アナログからデジタルへの取り組み

前回(10月10日)では、「アナログの情報伝達・情報共有」と題して、365日翌朝ミーティングを行う目的や想定していた内容について書きました。今回は、記録の効率化や情報伝達の迅速化を図るために、早々に取り組んだ生活支援員の奮闘について書きます。

365日、毎日、応急仮設住宅を訪問し、被災者の生活に寄り添い、日常の機微に注意を払い、「気がかり」なことに耳を傾け、慣れない生活を支え、詰め所であるサテライトセンターに戻れば、訪問したお宅の様子や気がかりな内容を記録していきます。

この記録がとても大変です。そもそも、介護職員や看護師ならともかく、生活支援員の皆さんは、これまでの生活において、これほど克明に「記録を取る」習慣はありませんでした。それが、毎日記録を書き、その記録から特に気になったことについては、本部経由保健師等へ報告する為に、別紙に要約をまとめたいわゆる「サマリー」に相当する文書を書きます。

また、その日のうちに、訪問記録の要点を本部に送り、翌朝のミーティング資料にするのです。細々とした記録、要約、サマリーの作成と、同じ内容を表現を変えて何度も書くことになります。この業務は、見守り訪問の中核を成すものなのですが、とても負担の多い内容でもありました。

そこで、転記や要約で威力を発揮するのは、パソコンによる文書作成です。しかし、生活支援員の皆さんは、パソコンの操作に慣れている人はほとんどいませんでした。かろうじて、ガラケーの携帯で短いメールを打っていた経験があるだけでした。そこで、早い段階で、パソコンでの記録を勧め、パソコン研修などを繰り返し行いました。

パソコンは、「習うより慣れろ」的なところがあるので、半強制的に「記録はパソコンで!」と伝え、否応なしにパソコンを使わざるをえない環境にしました。そうしたら、生活支援員の皆さんは、自主的に練習を始め、とても早い段階で記録の電子化に転換できました。

これが出来れば、別様式への転記や報告もFaxからE-mailに代わり、処理時間が格段に短縮できるようになり、目的にしていた記録の負担軽減を実現できました。これは、毎月行う実績報告書の作成(月例報告書)やその後に取り組むようになった「ミニコミ誌」の発行にも役だったと思っています。

パソコン導入に取り組むために、生活支援員同士で教え合う姿は、微笑ましさを超えて感動ものでした。きっと、生活支援員を卒業してからも、この時に身に付けたスキルは、地域活動などでも行かされているのではないかと思っています。ましてや、南三陸町の生活支援員さんは、支援員を卒業してから介護職員などに就く方もおり、きっと大いに役だったに違いありません。

それにしても、あの時の生活支援員さんの必死の形相で取り組む姿は、ほんと凄かった!これを読んでいる皆さん、10年前のパソコン環境を思い浮かべて見て下さい。必死に頑張ったのです、凄いでしょう!

今、何か取り組もうかと思いつつも、先送りしている皆さん。思い立ったときが「旬」です。時には、若干の負荷を自らに課し、頑張ってみることをお勧めします。きっと、全部とは言いませんが、少しは自分を褒められるところまで行けると思いますよ。

大量の記録
訪問内容の転記
パソコン入力に悪戦苦闘
努力の成果!(みよ、自信に満ちた姿)

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

アナログからデジタルへの取り組み” に対して1件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    みんな一生懸命で美しいですね!

    私もパソコンが苦手で、毎月の勤務表を作るのに四苦八苦しました。ある時、別のサテライトのおんちゃん支援員がパソコンに詳しいことがわかり、システムエンジニアの先生とお呼びして招き、あっという間に入力しやすくして頂きました。

    そのSEの先生は「なぁに簡単だ、ここは関数をこうして〜」とちょちょいとやってのけて下さるのですが、私は傍らで「ほほぅ、すごいねー」と感心しながら、お礼のインスタントコーヒーをお出しする🙇🏻‍♀️という役目でした。

    尊敬の眼差しで「何でそんなに詳しいの」と聞けば仕事でパソコンを使っていたそうですが、この時ほど人は見かけじゃわからないと思ったことはありませんでした。(SE先生ゴメンなさい💦)

    その後も何度も助けて頂きました。その節はありがとうございました!

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