映画「みんなの学校」と大空小学校元校長(木村泰子さん)のお話し会、開催される

2022(令和4)年12月18日(日)富谷中央公民館1F体育館ホールで、富谷ユネスコ協会主催で映画「みんなの学校」の上映及びみんなの学校の元校長木村泰子先生のお話が開催されました。それはそれは素晴らしい内容で、多くの富谷市民は涙をぬぐいながら映画を観、そして元校長木村さんのお話しに聴き入りました。

映画の舞台となったのは、大阪市立大空小学校です。大阪市住吉区にある公立小学校です。2012年度の児童数・約220人のうち、特別支援の対象となる数は30人を超えていたが(通常学級数6・特別支援学級7)、すべての子供たちが同じ教室で学ぶ姿勢を貫き通しています。

この映画は、公立の小学校「青空学校」の教職員と地域住民が協力して、「すべての子どもの学習権を保障する」という理念の下に、真っ向から取り組んでいるドキュメンタリー映画です。また、その映画に併せて、その学校で、理念の中心となって奮闘してきた、みんなの学校の元校長木村泰子様のお話が聴けました。

学校、子ども達そして高齢者等々を地域で支えることの大切さを常日頃から訴えている者として、今回の映画や木村泰子さんのお話しは、「これだよ!」と叫びたくなるほどの共感を持ってその場にいました。

木村泰子さんをお迎えするジュニア部の小学生

特に、特別支援に配慮が必要な子どものお母さんが、子どもの変化について語る場面は、嗚咽に近いものがありました。

子どもの鉛筆が減っている(使っている)、上履きが汚れている(遊べている)、ランドセルに入った教科書が乱雑になっている(自分で入れている)。この様なことが「嬉しい」と、お母さんが涙するのです。これまでは、鉛筆もクレパスも買ったまま真っさらの状態だったのが今は短くなっている、即ち「使っている」=学びに参加している。

子どもが学校で学んでいることを、鉛筆が短くなっていることや上履きの汚れで実感する。この様なことを私はこれまで聴いたことも見たこともなかった。テストで何点取ったとかお絵かきが○○の賞をもらった等々で子どもの成長や学習成果を実感する。このようなことが「普通」と捉えていた自分がとても恥ずかしく思えました。

学校という場は、「学びの場」だけではなく「共にいる場」であることの大切さに気づかせて頂きました。友達との関わり合いの中で成長する場であることを、改めて考えさせられました。学校にいるだけでも成長と涙する親を心から応援したいと思いました。

同時に、子ども達は、好きでそうなっているのではなく、様々な関わりの中で、そのようにさせられている、ないしはそうせざるを得なかった。私たちの社会、私たち大人が、全ての子ども達のサポーターにならなければいけない。そんなことを小雪が舞う中を帰ってきました。外は寒かったのですが、何か知らないけど温かいものを感じながら帰って来れました。

それにしても「富谷ユネスコ協会」は、何と素晴らしい企画をしてくれたのだろうと思います。また、今回は、富谷ユネスコ協会の「ジュニア部」デビューでもありました。この発想も素晴らしい。詳しくは、近々、富谷ユネスコ協会おhp等で報告されると思うので詳しくはそちらでご覧下さい。今日は、私の簡単な感想だけに留めます。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

映画「みんなの学校」と大空小学校元校長(木村泰子さん)のお話し会、開催される” に対して7件のコメントがあります。

  1. スマイル より:

    おかけさまで、無事に映画上映会とお話会を開催することができました。
    当日は寒く雪の予報だったにも関わらず、たくさんの方が集まってくださって会場はポカポカとみなさんの優しさであったかーい空間となりました。

    映画に登場する木村泰子先生(ご本人の希望で泰子さん)は、これまで会った人の中で誰よりも子どもたちを深く深く愛しぬいている方でした。その愛を思い出すだけで胸がいっぱいで涙がこぼれます。ご本人からも「あの体育館のあたたかい空気はずっと私の中に残り続けます」とのメールをいただきました。

    これもメールに書かれてあった言葉です。
    「私たちは、ただただ本気ですべての子どもの育ちを守り切ろうとするだけの大人同士ですよね」

    この言葉に込められた想い、会場にいた方ならだれもがわかることと思います。泰子さんはこの言葉をそのまま生きている方でした。

    富谷ユネスコ協会のインスタグラムで何回かに分けて紹介させていただくことになっています。良かったらそちらもご覧ください。

    https://instagram.com/tomiya_unesco?igshid=YmMyMTA2M2Y=

    この出逢い、そして共にあの場を創造してくださったみなさまに心から感謝しています。ありがとうございました。

    1. スマイル より:

      追伸

      インスタグラムにあげる写真のほとんどは、本間先生が撮影してくださったものです。素敵な写真ばかりで、あの会場の様子、あの空気感がよみがえってきます。本当にありがとうございました。

    2. ハチドリ より:

      確か10月、スマイルさんから「みんなの学校」のチラシをいただいた時、そこには『すべての子供に居場所がある学校』ということが書いてありました。その意味はどういうところなんだろうとずっと考えていました。そして、とても楽しみにして知り合いを誘って出かけました。

      まずはスマイルさん、今回の上映会とお話会のことを教えてくださって、本当にありがとうございました。大感謝です。見ながら、頭の中にはびこっていた錆が、サーッと消えて無くなっていくような、そんなとてもさわやかな感動、感覚に襲われました。一緒に行った知り合いからも「誘ってくれてほんとにありがとうね!」と言ってもらいました。

