隠元豆を伝えた高僧

朝6時の起床から9時までの間に、朝食、読経及び作務を行い、9時からは本を読むなど机に向かうことを習慣づけようと思って、ここ数日取り組んでいます。

当初予定していた日本の名著・世界の名著は、本を読むことに慣れていない為、少し軽めの本を読んで、読書に慣れてから開くことにしました。今日は、『百寺巡礼』(五木寛之、2005年)を読み始めました。

この中で、江戸時代の高僧隠元(いんげん)にまつわるか所があり、いんげんまめを伝えたことで有名ですが、隠元が日本に持ち込んだ普茶料理(ふちゃりょうり)に目が止まりました。普茶料理では、身分を問わず誰でも一つの食卓を囲んで食事をするのが基本になっているといいます。隠元は、こうした食事の習慣も料理と一緒に伝えているのです。

明治になって、家族全員がそろって食卓を囲んで食事をするという、こうした食事の習慣は、「ちゃぶ台」という言葉で、日本の食文化の中に浸透していったといいます。「ちゃぶ台」という言葉に懐かしさを感じるのは、昭和生まれの世代なのだからでしょうか。

高僧隠元の教えは、禅の修行を通して「自己を究明する」を大切にしており、仏の教えにすがる前に、まずは自分の問題は自分で解決することが大切と説いています。このように、宗教でありながらも自己を究明するといった哲学的な側面を持ち合わせている宗派です。

五木寛之はこうもいっています。「考えてみると、隠元の「和」思想というものは、まさに21世紀の時代にも通じる『共存』や『共生』ということにも繋がっている」(百寺巡礼第10巻127頁)。

私は、地域共生社会の構築が今の地域社会の新たな社会システムとして重要である等と機会ある毎に語っています。元をたどると隠元にも通じるのかと驚いています。

350年以上の時を経て今に生きる歴史を肌で感じた時間でした。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

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