エシカル(倫理的)消費
私たちの生活を豊かにしているあらゆる物には、材料や生産者など、さまざまな物や人が関わっています。エシカルは、その物が作られるために必要な環境や作っている人の労働環境などに気を配ることで、環境保全や社会へ配慮する、という意味で捉えられています。
現在、エシカル消費やエシカル商品が必要とされているのは、世界中でさまざまな問題が存在しているからです。たとえば日本国内でごみとして出される洋服のうち、5%は再資源化されていますが、残りの95%はそのまま焼却処分や埋立処分されています。焼却、埋立処分されている洋服の量は、年間で約48万トンにのぼり、これを1日に換算すると、1,300トン(大型トラック130台分)になります。つまり毎日大型トラック130台分の洋服が、再利用されることなく、そのまま処分されているのが現状です。
ファストファッションの流行により、手頃な価格で洋服を手に入れやすくなってきましたが、その反面、処分する洋服も多くなっています。焼却や埋立処分をすると環境に負荷がかかるため、この状況を改善する必要があります。こうした現状は、ファストフードでも指摘されています。こうした背景があることを知ったうえで、わたしたち消費者一人ひとりがエシカルな視点で行動していくと、企業も積極的にエシカルなものづくりに励むことになるでしょう。そうすると、徐々に環境改善や労働環境の改善につながっていくことが期待できます。
私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること、これが、エシカル消費の第一歩です。「便利さ」に隠された、大量生産・大量消費・大量廃棄の暮らしを見直し、人・社会に配慮された商品を見つけて、選んで購入することで、より多くの人が持続可能な生活を送れるようになります。このことは、日常的に、持続可能な開発目標(SDGs)の12番「つくり責任つかう責任」に参加することにもなります。
開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」で取り扱われる「フェアトレード認証商品」、わりと身近に見る機会があるのは、自販機で購入するとその一部が日赤に寄付されるという「売上金の一部が寄付につながる商品」、障がい者授産施設でつくった商品。パン、珈琲、とうふといった「障がい者支援につながる商品を選択する」等々、様々な機会が私たちの消費行動の身近な場所にあります。
「エシカル(ethical)」は、「倫理的な」という意味の英単語です。最近になって「エシカル消費」「エシカル商品」のような形で使われることが増えています。「エシカル消費」「エシカル商品」は、地球環境や、人、社会に対して配慮されたものを購入・消費したり、またそのような商品のことを指しています。
そもそも、私たちは元々、ものを大切にそして互いに分け合いながら暮らしを維持してきました。このことは、貧しかったからと言うことだけではなく、国民性にあると思います。ところが、所得水準の向上による「総中流化」や自己中的「行き過ぎた個人主義」等で、豊かさを勘違いしてしまい、実は社会的コストを増大させる、大量生産・大量消費・大量廃棄の暮らしを身に付けてしまいました。私たちは、こうした暮らし方、消費行動により、日本の気候や資源を生かした、丁寧な「ものづくり」から遠ざかり、環境負荷を増大させ、小規模地場産業を廃業に追い込み、何かことが起きると一気にライフラインが途切れてしまう、不安定な生活に気づかないまま生活しています。
出来るだけ早く、この現実に気づく必要があります。富谷市成田地区で行われている「Naritaマルシェ」の取組は、私たちの意識変容にとって、とても参考になります。ここでは、中学校の制服や体操着を「おさがり」する場を設けたり、今はコロナ禍にあって出来ませんが、季節の食材を地元も子ども達に提供して、子どもと親が一緒に楽しめる場を設けたり、地元のお店の商品を皆さんに提供して地産地消を促したりしています。自宅にある絵本や発酵食品に関する本等々、暮らしの豊かさを提案する書籍を置いて、「豊かさ」とは何かを感じてもらったりしています。また、最近は、この活動に共感した方でOOC活動にも参加されている方が、借りている畑で栽培した「紫蘇(しそ)」を大量に提供し、それを使って懐かしい「シソジュース」を振る舞ったりしています。このような、身近なところにある活動に参加したり見たりすることで、その活動の持つ意義を実感できるように思います。それを知った方は、きっと自宅に帰ったら、早速「まねぶ」振る舞いをしているのではないかと思っています。それが、徐々にではありますが、私たちの「お互い様」や小さな「おせっかい」の一歩を踏み出すエネルギーを持つことにつながるのではないかと思います。
2022(令和4)年8月1日付け河北新報社説「エシカル消費の意義」に詳しく書かれています。ご一読下さい。
河北新報の社説に書いてあった2,500人に対して行われた「エシカル消費意識調査2022」のアンケートの結果、意味までも知っている人は少ないようでしたが、名称の認知度は41.1%とのこと。びっくり!私は、今日ここで初めてこの名称を知りました。
