お寺さんが行う「カフェ・デ・モンク」(栗原市「通大寺」)

栗原市築館にある古刹曹洞宗通大寺では、お寺でおしゃべりを!ごちゃまぜの居場所「みんなのおうち」として、心をほぐしたり洗ったりしましょうと呼びかけ行っています。この事業を主宰しているのは通大寺住職金田諦應(かねた・たいおう)和尚です。栗原市生まれ。1979年、駒澤大学仏教学部卒業。1982年、同大学院修士課程修了。2000年、通大寺の住職に就任しています。通大寺住職として以外にも、東北大学大学院 実践宗教学寄附講座運営委員長、日本スピリチュアルケア学会会員、傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」主宰等々多くの社会貢献を行っています。また、執筆活動も盛んで、著書には、2019『傾聴のコツ-話を否定せず、遮らず、拒まず』三笠書房.、2021『東日本大震災-3.11生と死のはざまで』春秋社.等があります。

通大寺住職金田諦應和尚は、東日本大震災で被災地を廻り、被災者に寄り添いひたすら話を聴き続けました。私は、南三陸町で被災者支援を行っている際に、登米市に設置した応急仮設住宅で何度かお目にかかっています。お茶のみの場で、被災者の言葉に耳を傾け、うなずいている様子が印象に残っています。また、横山仮設住宅団地で行われた「希望の集い」(2011-12-18)でギターを片手に会場の皆さんと歌を歌う姿も思い出せます。被災地支援は、仮設住宅団地が閉じた以降も、回数は少なくなってはいますが、当時、仮設住宅があった付近に出向き、いわゆる「心の復興」のフォローを行っています。

時間が長いので飛ばしながら視聴下さい

この様な実践活動を知っていた私は、東北学院大学で行っている「CSWスキルアップ講座」の講義内容を充実する際に、真っ先に声を掛けたのが金田諦應和尚でした。金田和尚の振る舞いは、CSWそのものだと感じたからです。住民のお話しをひたすら聴く(裏がえせば話させる)という行為を通して、落ち込んでいる気持ち、気力を失っている精神状態から、自らの力で起き上がる機会をつくり合いの手(愛の手)を差し出しています。また、お寺という、古来から行われて来た社会資源の生かし方等々を受講生に学んでもらいたかったからです。

そのような御縁が有り、金田住職からご案内がありましたので、通大寺釣月庵で開催している「みんなのおうち」「カフェ・デ・モンク」の様子を見に行った次第です。金田住職は、焼き芋を焼きながら、ひたすらお話を聴いていました。相手がお坊さんだからなのか、金田住職の傾聴力なのか分かりませんが、初めて顔を合わせるのですが、参加していた人達は、堰を切ったようにお話をしていました。ひととおりお話し聞いてもらうと安心なしたのか心が軽くなったのが、表情に笑顔が見えてきます。そのタイミングで、控えていた栗原市からの委託事業で行っている生活困窮者自立支援制度の自立相談(就労支援)の相談員さんが具体的な相談内容の聞き取りを始めていました。ごちゃまぜの居場所「みんなのおうち」では、パワーストーンでつくる「数珠」体験などもやっていました。とても穏やかな流れの中で進む傾聴と相談でした。深刻な表情が次第に笑顔を取り戻していく場の空気感が印象に残りました。

参考まで、生活困窮者自立支援制度について記載します。生活困窮者自立支援制度は以下のように説明されています。全国の福祉事務所設置自治体(県及び市)が実施主体となって、官民協働による地域の支援体制を構築し、「自立相談支援事業」、「住居確保給付金の支給」、「就労準備支援事業」、「一時生活支援事業」、「家計相談支援事業」、「学習支援事業」その他生活困窮者の自立の促進に関し包括的な事業を実施します。また、都道府県知事等は、事業者が、生活困窮者に対し、就労の機会の提供を行うとともに、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等を行う事業を実施する場合、その申請に基づき一定の基準に該当する事業であることを認定する仕組みを設けます。自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談に早期かつ包括的に応ずる相談窓口となります。ここでは、生活困窮者の抱えている課題を適切に評価・分析(アセスメント)し、その課題を踏まえた「自立支援計画」を作成するなどの支援を行います。また、関係機関との連絡調整や支援の実施状況の確認なども行います(厚生労働省社会援護局)。

こうした支援制度が求められるようになった背景には、生活保護受給世帯の増加があります。また、困窮世帯の連鎖(貧困連鎖)が指摘されてもおります。これまでもただ手をこまねいていたわけではなく、2005(平成17)年度から、自治体とハローワーク(厚生労働省)が一体となって就労支援を「福祉から就労へ」を合い言葉に進められてきた経緯もありますが、その成果はかんばしくありませんでした。そこで、生活保護制度の見直し及び生活困窮者対策に総合的に取り組む新たな制度「生活困窮者自立支援法」(平成25年12月成立)が2015(平成27)年4月に施行されたのです。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

お寺さんが行う「カフェ・デ・モンク」(栗原市「通大寺」)” に対して2件のコメントがあります。

  1. ハチドリ より:

    カフェで文句?
    最初にそんなふうに思ってしまいましたが、多分、文句も含めてさまざまな不協和音を認めてくださっているのだと思います

    金田住職と初めて会ったのに、堰を切ったようにお話をし、ひととおりお話し聞いてもらって心が軽くなったタイミングで、控えていた相談員さんが具体的な相談内容の聞き取りを始めるとのこと。
    生活困窮者の人たちにこのカフェの情報が届いているのですね。さまざまな関係者との連携がとれていると言うことなんだと思います。なんかそういうの、とてもいいなな~。SDGsの一つ目の目標にも関連しますね。

    緩和ケアで金田住職さんのお名前は伺ったことがありますが、2019『傾聴のコツ-話を否定せず、遮らず、拒まず』三笠書房、私も読んでみたくなりました。

    1. ハチドリ より:

      金田住職の『傾聴のコツ』が届きました。
      「カフェ・デ・モンク」の「モンク」とは、英語で言うお坊さんのことで、「あれこれ”文句”を聴きながら一緒に”悶苦”します」と言う意味で名付けたとのこと。

      「傾聴とは」と、1章から5章まで構成されていますが、私は5章の「傾聴とは『自分』をもっとよく知ること」から読んでみようと思います。

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