14年目の3.11『縁側日和』の結い返し

東日本大震災で甚大な被害を受けた南三陸町。歌津田の浦地区でも甚大な被害を受けました。その時、いち早く駆けつけてくれた滋賀県立大学の先生及び学生。

様々なボランティア活動を行い、更には『田の浦交流センター』を建築。そして『田の浦ファンクラブ』を結成し、定期的に田の浦地区を訪問し交流を深めています。田の浦地区の夏の風物詩となっている『海の運動会』での洋上綱渡り等々、地域を応援し復興の気運を高める様々な活動を息長く行って頂いています。

今年来た学生は、今回で七回目とのこと。今学生だけでは無く、多くの学生が複数回、南三陸町歌津田の浦地区を訪れてくれています。更には、交通費、宿泊費は時前だと言います。この様な学生がいると言うことに驚きを隠せません。

何より、14年間それも年に複数回来てくれている先生には、ただただ頭が下がります。研究費を投入したり大学からの補助をつぎ込んだりすることも無く、別の言い方をすれば「仕事」としてでは無く、南三陸町被災地を支えてくれています。本当に有り難いです。

こうしたことを知っている地元の高齢者の皆さんは、『縁側日和』という場を生かし、少しばかりの恩返し(恩送り)をしたいと集まり、『春つげ定食』と名付けた食事を振る舞ったのです。こうした田の浦の方々の気持ちを形にしている『縁側日和』の主宰者は、正にCSWerなのだと思っています。

お世話になったことを忘れない。出来ることでお礼をしたい。高齢者の結いの気持ちを形にする。一人ひとりを主役にしている等々、この活動には学ぶことが満載です。こうした取り組みの下支えをすることは、『住み慣れた地域で暮らし続けることを支える』という地域福祉推進の基盤になるのだろうと思います。それを、肩肘張らずに、さり気なくみんなで楽しみながら役割を持って行っている。

こうした振る舞いが続くことで、諸々の活動がいつしか、田の浦地区らしさ、ひいては田の浦地区の文化として定着していくことを夢見ています。皆様の志を応援しています。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

14年目の3.11『縁側日和』の結い返し” に対して7件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    東日本大震災から14年目の『3.11』
    今年も滋賀県立大学の学生達が、まるであたりまえのことの様に田の浦にやって来ました。本間先生がこれまでの経緯をご紹介下さったので、私からは割愛させて頂きます。

    『縁側日和』は常々、どなたにも出番のある居場所を目指していますので、今回はこの食べ盛りの若者達にお腹いっぱい美味しいものを食べさせようと、今が旬のメカブやバッケを使って『春つげ定食』と名付けた食事を心を込めて調理しました。

    台所でそしてテーブルで包丁を持ち、鍋のそばに立ち続けたのは、震災後から今日まで14年もの長期にわたって、私たちを変わらぬ温もりで支え続けて下さった、滋賀県立大学の先生と学生を主メンバーとする『田の浦ファンクラブ』の皆さんへ、感謝を伝えたい恩返し(恩送り)がしたい、その一心で張り切るばあちゃん達です。

    今回、学生達から田の浦の地に立って地元の住民と交流することの感想を話してもらいました。それぞれに現地に来なければわからない生の被災地を感じ取り、自分事に落とし込むにはどうすればいいかを学んでいる様でした。今回2度目の来訪だというIさんは「前回来て話した時、『私達はいつ迄も支援され続ける人ではありません。生活も元に戻り自立出来ています。今後は恩返しをする番です』と言っていたことが印象に残っています」と話してくれました。

    私達の自信を取り戻そうとする気持ちを受け止めてくれたことが、とても嬉しかったです。

    そして見て下さい、会場いっぱいに繰り広げられた老若男女の交流の様子。どの写真を見ても、心通わせた会話が聞こえるようです。みんなが胸を張って、それぞれの出来ることを惜しみなく発揮しています。