物にはすべて意味がある・・と勝手に理由をつけ,なかなか捨てることができずにたくさんの物であふれた私の生活。
これまでは欲しいと思えばすぐに買って、ただしまって溜めておくだけというのも多かったのですが、これじゃなんか違うぞ!と最近特に思うようになりました。そこで考えを改め、あるものはどんどん使おうと思っています。そして今後は、手に入れる物は一晩も二晩もよくよく考えて購入していきたいし、なにより、今ある物をなんとか有効に活用できないかと思案中です。
幼なじみは大好きな歌手のツアーTシャツにハサミを入れ、オリジナルエコバックを作り、日々の生活の中でとことん使うつもりらしいです。私も見習わないと。大切な物こそしっかり使い込んだ方が、それらの物たちも嬉しいんじゃないか、本望なんじゃないのかと思うのです。
私がいつも毎日使っている腕時計はもう20数年以上前に手に入れたものですが、ベルトこそボロボロになっては何度も交換しましたが、毎日しっかりと時を刻んでくれています。こんなふうに大切なものを一つ、じっくりいつまでも使っていくのもいいですね。
鈴虫さん、お姉さんがいらっしゃるのですね。お洋服のおさがり、いいな~。私も姉がいたらとずっと思っていました。
Naritaマルシェさんのやってらっしゃる取り組み「おさがり会」、制服や運動着をあげたい人ももらいたい人も両方が助かる、双方向性の素晴らしい活動ですよね。いつも素敵な話題をありがとうございます。
ハチドリさん、私も捨てられない人なんです。
物が捨てられない理由は、その物自体もさる事ながら、それにまつわる物語が消し難いからかもしれませんよね。
自分にしかわからない愛着やこだわりが強いものほど、いつまでも手元に置きたいと思ってしまいます。
お友達がツアーTシャツをエコバックにリメイクしたように、私も骨が折れてしまったお気に入りの傘から小さなポーチを産み出して愛用しています。
形のある物はいつか壊れてしまうけれど、大切に思う気持ちは止められません。
そんな自分だけのこだわりだって、私らしさの一片かなぁと思っているんですょ✨
でも、子供達に後始末の迷惑をかけないように、これからは本当に手元に置きたい物をしっかり選んでいきたいと思います。
ハチドリさん、一緒にガンバリましょう😊
わあ、『子供達に後始末の迷惑をかけないように、これからは本当に手元に置きたい物をしっかり選んでいきたいと思います』、鈴虫さん、そうなんです。そこなんです😃
私しか興味のないものは、それこそ初めて買った思い出のピンクのキャリーケース(ガラガラがとにかくうるさくて使えません😅)に入れておいて、たまにひとりでほくそ笑む。もし不要になったらそのまま処分してもらおうかなと言うのも考えています。
鈴虫さん、気分すっきりを目指して頑張りましょうね💞
ハチドリさん
いつも丁寧にコメントいただいて嬉しいです。
ここで誰かとちょっと繋がれるのが、とてもありがたい今日この頃です😊
ピンクのガラガラ、宝物入れにピッタリですネ!
エシカル消費という言葉は初めてしりましたが、地球環境に優しく人や社会に配慮されたものを取り入れて暮らすことは、なるほどと納得がいくし、既に多くの人ができるところから取り組んでいたりします。
安価で便利な物を使い捨てにする暮らしは、なんだか「わっぱが仕事」のようで、何も心に残るものがありません。
私の姉は数年ごとに断捨離をして、不要になった衣類などをお下がりしてくれます。
子供の頃はいつもお下がりばかりでは嫌だなぁと思っていましたが、大人になってからはその荷物が届くのをとても楽しみにしているのです。
姉が着倒したものを私が更に何年も着ていると、時々姉から「それ素敵ね」と褒められたりして「そうでしょう、あなたにもらったやつだもの」なんていうこともあったりして(笑)
いちどに何もかもとはいかなくても、エシカルな選択を意識して暮らすうちには自然と身についてくるのだと思います。
暮らしの中の一つひとつを丁寧に楽しめたら、いつの間にかとても豊かな日常に繋がっていることでしょう。
そのような素敵な毎日がいいですね!
エシカル消費についてのわかりやすい説明、そして例として私たちNaritaマルシェを挙げていただきありがとうございます。
スタッフみんなで打ち合わせをしていると、少しでも環境に良いものを、体に良いものを、地域の活性化に繋がるものを、できるだけ地元のものを、季節のものを・・・そういう話になります。それは同時に、子どもたちに伝えたいもの、未来に残したいもの、ということでもあります。難しい理論はわからなくても、「未来を想像してみる」「子どもたちにどんな環境や社会で生きて欲しいかを想像してみる」というだけでいいと思います。
本間先生のホームページとNaritaマルシェのウェブサイトはシンクロすることが多いのですが、
またしても・・・という感じで、今日の記事「暮らしの彩り」では赤紫蘇をくださった方の「梅仕事」を、8月2日の「味噌クラブ通信」では味噌づくりのことを紹介していました。Naritaマルシェ用に仕込んだ味噌の仕上がりがとっても良い感じ。良かったら写真でお確かめください。
https://naritamarchaiswebsite.tumblr.com/