小学校三年生の養蜂体験
青空の下、富谷市役所屋上に小学校3年の児童が集まりました。6月3日(木)富谷市役所で小学校の総合学習が行われました。NPO法人SCR(宮城県富谷市)と富谷市が協働で進める「富谷ハチミツプロジェクト」での体験学習です。
子どもたちは、冒頭、とみやはちみつプロジェクト推進協議会会長の村上さんから、ミツバチの特性や関わり方などのお話しを聞いた後、頭にネットをかぶせてもらい、広い富谷市役所屋上に置かれた13個の養蜂箱と西洋ミツバチ10万匹の下に経ちました。人が急に多くなったためか、普段よりハチの動きが活発なようで、子どもたちはハチを気にしながらも、プロジェクトメンバーのお話に耳を傾けていました。
養蜂体験は、養蜂箱を前にしてミツハチの寿命や生態などを聞くグループと遠心分離でハチミツを抽出するドラムを動かしてみるグループの二班に分かれ、養蜂活動の実際を体験しています。子どもたちは、興味津々で、高さ7㎜余りの養蜂箱の玄関口をのぞき込んだり、何処まで飛んでいくのかなど聞いていました。同席してきた校長先生は、「ハチが飛んでこれるように校庭に花を植えたいって言っている児童がいます」と語っていました。
総合学習で、地元に着目した教材を開発し取り組んでいる姿勢には頭が下がります。地元との協働で進める学習は、言うのは簡単ですがなかなか手間暇がかかります。手間暇を惜しまず、地元にある教材を生かす教育姿勢には共感を持ちます。「養蜂見学」言葉にすれば簡単なのですが、「環境教育」「市民協働」「地場産業育成」「食育」「昆虫の生態」等々、さまざまな学びに繋がる切っ掛けや興味関心を引き出しています。
私は、養蜂事業にというよりは、地元の資源に着目し様々な団体が協働して、より高い目標に向かって活動していることに関心があります。大きな括りとしては、「地域福祉の推進」「協働の街づくり」「コミュニティ形成」等と言えます。今回の小学校の総合授業は、NPO法人SCR、富谷市及びとみやユネスコ協会の協働で行われています。それぞれが、地元の活性化、子どもたちの教育、食生活の見直し、生活環境の改善等々を持って参加しています。
NPO法人SCRの活動目的は、「自然治癒力の増進を図る事業活動をおこない、すべての人々が生きがいを持ち生活できる地域社会づくりに寄与することを目的として活動しています。」と、あります。またとみやユネスコ協会は、「富谷市では、市立幼稚園、小・中学校、そして宮城県富谷高等学校まで、全ての公立学校が、国連ユネスコよりユネスコスクールに認定され、ESDの拠点としてユネスコの精神をとり入れた教育活動が展開されております。これからは大人の出番です。富谷ユネスコ協会は、富谷市の様々な立場の人々の知恵と力を合わせて課題の解決に取り組み、『安心して日々の暮らしを営める』よりよい社会作りに貢献していきたいと考えております。」こうした考えの基に令和2年7月18日に富谷ユネスコ協会が設立しています。こうしだ地元の団体(社会資源)をバックアップしているのが地元の行政富谷市です。
富谷ユネスコ協会の活動概要や本日の様子の詳細は、富谷ユネスコ協会のhpをご覧下さい。
富谷ユネスコ協会 – 富谷ユネスコ協会|Tomiya UNESCO Association (tomiya-unesco-association.org)
地元をより良くしようという想いを持って活動している団体が活発な地域には、未来があります。なにより明るく元気がある。今日、養蜂体験をした子どもたちは、10歳11歳です。
富谷市の人口は、1940(昭和15)年頃迄は4,000人前後で推移し、2015(平成27)年に51,591人となり5万人を突破しました。しかし、2035(令和17)年の58,051人をピークに、その後は減少に転じると推計されています(令和2年度 第2次富谷市人口ビジョン)。
今日、養蜂体験に参加した彼らが20歳を過ぎた頃は、現在とは異なる街づくりが必要になっています。こうした時に、第一線で新しい富谷市づくりで活躍するのが、今日の子どもたちです。とみやユネスコ協会が言う、「大人の出番」とは、こうした未来への投資も意識した言葉なのではないかと思っています。
今日は、とても勉強になる事業を見せて頂きました。私にとってはフィールドワーク(参与観察)そのものの時間でした。宮城県内の素晴らしい取り組みをもっともっと知りたいと思っているにですが、まだまだ少ないです。どうか、このHPをご覧になっている皆さん,活動している皆さんで、「これを見てもらいたい、知ってもらいたい」というのがありましたら、是非お誘い下さい。ご連絡をお待ちしています(welfare0622@yahoo.co.jp)。