    これこれ! これからは、この様な交流スタイルがあたりまえになりますよ!遠く離れていてもお互いを思い、無事を祈り合う私達の関係性は、胸を張って自慢できる田の浦の宝です。

    滋賀県立大学の鵜飼先生、素晴らしい若者達を田の浦に連れて来てくださってありがとうございました。震災直後のメンバーも、田の浦の皆にとって心に残る顔ぶれが脳裏に浮かびます。彼らを引率する黒子の様な先生の姿も、私達にはすっかりお馴染みとなりました。少しずつ交流の形は変化しながらも、これからもどうぞ末永く宜しくお願いいたします🙇🏻‍♀️

    本間先生、私たち田の浦の素晴らしい記録をこの様に残して頂いてありがとうございました。大変心強く、私達がしっかりと地に足をつけて踏ん張る力になります🙇🏻‍♀️

    1. ハチドリ より:

      3月11日は,それぞれの地域で何かあるかも・・と,ちょっと遠慮があったかもしれませんが,鈴虫さん,今回の『縁側日和』に声をかけてもらってありがとうございました。
      駐車場に車を止め,車中から中を見たときにばあちゃんたち(私の年齢を考えたら,お母さんたちです)が気づいてくれて,おいでおいでみたいに手を振ってくれたんですよ。1年前にいただいたバンダナをすぐに身に着けました。そう,今回はお手伝いをするぞ!と決めていました。

      まず,採りたての「めかぶ」からカットしたけど,真っ白いめかぶにびっくり!塩を吹いているのかと思ったけど,ぬるぬるして切りにくいから粉をまぶしていたのですね。もう,目からうろこ,さすが浜のお母さんたちの生活の知恵だと感動しました。(地元に戻ってから何人の人に教えたことか!)3人のお母さんたちの前で千切りをさせてもらったけど,先生の写真を見るとお母さんたちが「大丈夫かしら・・」というような表情をして私の手元に視線がいっているのがちょっと笑えます。

      学生さんたちが着いて,彼らのでしゃばらない積極性がとてもいいなあと思いました。いっぱいお手伝いしてもらいましたね。おにぎり🍙,おっきかったよね~。お味も最高で,私は勝手に「しあわせおにぎり」と命名させてもらいましたよ。ね,しあわせになれる🍙でしたよね。

      私は何回目の『縁側日和』だったのだろう・・と思いましたが,今回,滋賀県立大学のみなさんが作ってくれたと言う「田の浦交流センター」を隅々と眺めさせてもらいました。鈴虫さんが「ここに初めて入ったときにとても落ち着いた」と話していましたが,それ,私も同じ感覚です。

      中央にテーブルと椅子でみんなが集まれるようになっていますが,両脇に小上りが二カ所もあり,物が仕舞える部屋もちゃんとあって,台所のカウンターのところにはよく見ると吊りドアまで付いていました。廃材という宝物が随所で生かされていて,使いやすく,よおく考えて作られているんだなぁとつくづく思いました。

      14年間,来続けてくださっている先生の涙ながらにお話しくださった『ここをこんな風に使っていただいてしあわせです』と言うひとことは,本当に胸を打ちました。

      最初から最後まで,楽しく和気あいあいとした恩返し(恩送り)の時間になったと思います。学生さんとお母さんたち,いっぱいお話をしていましたね。形は変わってもこれからも交流が続きますように!

