小さなちいさな勉強会(CCSW研修会in福島「中間報告会」)

誰から頼まれるわけでもなく、自らの意思と情動の下に、地域社会をより良くしたいと日々活動している人、全国に散らばっている被災者の今後を支えたいと岡山県から泊まりがけで足を運ぶ人、お寺で子ども食堂を行うなどしながら、更なる社会的役割を考えたいと参加する若き僧侶等々、熱い気持ちを抱きながら身銭を切って遠くから足を運ぶ人は、いったいどれだけいるでしょうか。

そして、高速バスで何時間もかけて仙台に通い、自分が学んだことやそうした「学びの場」の大切さを痛感して、自分の住む街でも同じような学びの場を設けたいと実際立ち上げ奔走する人はどれだけいるでしょうか。

市民コミュニティソーシャルワーカー(CCSW)研修会in福島は、2018(平成30)年(その前身を含め)に立ち上げ、現在に至っています。地域福祉の推進に関わる様々なテーマを学ぶ場を設けています。

今回(9月17日)は、1年にわたる研修期間の折り返しにあたることから、事例報告を教材にして、これまでの学びを確認し、後期の学びへの新たな意欲形成と学び方の深掘りを目的に行われました。事例報告は、宮城県栗原市若柳地区で行われている「日常のありふれた光景」の中にある、地域で暮らし続けることを支える為の術やお茶会で出された「ささやき」を形にした事例(80歳栗駒山に登頂)です。その事例報告を下にして、受講生の学びを引き出してくれたのが、宮城県の逸材真壁氏です。

2022(令和)4年度は、1年間に18日かけて座学20講座、実践10講座(述べ36回開講)を開講し、地域福祉の推進や まちづくりに関する主要なテーマを学びます。私も、ほんのわずかですが、関わらせて頂いています。

ここで知ってもらいたいのは、詳しい研修内容のご紹介ではなく、人様のために「身銭を切って学びに集まる」人々の存在、「利他」を実践している人の存在です。利他が利他として認識されるのにはタイムラグ(時間差)があります。今現在の行為が、時を経てから「あれがあったから今がある」「そうだったのか~」「この歳になって親の気持ちが良くわかる」等々と認識されます。この為、彼らの存在が認識されるのは、ずう~と先でしょう。もしかしたら、彼らの存在を知られないまま、彼らが築いた活動等は以前からあったように扱われることでしょう。でも、彼らはきっと「それが本望」と言うでしょう。

私が今目の前にしているのは、声を荒げて地域福祉の推進を叫びでもなく、粛々と「汝の足下を掘れ、そこに泉湧く」(フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ)を実践している人達です。この様な方々は、地域社会が豊かで未来あるもになる、貴重な存在だと思うのです。

そう思うからでしょうか、無意識でつい自分で自分の首を絞めるようなことを言ってしまいました。「今回の講座は、とても重要で皆さんにもしっかり心にとめてもらいたいと考えます。そこで、今回の講座のミニッツペーパーはこれまでの例に依らず、A4版1枚(1,200字程度)で「地域を耕すことの意味」をテーマに小論文を執筆して下さい」ここまでで良かったのですが、「提出して頂いた小論文には、全て返事を書いてお返しします」と言ってしまいました。

家に戻ってから思い出し、「これは大変だ~・・・!」と。早速、書斎のホワイトボードを見渡し、時間探しを始めました。

https://www.facebook.com/yoriaicsworks/

GWの様子と議論結果の発表

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

小さなちいさな勉強会(CCSW研修会in福島「中間報告会」)” に対して1件のコメントがあります。

  1. Da Cruz より:

    本間先生。
    この福島に先生方をお迎えして、こんなに貴重な講義をしていただけることの贅沢をどう表現したらよいのやら…。本当に小さな研修会ですが、じっくりじっくりと醸成されて今があることを思います。仙台から酵母の種を大切に持ち帰り、福島・郡山の風土で時間をかけて育ててきて、だんだんと深みを増してきました。

    この中間報告会は大事な「返し」の時間のように感じます。この折り返し地点で、今まで学んだことと現場での経験が統合され、そしてこれからの学びがさらに生きた学びとなる。ここを通ることで何か、ものの見方考え方にある種のブレイクスルーが起きる感覚があります…それはうまく言葉では言い表せない、深い感覚のものです。

    考えてみると、こんな市井の小さな研修会で本当にすごいことをしていると思います…これは本当に、先生方がいてくださるおかげです!

    じっくりじっくり、この先もその先も、希望を持ちながら地域の人々が変化してゆく姿を見てゆきたいです。種まきのような、発酵のようなこの地道な営みを、ぜひこれからもよろしくお願いします。

    そして全員へのミニッツペーパーの添削も…きっと大事な宝物になるはずです!何より先生の熱い思いに、本当に心から感謝いたします!

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