山が笑う

春の山は動植物の生気に満ちています。暖かな日の光を浴びて草木は芽吹、鳥獣は恋に余念がない。「山笑う」は、俳句などでは春の季語として使われる言葉で、春になり新芽が出てお花が咲き始め、山が色とりどりに変わって来た時の様子を現しています。寒い冬の間の山は「冬の山は眠るが如し」と言われるように、とても静かに佇んでいます。季節が進み雪が溶けると、山は葉を落とした木々で茶色っぽく寂しげな山が顔を出し始めます。更に季節が進み気温も高くなってくる4月に入りといよいよ「春」。山が春になり色づく様子は、人が笑う時の、喜びや楽しさが形になって溢れてくるような感じに似ています。

いつもこの時期には、県立図書館で珈琲を飲みながら雑木林を眺めます。ここにいると、山の中で木立に囲まれてくつろいでいる感じが持てます。キャンプに行って、朝に珈琲を飲んでいる、そんな一時が自宅から15分の場所で楽しめます。この様な場所で、様々な可能性に想像の翼を広げられるのは、心が躍り元気が湧き出てきます。「心が動くと体も動く」と、だいぶ前に、調査研究でお邪魔していた町の保健師さんに教えられたことがあります。本当にそうだなって思います。心がワクワク楽しんでいると体も元気になります。

この様な気持ちになる場所が、歩いて行ける地域にあると良いだろうなって思います。身近に「通いの場」があると高齢者介護リスクが低減され、特に75歳以上では50%に悪化抑制の効果が見られたと言います(浜松医科大)。また、別の研究では、神戸市の事業を下に研究を進め、通いの場づくりで成果を上げていると言います。「通いの場が切っ掛けとなって交流や助け合いの機会が地域全体で増え、健康増進につながったのだろう」と、考察しています(河北新報2022/04/29)。そして子ども達の安全基地にもなる。このことは、子ども達のふるさとづくりにもなり、地域に対する愛着を育みます。

地域社会に、他者との関わりの場がある。これが、行政の行う「事業」としてではなく、地域の人々の「あたりまえ」や「小さなおせっかい」として存在する、そんな社会があったら、私たちの社会の持続可能性は飛躍的に高まる様な気がします。

元東北大学大学院教授(現尚絅大学大学院)長谷川教授は、「地域活動はSDGsに資する活動である」と話しています。「あらりまえ」や「おせっかい」はSDGs活動!なんとも楽しくなるご示唆ではないでしょうか。楽しみながら人様と共にある社会が持続可能性のある社会づくりにつながる。

これを読んで「想像の翼」をめいいっぱい広げそうな人の顔が浮かんできます(笑)。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

山が笑う” に対して7件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    ハチドリさん
    パステルカラーのもえぎ色の山を見て「春の紅葉」と語るなんてロマンティックな方がいるのですね、素敵な会話です!
    そう言われて眺めれば、確かに春の紅葉とは良く言ったものだなぁと思いながら、昼間車を走らせました。あの赤みがかったところはアントシアニンかと、かじったばかりの豆知識で春の山の景色を楽しむことが出来ました♪
    暮らしの中に雑学って、何気ないことにも意味が有ることに気づかされるから大好きです。
    今日も豆知識ありがとうございました😊

    1. ハチドリ より:

      ありがとうございます、鈴虫さん。
      ある方・・だなんて思わせ振りな書き方をしましたが、「春の紅葉」と言ったロマンチックな人は私の父親(T7年生まれ)です。もう20年以上前に亡くなったのですが、自然をこよなく愛する人でした。そう、ロマンチックだったかもしれません。母親(S3年生まれ)と結婚する頃の話を聴いた時はドキドキしました( *´艸`)

      1. 鈴虫 より:

        瑞々しい感性の持ち主はハチドリさんのお父さんでしたか。きっと、ステキな会話でお母さんを魅了し、ご家族を楽しませたのでしょうね。
        だから、ハチドリさんにもその素質が受け継がれているのですね!

  2. 鈴虫 より:

    清々しい自然の中でコーヒーを楽しむ時間はいいです、とっておきの癒しですね。

    「心が動くと体も動く」先生のお話によく出てくるこのフレーズ、私も大好きです。普段からこの言葉を胸に、先ずは心が喜ぶことを真ん中に据えていれば、体は自然に動き出すことを日々実感しています。

    さて、この連休に遠方から遊びに来た孫に田舎ならではのお楽しみを体験させたくて、畑で何度も尻もちをつきながら大はしゃぎで人参を抜きました。晩ごはんにそれをかき揚げにしていただくとみんなから「おいしい、美味しい」の嵐。「わたしがつくったニンジンだよ、いっぱいたべてね!」と、得意顔です。

    その後も洗濯物を干したり畳んだり、キティちゃんのジョウロでお花に水をかけたりと大活躍です。私が庭の花で小さな花束を作り「お手伝い上手に出来たね、ありがとー」と手渡すと満面の笑みで喜んでいました。

    こんな風に皆んなにありがとうを言われた、喜んでもらえた経験を積み重ねることで、子どもでも自分自身の行いの方向性を考えて動けるようになるでしょう。「それはダメよ」と言われるより「ありがとう、うれしいよー」と言われる方が何倍も頑張れますものね。

    孫は帰り際、クレヨンで可愛い絵を描いて私にプレゼントしてくれました。「ありがとう、とってもすてき!」私が直ぐにそれを買い置きの額に入れて玄関に飾ると、孫はさらにイイ顔で満足気に帰って行きました。私も大満足。

    2年半ぶりの家族全員集合で、一家団欒を満喫することが出来ました♪

    1. ハチドリ より:

      鈴虫さん、こんにちは!
      畑で「どっこいしょ」と抜いたニンジンのかき揚げ、美味しかったことでしょう。私も畑で育てた指くらいの太さのニンジンを片栗粉だけまぶして素揚げにし、塩だけでいただきましたがそれも美味しかったですよ、
      さて、鈴虫さんはお孫さんがいらっしゃるのですね?いつかのソバージュ談義?の時に「20年前は私は20代」と書かれていたような記憶。間違っていたらごめんなさい😅💦
      若いおばあちゃまだ~💞

      お孫ちゃんが書いてくれたクレヨンの絵、宝物ですね✨

      1. 鈴虫 より:

        ハチドリさん
        20年前も10年前も私の心はハタチ、永遠のハタチでございます(笑)サバ読み過ぎかな?ゴメンナサイ。
        可愛い孫がおりまして、精神年齢いっしょくらいになって遊びました♪
        連休明けで家の中はがらんとして祭の後みたいです。
        孫たちのお陰でリフレッシュ出来たので、またお仕事頑張らねば!
        コメントありがとうございました✨

  3. ハチドリ より:

    この時期の「山笑う」、本当にそんな気持ちになります。ある方は、パステルカラーのもえぎ色の山を見て「春の紅葉」と語っていました。
    それで、ちょっとだけ調べてみました。「新芽が赤い植物があるのはなぜ?」
    答え:カエデ(モミジ)の新芽が赤いのも、アントシアニンで余分な光を遮り、傷つきやすい新芽を強い日差しから守るためなのだそうです。へー、φ(・ω・`)メモメモ

    それで、本題の『「あたりまえ」や「おせっかい」はSDGs活動』です。
    『 これを読んで「想像の翼」をめいいっぱい広げそうな人の顔が浮かんできます(笑)』その1人はきっとあの彼女かな?あの方もだな!そしてあの人も!あ~、私も想像の翼を広げるお仲間に入りたいです( *´艸`)

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