12年ぶりの桜並木を歩く(福島県富岡町夜の森地区)
朝、新聞を広げて、真っ先に「12年ぶり桜並木ゆったり」の見出しが目に飛び込んで来ました。話にも聴いていた、そして映画「Fukushima50」のラストシーンに描き出された桜並木が思い出されました。限りなく事実を忠実に再現したというこの映画。私も、あの桜並木に立って、何を感じるのか知りたいと思いました。
急なことでしたが孫や娘にも福島のことを知ってもらいたいと思い、お隣も誘って四人で出かけました。天気も良く暖かな日でした。初めて通る常磐道は、不慣れも重なりチョット緊張しながら速度を落とし気味で富岡ICに向かいました。富岡ICで降りて駐車場となる富岡町総合グランドを目指しました。適当に走らせた割には、比較的順調に駐車場まで着くことができました。
駐車場の直ぐ、傍から「夜の森桜トンネル」は始まっていました。11時過ぎに着いたのですが、丁度「元気全開!YOSAKOIショー」が始まったばかりで、軽快な音楽が大音量で流れていました。道を挟んだ両側の桜は満開でした。まさに桜トンネルで、一直線に続く道路に覆い被さるような桜は満開でした。桜並木は映画と同じでしたが、映画の時の映像から受ける印象とは違って、軽快な音楽が鳴り響きとてもにぎやかで「春爛漫」といった感じでした。
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桜並木では、数団体がオリジナルの音楽に合わせYOSAKOIを舞っていました。また、太鼓の団体は、体に響く音を打ち出し、言葉がないだけに想像たくましく聞き入ってしまう感じでした。メイン会場となる旧富岡第二中学校では、ステージが設けられご当地アイドルや聞き覚えのある芸人の出場が予定されていました。また、地場産品の出店は長蛇の列で賑わっていました。正に花見会場そのものの様相でした。
でも、私の心の中は、周りの喧噪とは異なり、「映画の時の映像」と同じようにとても静かで無音の中に佇んでいる感じがしました。映画の中にあった「ふるさとを守るのは俺たちの手にかかっている」という緊迫した中での言葉や、地元のYOSAKOI団体のオリジナル曲が、故郷の復興を願う歌詞で綴られており、どうしようもない現実の中にあっても、故郷の復興再生を願う心の叫びのように聞こえたのです。若い人達が、大きな旗を振り、心の叫びを体全体で現している、そんな様子が心に響き、こみ上げてくるものがありました。
でも、孫の手を率いて歩きながら「ここから始まりだ、頑張れ!」そのような気持ちになりました。同時に、メイン道路を少し横に入ると、雑草に覆われた無人の人家が点在しており、帰宅困難区域内にあることを否が応でも知らされます。私たちは、この現実を知りつつ、復興への歩みを進め無ければならない。きっと、今、この時にできることを精一杯行う。それが、いつしか、困難を超える為の糧となり知恵となって、この桜のように私たちに笑顔をもたらしてくれる時が来ることにつながってくれる。そんなことを思いながら桜並木を後にしました。
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素敵な桜のトンネルです。
一時、この地に日常が戻ったような錯覚を覚えました。
Fukushima50の動画を休憩中に見てしまい、シマッタ!
何故この人は涙目で戻って来たのだろうと、周りからの視線を浴びそうです。