うららかな空の下に広がる水芭蕉群生地(七が宿町蟹川地区)

朝、カーテンを開いたら、庭のチューリップやビオラそして芝桜が目に入り、空は雲一つ無い青空。これはドライブ日和かもと書斎の予定表を見ると、17時からWebで無料の公開講座があるのみ。だいぶ前になりますが、泉が岳山麓へ水芭蕉を見に行ったことを思い出し、今年は行っていないので、何処か今の時期でも見られるところがないか探してみました。ありました、七が宿町です。まだ行ったことはありませんが、何かよさげに書かれています。ここなら、ついでに蕎麦街道の昼食も頂けそうです。

急ぐ旅ではないので、高速は使わずに下の道をゆっくり走ることにしました。道々にみえる桜は散り始め、道路の側溝を薄いピンクに染めています。山々の木々は、萌黄色までにはもう少し時間がかかりそうですが、白っぽく見える箇所が多くありました。ナビに任せて走っていたら、近道なのか分かりませんが、だいぶクネクネとした山の中を案内されました。木洩れ日の中を走るような感じです。これまた私好みので、後続の車に迷惑にならない程度に速度を落として走らせました。車からは小田和正が静かに語りかけてきます。

結構な時間をかけて七が宿町蟹川地区にある水芭蕉群生地に着きました。駐車場の片隅には、除雪で積み上げられた雪がまだ残っていました。車から降りると、寒いほどではありませんが、少しひんやりした感じです。平日ですが、結構、人が出ていました。年配者は、立派な一眼レフカメラで被写体となる水芭蕉にレンズを向けています。やはり男性は、私と同じく「道具」から入るのでしょうか、結構な割合で一眼レフカメラでした。私は、今時の人らしくスマホです。

雪解け水が湿地帯に流れ込み、広い範囲に水芭蕉が群生していました。泉が岳山麓よりも遙かに広い範囲に群生しています。それでも、水芭蕉が咲いている箇所は、湿地帯の広さからすれば、わずかな範囲でした。多くは、萱が倒れたような感じの、少々赤茶けた感じの湿地帯が広がっていました。遊歩道が整備されていました。でも、木道ではなくプラ道で、ちょっと残念です。木道では管理や維持が大変なのでしょうから致し方ない。

水芭蕉から目を上に移すと「うららかな空」、まさに春空です。うららかな空とは、「柔らかな日差しが届き、空がのどかに晴れている様子」と書かれています。夏の真っ青な空とは異なり、柔らかな青空です。赤茶けた湿地に咲く白い仏炎苞(棒状の花を包み込む苞を仏像の背景にある炎形の飾りに見立てたもの)が特徴の水芭蕉、山はまだまだ新緑の手前で淡い灰色、そしてその上に広がる「うららかな空」。いずれもが、柔らかい色合いで、春の柔らかい暖かさと呼応しているように感じます。とても時間がゆっくり進む感じの場所でした。

帰りは、七が宿町に来たら「蕎麦街道」だろうと、蕎麦を食べることにしました。事前にリサーチはしてこなかったので、人が多く並んでいるところに入りました。帰ってから調べたら、結構有名なお店でした。「全蕎麦セット」なるものを頼みました。もそもそとした感じで歯ごたえのある美味しいお蕎麦でした。量は少ないように思ったのですが、食べ終わるとそこそこの満腹感で、丁度良い感じの量なのかも知れません。

今回は、何とも春を体いっぱいで感じ、風を切るスピード感とはほど遠い、穏やかな日差しに包み込まれたドライブでした。時計さえも普段よりゆっくり進んでいるように思える一日でした。

こうした空気感を持った場所に立てている自分がとても幸せだと感じました。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

うららかな空の下に広がる水芭蕉群生地(七が宿町蟹川地区)” に対して4件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    夏がくれば思い出す、、、
    みずばしょうの花が咲いている
    夢みて咲いているみずのほとり〜♪
    しゃくなげ色に黄昏れる
    はるかな尾瀬 とおい空♪

    こちらのステキな景色を見せて頂いてからずっと、頭の中でこの歌がリフレインしています😆
    おかげさまで、今日も一日気分爽快で家仕事がんばれそうです!

  2. いくこ より:

    水の良いところにのみ咲くという水芭蕉、ほっとしますね。
    予定を決めず出かけてご自分のアンテナでお店を決める、豊かな時間をお過ごしですね先生。
    それにしても、美味しそうですお蕎麦。
    頭の中で蕎麦が渦巻いております。私も明日!!

  3. スマイル より:

    『うららかな空とは「柔らかな日差しが届き、空がのどかに晴れている様子」』という文面を読んで、いつかどこかで出会ったはずのたまらなく懐かしい風景を思い出すような気持になりました。そしてお写真を見て、「ああ、それはこんな風景だったかも」と涙がこぼれそうになりました。
    日本人に生まれて、四季を味わうことができて、これまでの人生のいろいろな記憶がそれぞれの季節には織り込まれていて、ふとした瞬間に時空を超えて蘇り心を潤してくれる・・・
    心がそれぞれに素晴らしい色合いで織りなされるような、そんな人生を送れたら素敵ですね。今回の記事を読み、心からそう思いました。
    私も今この瞬間の季節や風景や風や空気や音を感じるゆとりをもって暮らしたいです。素晴らしい記事をありがとうございました。

  4. L.K より:

    おはようございます。
    昔、この時期に両親と山菜採りに行くと、水芭蕉の群生に出会うことがありました。確か栗駒、花山方面だったかと思います。そんなことを思い出しました。

    七ヶ宿の蕎麦、とても美味しそうです。
    あー、美味しそう!美味しそう!(笑)

    先生、とても素敵なお時間を過ごされているようでいいですね。

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