見つけました!温泉での必須飲料
いつだったか、温泉に行ったときには必ずやって欲しいこととして、風呂上がりの『フルーツ牛乳』を飲むことをお勧めしました。温泉に行く機会は多くはありませんが、行ったときには休憩所などに置いてある自販機をのぞき込み、フルーツ牛乳を探します。しかし、なかなか置いてあるところは無くて、一般的な混じり物のない牛乳と珈琲牛乳がほとんどです。
フルーツ牛乳のある自販機を見るたび、風呂上がり、腰にタオルを巻き付けただけの姿で、左手を腰に当てフルーツ牛乳を一気飲みしたことを思い出すのです。でも、多くの人は『フルーツ牛乳』の印象はありません。こんな現実を突きつけられると、時の流れに置いて行かれているような感覚を覚えるのです。確かに齢(よわい)を重ねた75歳、さもありなんという処なのでしょう。
買い物に付き合って近所のスーパーに行ったときのことです。ありました!『フルーツ牛乳』が。従来のガラス製の牛乳瓶ではなく、今風のペットボトルに入ったフルーツ牛乳です。コマーシャルのポスターには、しっかり腰に手を当てて飲んでいる姿が描かれていました。これだこれだと、自分が認められたかのように思いながらしばらく眺めていました。高齢社会が消費行動にも浸透し、高齢者の思い出をくすぐるような商品が出回っていることの現れのように思います。
比較的、田舎の方に行くとフルーツ牛乳の発見率が高いのは、その地域や利用者層に高齢者比率が高いことを反映しているのでは無いかと、個人的には分析しています。現に、以前行ったことのある旧北上町にある追分温泉の自販機に『フルーツ牛乳』がありました。しかし、メジャーな温泉ではなかなか見つけられません。きっと私の仮説は当たらずとも遠からずなのだろうと自負しています。
もう一つの発見。これは自己満足の発見です。なんと、拙著『楽ではない お金もかかる 大変なだけ それなのに なぜ行った?!』が、仙台駅の隣にあるAER(アエル)に入っている丸善仙台アエル店に置いてありました。丸善仙台アエル店は、東北最大級の売り場面積を持ち50万冊もの在庫を持つという書店です。そこの旅行コーナーに置いてありました。
その日は、たまたま菩提寺の関係する団体恒例の高僧をお呼びしての講演会だったのです。それに参加するついでに、残り少ないWATERMANの瓶インクを買いにAERに行ったのです。万年筆には、一般的なスペアインクではなく、万年筆用インク吸入器コンバーターを使っています。そのインクは、WATERMANが一番良いと聞いていたので、WATERMANを使い続けています。近所のお店には、なかなかWATERMANを置いていないので、街に出たついでに買いに行き、その際に丸善書店にも寄ってみたのです。
ついつい、東京の紀伊國屋書店新宿本店に拙著が置いてあったことを思い出し、「有る訳はない」と思いつつも、紀伊國屋書店と同じ場所に行ってみたらあったのです。「あっ!」と声を出しそうになりました。自分が書いた本が書店に置いてあるのを直接見るのは初めてなので、ワクワクしながら写真に収めました。売れるかどうかは分かりませんが、表紙が見えるように置いてもらえているのが、書店でも「売れるかも」と思っている証と楽観的に受け止めています。
拙い内容ではありますが、本を出版したことが、このようなワクワクをもたらせてくれるとは思ってもいませんでした。こんな訳で、自分の体験や感じたことを書き綴った本を出版できた喜び、そして今は、他人様の目に止まり、もしかしたら手にとってもらえ、追体験して一期一会に共感してもらえるかもしれないという二十の喜びを感じています。人は、冷やかし半分で「今度は印税生活だね!」と言ってくれます。それは限りなく難しいのですが、そんな夢を持てることも、もう一つの喜びなのかも知れません。
これも全てが、これまで関わりのあった全ての皆様のお陰です。この様なことに出会うたび、四国八十八ヶ寺歩きお遍路で感じた『感謝』を思い出します。有り難いことです。




