縮小ニッポンの衝撃 其の一
『縮小ニッポンの衝撃』(NHKスペシャル取材班,2017『縮小ニッポンの衝撃』(株)講談社.)というタイトルの本を読みました。とても大切で喫緊の課題だと思い、本の内容を抜粋して見ました。私たちは、この事実を直視しすることで、これからの社会の有り様を考える機会になることを願っています。六回くらいに分けて掲載します。
2015(平成27)年の国勢調査によれば、日本の総人口は、1億2,709万人。5年前の調査と比べて96万2,667人(参考比較:秋田県総人口952,069人:2020.10.01)の減少です。1920(大正9)年の調査開始以来100年近い国勢調査で初めて日本の総人口が減少に転じました。
更には、人口減少と平行して、急激な高齢化が進みます。日本は既に15歳未満人口の割合は世界で最も低く、65歳以上高齢者の割合は世界でも高い水準にあります。2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、5人に一人が75歳以上後期高齢者で占める超高齢社会に突入する。日本は、世界で誰も経験したことのない凄まじい人口減少と高齢化を経験することになるのです。
国土交通省は、2010年時点で人が住んでいた地点の約2割が、2050年までに無居住化地域になると推計しています。更に、現在人が住んでいる地域の6割以上で人口が半数以下になるという。日本全体の過疎化というべき事態です。
人口減少、高齢化、そしてそれに伴う基礎自治体(市町村)の財政難という流れにいち早く直面したのが、2006(平成18)年に財政破綻し財政再建団体となった北海道夕張市です。
民間研究機関「日本創世会議」(座長:増田寛也元総務大臣)は、2014(平成26)年5月に、「2040年には全国896の市区町村(49.8%)が『消滅可能性都市』になる」と発表しました。
宮城県内では、石巻市、塩竈市、気仙沼市、白石市、角田市、登米市、栗原市、蔵王町、七ヶ宿町、村田町、川崎町、丸森町、山元町、松島町、七ヶ浜町、大郷町、大衡村、色麻町、加美町、涌谷町、美里町、女川町、南三陸町の23市町村(宮城県内市町村数は35)がリストに挙がっており、実に65.7%を数えます。選定の基準は、2010年から2040年までの30年間で、子どもを産み育てる中心的な世代である20歳から39歳までの女性が5割以上減少する地町村です。5割以上減少すると、出生率がいくら上昇しても人口の維持が困難とされています。