      鈴虫さん,『どなたにも出番のある居場所を目指しています』と書いていましたが,一人ひとりになんらかの役割がある『縁側日和』はそのようになっていると思いますよ。

      大変,お疲れ様でした。

      1. 鈴虫 より:

        ハチドリさん、あの場面を隅々まで堪能していただいて良かったです。集う人も場の空気もなぜか心地良く、行くたびに寛ぐことが出来ます。
        また是非遊びにいらして下さい。
        どんな環境でもみなさんに寛いで頂けるように、みんなで温かい居場所を作っておきます。

        さて、先日、隣町でひとり暮らしだった叔父が亡くなり、金銭管理など大変お世話になっていた担当者の方と引継ぎをしました。とても親身になってお手伝いして頂きましたが、これでお終いと寂しい気持ちでした。
        ところが、挨拶を済ませて帰ろうとすると、「ちょっと待って」と制され「田の浦の鈴虫さんとは間違いなく貴女ですよね」と、「最近、田の浦ファンクラブのhpで縁側日和の大漁旗を見たんです。私も始めの頃は田の浦に通って、その活動に参加していました」と、ファンクラブ創設当初のお話を聞かせてくれました。
        なんということでしょう、お互いにご縁が繋がったことに驚きました。

        その晩、鵜飼先生に彼女のことをお伝えしたら「彼女は私達に田の浦を紹介してくれた人です〜」と、またビックリ!
        こんなふうにご縁がピンポイントで輪になることなど滅多にあるもんじゃないでしょう。なのに、奇跡が目の前で起きちゃいました!
        これはきっと他生の縁と、ありがたく大事にしていこうと心に決めたのでした。
        有難や、ありがたや🙇🏻‍♀️

    2. スマイル より:

      みなさんそれぞれのご報告を読ませていただき、当日の温かな交流の様子がよくわかりました。

      とてもいいなあ、と思ったのは、「田の浦ファンクラブ」を結成された、というところ。そういうところから大学の先生や学生さんたちの「動機」や「想い」が伝わってくると感じました。またそのみなさんが建築した「交流センター」を、それぞれに出番のある場所として、月に一度素敵に整え「縁側日和」を開催して交流したことは、想像する限りもっとも嬉しく感激していただける使い方ではないか、と思いました。
      その様子がとてもよくわかるスライドショーを本間先生が作成し上映してくださったこと。みなさんに何より伝わる贈り物だったと思います。
      そういう全てがこの日にこの場に備わった、かけがえのない時間だったのですね。

      これからも、この貴重な交流が良い形で続いていきますことを心から願っています。

      1. 鈴虫 より:

        スマイルさん
        温かいエールをありがとうございました。
        先日、南三陸町役場前に『慰霊碑』が建立されたニュースに接して、私に何故「縁側日和」が必要だったのか、立ち上げなければという使命感が強かったのだと気づかせて頂きました。
        震災から復興までの道程は、誰かを待っていては何も始まらないことを思い知らされた日々でした。
        自分が出来ることをする、気がついた者が行動を発す。
        その強い想いが私を動かしていたのです。
        私は踏まれても踏まれても逞しく成長する雑草のように、小さくて可憐な花を咲かせる雑草のように生きたいのだと、『慰霊碑建立』の報が気づかせてくれました。
        これからも私に出来ることをコツコツと励んでいきます。
        いつも支えてくれるみなさんに感謝です。

        1. スマイル より:

          鈴虫さんの中にある「強い想い」がこれまでもこれからも道しるべになりますね。ゼロから立ち上げる、ということは本当にエネルギーもいるし、勇気も忍耐も求められるけれど、それでもコツコツと続けていけば、あちこちから支流が集まってきて大きな川になっていつかは大海にも届く、そういうものではないかしら。

          私自身もその道のりの風景や出会いを楽しみながら歩んでいきたいな、と思っています。それぞれの地で誰かが自分にできることをやっている、と思えることほど心の支えになるものはない、とも思います。支え合っていきましょう!

          1. 鈴虫 より:

            スマイルさん
            「それぞれの地で誰かが自分にできることをやっている、と思えることほど心の支えになるものはない」本当にその通りです。
            私もスマイルさんとお仲間たちの活動から、たくさんの元気と勇気を頂きながら励みにしています。
            今後とも毎日を楽しみながら、いきいきわくわくと過ごしていきましょう!
            ありがとうございました。

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