熊本地震から5年
熊本地震(2016(平成28)年4月14日・16日)。震度7を観測した熊本県益城町、西原村をはじめ、熊本地方の広い範囲で多くの家屋が倒壊したほか、南阿蘇村で大規模な土砂崩壊が発生するなど、熊本・大分両県で大きな被害を受けた
また、大きな余震が続いたことで、屋内を避け車中泊で避難生活を送る被災者が相次ぎ、これによる静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の発症や、地域の防災計画の未整備などが課題となった。
熊本地震の前震(M6.5)発生から4月14日で丸5年になる(本震は同月16日(M7.3))。この間、新阿蘇大橋が開通するなどインフラ復旧が進み、仮設住宅入居者の99%は住まいの再建が出来ている。一方、益城町をはじめとする9市町村では150世帯(418)が未だ仮住まいを強いられている。
私は、2016(平成28)年10月28日、熊本県社協の求めに応じ、熊本県に出向き被災者支援センターの在り方や支援現場を支えるサポート支援組織の必要性を訴えてきた。市町村の被災者支援センターの有り様については南三陸町社協の事例を話し、市町村を支える支援組織としては宮城県サポートセンター支援事務所の事例を説明した。
熊本県では、宮城県の被災者支援システムをいち早く導入し、県社協に市町村被災者支援センター(名称はそれぞれ異なる)を支援する組織を県社協に委託して立ち上げている。私達の実践事例は、他県でも生かされた初めてのケースです。
津波被害とは異なるものの、復旧・復興の道のりで抱える様々な課題は共通しているように感じた。私達と大きく異なるのは、復旧・復興のスピードが相当速く、時間をかけてコミュニティ形成の醸成が進められる過程を飛ばしているので、コミュニティづくりに於ける「お互い様」の醸成が難しい感じがした。
その後、何度か足を運んだが、地元に社会福祉協議会等の支援団体のご努力により、復旧・復興が順調に進んでいるようで、今では出向く機会もなく、遠く宮城県から見守っている状況です。
熊本地震の概要
2016(平成28)年4月14日、16日(益城町)最大震度7
死者 276人(うち災害関連死は221人)
被災家屋 全壊8、600棟 半壊34,700棟
避難者 最大時18万3,882人(熊本県)
仮設住宅入居者数 最大時4万7,800人(2017年5月)
災害公営住宅 1,715戸