      たくさん、心の中に残っていてここに書くことはできませんが、少しだけ・・。

      朝礼のような場面で子供たちに「行動するのは自分」と繰り返し伝え、新任の教師が大きな声で子供を叱っていたあとには「あれは虐待なんだ!」としっかり教え、門の前で動かなくなった子供を子供が迎えに行き、手を引いて、カバンを持ってあげて、最後まであきらめないで連れてきてくれる。困ったことは「問題」とはせず、どんな状態もそれぞれの個性ととらえて、本人から「どうしてそうしたのか?」「どうしたいのか」をちゃんと確認し、「どうやったら安心して学校に来れるか、過ごせるか」ということだけをとにかく考え、声と手をかけてくれる・・等々。

      ほかの学校では感じられなかった居場所が見つかり、居心地の良さを感じ、学校に行けなかった子供が毎日学校に行くようになったら、親御さんもどんなにかホッとしてどんなにか嬉しいことでしょう!きっと地域も変わっていきますよね。

      お話し会の時に木村先生が「騒ぐ子がいても、勉強に集中できないなんていうことはない。かえって集中力のある子に育つ!」とおっしゃっていた時には、心の中で思わず拍手を送りました。

      『すべての子供に居場所がある学校』の意味がとてもよくわかりました。「あんな学校があったらいいな」ではなく、まずは自分がどんな考えを持ち、どう行動していくかが大切なんだということを学ばせてもらいました。今の自分の仕事にもとても参考になります!

      そうそう、私も富谷ユネスコ協会ジュニア部の皆さんから「前のほうからお座りくださ~い」とかわいく案内され、随分、前のほうに座らせていただきました。とてもよいお仕事をしてくださっていましたね。デビュー戦、大成功!

      ほんとうにありがとうございました。

  2. いくこ より:

    このページを読んでまた改めてこみあげてくるものがあります。
    木村先生の本気、胸に響きました。「みんなの」は学校のみならず「地域」もしくは「社会」と言いかえられると思います。ひとりひとり今ある皆がどう生きるか問われているのだと思いました。
    皆が助けあいながら学んでいけたら、支援を受ける側のみならずクラスメイトの方にも大きな学びがあるのではと思っています、悩みごとを抱えた時に経験が助けになると思うのです。運営する側にはなかなか大変なことと思いますが、大空小学校の先生方の様子には本気で生きる幸せがあるように感じました。

  3. 鈴虫 より:

    富谷ユネスコ協会主催の『みんなの学校』上映会に私もおじゃましてきました。

    前日からの寒波到来で会場の体育館は冷えることだろうと、寒さ対策を整えて出かけました。
    ところが、寒さを吹き飛ばすかのように会場にはジュニア部の子供達のお手伝いする姿があり、その上、来場者に向けてアナウンスが始まったのです。

    「前のほうからおすわりくださいませ〜」きっとお客さんが来るたびに繰り返してくれていたのでしょう、まるでウィーン少年合唱団の天使の歌声の様に会場全体に響き渡り、とても感動的でした。その素敵なアナウンスはどんな暖房にも優る暖かさを運んでくれ、これから始まる上映会への序章のように感じられました。

    大空小学校の子供達は一人ひとりがとても個性的で、この子らを理解して寄り添うことは大変なご苦労と思えるのですが、先生方はじつに丁寧に本気で向き合おうとしてくれていました。よその学校では居場所を作れなかった子供達が、本気の大人と出会い、少しずつ表情が柔らかくなり、ありのままの姿で学校に居られる様になっていく過程を見ることが出来ました。

    学校や地域の大人が本気で見守り、本気で何とかしようとする行為が子供達の伸びやかな成長を助けることになると確信しました。変えなければならないのは、本人より周りの人達の方だということもあらためて考えさせられました。

    また、本間先生も触れていました「鉛筆の芯が減っている、泥だらけの靴を洗うことに喜びを感じる」と語っていたお母さんの姿に、この上無い母の愛を感じて涙が出ました。学校が我が子にとって安心出来る居場所になるということは、この母にも子育てを前向きにさせてくれる勇気を授けるのだと感動しました。

    木村先生のお話も、とても肩の力を緩めてくれる温かいものでした。大人の「先入観を入れずに自分の目で見て理解していこう」という言葉は、どんな場面にも通じる大切な心構えだと胸に刻んで家路に着きました。

    富谷ユネスコ協会の皆様、素敵な映画のご紹介をありがとうございました。

    1. スマイル より:

      鈴虫さん、遠くからいらしていただき本当にありがとうございました。
      ジュニア部の子どもたちへの愛にあふれるコメントに胸がいっぱいです。
      1人でも多くの方に知っていただきたく、鈴虫さんの言葉を富谷ユネスコ協会のインスタグラムでも紹介させていただきますね。

      「みんなの学校」を考えることは「みんなの社会」を考えること、そして「みんなの未来」を考えること・・・映画に登場していた校長先生、泰子さんのように「楽しくてたまらない!」という気持ちで、今できることに取り組むことができたらと思っています。

      一緒に一歩一歩進んでいきましょうね。

      1. 鈴虫 より:

        スマイルさん

        私の子供達に対する感想を富谷ユネスコ協会のインスタグラムでご紹介くださるとのこと、ありがとうございます。どうぞ子供達に賛辞をお伝え頂きたいです。また、参加出来なかった方々にも、是非お伝えしたいエピソードでした。

        私のコメントの掲載は、こちらからお願いいたします。どうぞ宜しくお願いいたします。

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