大学教員最後の仕事(昨年の今頃)

昨年の今頃、2021(令和3)年3月になると、やることなすことの多くが、現役生活最後の仕事でした。この頃に、教員として最後の仕事として行ったのが、地域教育科目「地域課題演習」(4単位)の調査研究成果について、学生を引率して学長に報告することでした。

教員の役割は、教壇の前に立つことだけではないと常日頃考えていました。学生に修学の達成感や母校への愛着そして大学で学んだことの想い出づくりも大切な役割だと思っていました。特に、私は3年生4年生を2年にまたがって指導する演習は持っていなかったので、3年生を対象とする「地域課題演習」(通年)で何とか本ゼミに負けないような授業をしたいと考えていました。この為、学生には結構負担の多い授業だったかも知れません。

2021(令和2)年度は、コロナ禍で面接方の授業ができなかったので、普段とは異なる工夫が必要でした。Zoomを使った遠隔授業が主だったのですが、なんとか演習として学生の学びを形にできる授業に心がけたものです。地元商店街や地元の歴史に深く関わっているお寺(満福寺)からZoomで特別授業をしてもらったりしました。また、授業では双方向性の授業をWebの中で行い、コロナ禍だからと、面接型授業ができないことを理由にしない授業に取り組みました。

十分な技術があったわけではありませんが、外部講師を招聘したりしながら手探りで授業を進めました。こうした授業を下にして、最終段階では地域に出て自分の足や感性で地域課題を学び取り、論文「荒町商店街活性化の事業提案」をまとめ上げてもらいました。

地域課題演習を履修した学生は、この成果を学長に直接自分の言葉で報告したのです。なかなか、この様な機会はないので、緊張の中、学長室であっという間の時間を過ごしました。学生は「あっという間」と感じていたようですが、1時間ほど学長室に居ました。学長からは矢継ぎ早に質問が飛び、殆どの同級生は経験したことのない機会を持てました。研究室に戻ってから「あんなに質問されるとは思っていなかった」等々、緊張から解放された安堵感を漂わせながら、笑顔で包まれていました。

この様な学生を見るのは教員冥利に尽きます。今日は、昨年の記録を読みながら、この様なことを思い出していました。あれからもう1年が経ちました。早い1年だったような気がします。この時の学生は、もうすぐ卒業式です。彼らのこれからが楽しみです。

荒町商店街
荒町商店街に近接する
五橋キャンパス新築工事
調査結果報告後の記念撮影

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

大学教員最後の仕事(昨年の今頃)” に対して1件のコメントがあります。

  1. ハチドリ より:

    荒町商店街の写真、これはこの数年以内の写真ですよね。それなのに私が暮らしていた昭和54年の頃を彷彿とさせるような懐かしい雰囲気の写真です。この左側にある薬局の上に私は暮らしていました。そこから仙台赤十字病院(今は八木山)に通勤していたんです。

    さて、『地域に出て自分の足や感性で地域課題を学び取り、論文「荒町商店街活性化の事業提案」をまとめ上げてもらいました』 とのこと。本間先生が考えていた、『学生に修学の達成感や母校への愛着そして大学で学んだことの想い出づくりも大切な役割だと思っていました。』ことは、達成されたのでは?とても素敵なことですよね。

    本間先生の想いと学生さんたちの達成感は、将来の自信につながる化学反応を起こしたことと思います。

    あ~、そうそう、私は当時住んでいた所から西に方に行ったことがないのです。どんな風景が広がっているのでしょう。今度時間を見つけて行ってみたいと思います🤗

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