名刺から離れられない愚かな私
今年の春から仕事を卒業し「市井の人」になりました。何処にも所属していないので、「お仕事は?」って聞かれたら「無職です」って答えなければいけない状況になりました。これまでに経験のない新たな世界です。
これまでは、何らかの組織に所属し、その組織の目的に沿って仕事をしてきました。こうして自分の位置づけを組織や仕事、役割に依存して長い期間生きてきたので、それが無くなると開放感というよりは疎外感の方が勝ってしまいます。
日本人は、特にこうした役割に自分のアイデンティティを見いだす傾向が強いそうです。日本人に、「あなたは何者ですか?」と質問すると、〇〇の社員です。○○の役員です。〇人の母をしています等々、組織の一員であることや自分が担っている役割で答える方が非常に多いのだそうです。西欧人は、音楽が好きな人です、毎朝ジョギングする人です等と、我々日本人とは違う答え方が多いそうです。自分のことを役職や役割で答えるのは日本人特有のようです。特に、男性はその傾向が顕著とのことです。私も、同じで、長寿社会政策課の本間です、東北学院大学の本間です等と答えてきました。
それが、組織に属さないようになり、役割が無くなってくと、なんとも身の置き所が無い、どう振る舞って良いのか分からなくなってしまいす。そんなわけで、必要もない、使うあてもない名刺を作ってしまいました。なんとも愚かな私です。
先日、初めてこの名刺を使う機会がありました。名刺を差し出している自分に半ばあきれながらも、いつもの習慣で何の躊躇もなく名刺交換をして来ました。これまでの名刺と違うところは、裏面にアマチュア無線のコールサインを印刷したことです。表は、勝手に「地域福祉研究所 主宰」と書きました。私の恩師いわく「研究に定年はない」という言葉に触発され、大学を卒業したとしても学会には所属し、常に学びの姿勢や地域福祉の推進に関わる社会貢献の機会は持ち続けたいたいという気持ちで、この名称にしました。
地域福祉研究所という名称の他にマークも決めました(愚かだと笑って下さい)。だいぶ前に、横浜に行ったとき「これは良い!」と思って買って来た「国際信号旗」を模したバッチを下にしました。船舶の通信のために世界共通で使われる旗が「国際信号旗」で、アルファベットの文字旗26枚、数字旗10枚、代表旗3枚、回答旗1枚の合計40枚で構成されます。「国際信号旗」を掲げておけば、その船の状態(火災・操縦困難・試運転、投網中など)を周りの船舶に知らせながら航行・停泊することができます。
その中から、アルファベットの「K」を表す旗を選びました。「国際信号旗」Kの意味は、I wish to communicate with you.(私は、あなたと通信したい)です。多くの方々と、コミュニケーションを取りながら、地域福祉の推進を一緒に考えていく。この目的にピッタリだと思ったのです。デザインもシンプルでとても気に入っています。
こんな使うあてもないのに名刺をつくって喜んでいる私をどうぞ笑って下さい。
ダクルス久美様
お会いできる日を楽しみにしています。
コメント有り難うございました。本間(地域福祉研究所)
先生、新しい名刺同士での交換を楽しみにしています☺
I wish to communicate with you← me too!
これからもお世話になります。どうぞよろしくお願いします☺