア付きとは何と清々しい一日だったことでしょう。
    それは先生のご自宅を建てた「無添加計画(株)」阿部優さんのご招待ですって、ボランティア活動にご招待とは粋ですね!
    ただの飲食とは違い、みんなの海岸をキレイにという地域に優しい活動が嬉しいです。
    他にも「森に木を植える鮨屋」とか聞きますが、本業でないところで地球に優しい活動に取り組む企業なら、「こちらにお願いしたら間違いない」「是非お願いしたい」となりますね。
    一見関係の無さそうな組み合わせに思えても、目先の仕事をとても大きな視点で考えている証なのでしょう。
    とても素敵な取り組みをご紹介頂いてありがとうございました。

    このでっかいクーラーボックスから美味しいものが沢山飛び出したのでしょう。
    嬉し美味しいご招待、良かったですね。

    1. 阿部 優 より:

      鈴虫さん
      うれしいコメントをありがとうございます。自分の住む町をキレイにすると、川も海も綺麗になるんだよと子どもたちに伝えましたが、本当は大人の皆さんに伝えていました。町を汚したり、自然を破壊するのはいつも大人たちです。「森に木を植える鮨屋」ではないですが、僕の使う南三陸杉は志津川の海のおかげでミネラルを含んだ優良材となっています。海を守ることは、人を守ることだと思っています。また、ボランティアや人に親切にすると、脳内にオキシトシンが分泌され、自分がしあわせになれます。みんなに幸せになってほしいので、きっかけ作りをしています。鈴虫さんの活動もおんなじですね。

  3. スマイル より:

    ちょうど東京から帰省していた長女が「私たちが子どものころ行った海岸はどこだったの?」と突然聞いてきて「菖蒲田海岸だよ」と答えたところだったので、記事を見て驚きました。
    長女の言葉をきっかけにいろんな感情が湧いてきたのですが(懐かしさというより、子どものころからの時間の経過やその間にあったいろんな出来事が一気に心に押し寄せてくるような感じ)、この記事を読み、この13年間はとても言葉では語ることのできないものであると、あらためて思いました。
    数えきれないほどのボランティアの方達が、心を込めて綺麗にしてくださってきたことに心から感謝いたします。

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