今週の1枚(福島県大内宿のネギそば)

福島県須賀川市の松明あかしのあとに島県南会津にある「大内宿」に行ったときのことです。藩政時代には、会津若松市と日光今市を結ぶ重要な道の宿場町として栄えた場所です。現在も江戸時代の面影そのままに茅葺屋根の民家が街道沿いに建ち並び、この景観を引き継ぐために店舗兼住居として生活しています。

1981(昭和56)年には、国選定重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。ここからが凄いです。この大切な村・宿場の景観を未来の子供たちに引き継いで行くために、住民憲章を作り「売らない・貸さない・壊さない」の3原則を守り景観保存と伝統的な屋根葺きの技術習得、継承に住民全員で取り組んでいというのです。

私たちは、「観光」として古い町並みを眺めているだけなのですが、これを維持し残していくために、地域の皆さんは大変な努力をしているのです。凄いことです。

大内宿日光街道

街道沿いのお店化している茅葺き屋根の家の裏通りはどうなっているのか知りたくなり、ちょっとだけ裏道に入ったのです。その時、冬囲いの準備をしていた方がいたので、屋号のことや何でネギそばなのか等を興味本位で聞いてみました。

そうしたら、その方(70代)のおばあさんが「ネギそば」の発案者だと言うのです。お話によると、重要伝統的建造物群保存地区に指定される前のこと、この地域の民家では、集落の先に大内ダムの整備が進められており、そこの作業員の宿舎になっていたというのです。大内ダムは、阿賀野川水系小野川の最上流部に建設されたダムで、1974(昭和49)年着工で1991(平成3)年に竣工しています。

この方の家(屋号:大和屋)でも工事の従業員を泊めていたそうです。その際、大人数の方にそばを出していたときのことです。箸が足りなくなり買うには遠くの集落まで行かなくてはならず困ってしまい、どこの家でも当たり前のようにあった「ネギ」を引き抜き箸の代わりにしてそばを出したそうです。そうしたら、良いあんばいの薬味ともなり、工事の従業員には大好評だったとのことです。この様なことは始まりで、この集落では、みなさんネギを箸代わりにしてそばを出すようになったとのことです。

このおばあさん(浅沼さん)は、この成功を独り占めしないで、地域の皆さんみんなで出せるようにして、この地域の名物にしたそうです。でも、発案者の特権で、このおばあさんのお店(大和屋)では、他のお店よりも少しだけ麺の量を多くして出せるようにしているそうです。そのおかげで、いつも満席だと言うことです。ほんなわずかな立ち話でしたが、とても面白いお話しを聴かせてもらいました。

些細なことにも関心を持って聞いてみたり調べてみたりすることは、思ってもみなかった発見に出会えるのだと嬉しくなりました。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

今週の1枚(福島県大内宿のネギそば)” に対して3件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    江戸時代から受け継ぐ『大内宿』の茅葺き屋根の街道を地元のみなさんが大事に保護し、そこで生活しているそのご苦労は並々ならぬものだと思います。
    でもそれはよそ者の考えること、地元のみなさんにとってはそれがあたりまえの日常なのですね。その日常に触れさせて頂くことが観光となるとは、何だかありがたいです。

    そして旅には欠かせぬその地域の名物『ネギそば』にまつわるお話を聞けたのは、好奇心を持って裏側を覗いたおかげでしたね。
    何事も表舞台を支える裏方にこそ興味深いドラマが隠されているのですね。
    ここに至るまでの成り立ち、どんな想いで、なぜそうなっているのかを知ることは、目には見えない深いところまで理解したうえで次世代に伝えることにも繋がることでしょう。

    ところで『ネギそば』のお写真が見たかったですね、『松明あかし』のご紹介も楽しみにしています。

    1. ハチドリ より:

      鈴虫さん、おはようございます。
      本間先生、大内宿へ行かれたのですね。

      私もここは大好きで、四季折々いつ、何度行っても楽しめるところだと思っていて、いつかまた福島にプチ遠足で足を運んでくださるならご一緒したいなと思っていました。

      先生は『大和屋』と言うお店の方からお話を伺ったようですが、私は必ず入るのが『山形屋』です。福島公演の前に小田さんもお蕎麦を召し上がったお店で、店頭ではたくさんのお煎餅を販売、人の顔くらいある大きな煎餅もその場で焼いてくれるので、それを頬張りながら大内宿を歩いてみたいと言う願望もあります。

      あ~、ポカポカ桜の時期になったらぜひ行きましょうよ~!

      1. 鈴虫 より:

        ハチドリさん
        ネギ蕎麦に顔くらいデッカいお煎餅と聞いたら行かないわけにはいきませんね。
        是非みんなで行きましょう。
        こうしていつも美味しいものに釣られる私です😋

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