地震と民生委員・児童委員活動

3月16日の深夜23時36分頃、携帯から緊急地震速報を受信したときの警報音と非常に強い揺れで飛び起きました。この警報音は、東日本大震災と直結し恐怖心を呼び覚まし身体が硬直します。二度の強い地震で、二度目が宮城県沖を震源とするM7.3、震度6強を記録しています。起きて直ぐに着替え、ヘッドランプを身に付け防寒着をまといました。居間は、飾り棚から落ちた写真が散乱していました。テレビを付けると、地震速報関連の情報が映し出されており、津波の恐れがあることを伝えていました。咄嗟に東日本大震災を思い出していました。

この様なとき、一人暮らしや老々二人暮らしの人達はさぞかし心細いだろうと思い、その方々の様子を確認すべく、地図やメモ帳を用意し、高齢者宅を廻りに家を出ました。地震から10分も経っていなかったと思います。各戸の玄関先に立ち、外から見ただけですが家屋に被害が出ていないか、居間などに電気が付いているか、家の中で不安そうな声を出していないか耳をそばだてました。途中、家を出て車に入っている方もおり、顔を合わせた方には声を掛けながら、担当地区を廻って歩きました。

幸い、混乱した様子や家屋に被害が出ているお家はないようでした。家に戻ってからは、何かあれば駆け込めるように、寝室を除いて家中のカーテンを開き、全ての部屋の電気を付けました。外から、私の様子が見えるようにしてソファーに座り、テレビで地震関連情報を見ながら朝を迎えました。

9時頃からは、再度地区内を、今度は直接顔を合わせる訪問を行い、何か「気がかりなこと」は無いかなどをうかがいながら、家の様子や本人の表情などを観察しました。みなさんの言葉の端々から、それぞれが持っているサポート体制や防災意識など注意深く感じ取り、後々の支援に役立てるように心がけました。家に戻ってからも、その日一日は何処にも出ないで、何か不足のことがあれば直ぐに対応できるよう、携帯を身に付け家に居続けました。

位牌が飛び出した仏壇。
右に置いたお地蔵さんは落下

長命ヶ丘団地の高齢化率は、41.09%と泉区内1番の大変高い高齢化率です。更に、データは持っていませんが、高齢者一人暮らしや老々二人暮らしが大変多くなっていることは容易に想像できます。災害時は、こうした方々に大きな不安をもたらします。特に、今回のように夜間だと尚更恐怖心の加わり、一層心細さに襲われます。一人ひとりに直接何かできるかというと何もないのですが、「何かあればあそこに駆け込める」、そんな意識を持って頂ける場所になりたいと思っています。私流の言葉で言えば「見える黒子」を目指しています。

今回のようなことが起きた時は、どの様に振る舞えば良いのか、まだまだわかりませんが、東日本大震災時の南三陸町被災者支援で経験したことやその時に感じたことを振る返りながら、自分なりに考えて行動に移し、その結果を次の場面に生かしていきたいと思っています。

正解はわかりませんが、自分なりに考えて一歩を踏み出す。こんな繰り返しの中から少しずつでも安全・安心につながる振る舞いができるように努力したいと思っています。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

地震と民生委員・児童委員活動” に対して3件のコメントがあります。

  1. いくこ より:

    先生も家で避難所を開設なさっていたのですね、そのことに共感しお住いの町も少しずつ動き出すこともあるのではないでしょうか。
    私が住まいする成田では、町内会に防災部があって地震の際には役員が町内会館に集合することが決めてありました。私も今年は役員ですので12時30分近くなって会館に行くと、明かりがつけられ町内会長を中心に安全確認をしているところでした。防災部には民生児童委員の方を中心にした防災ボランティア組織と連携する決まりもあって、民生児童委員の方が順次一人暮らしの方の安否を確認して報告していました。
    11年前には無かった組織が少しずつ形作られてきました、先生も関わってくださっている中学校の防災活動が、町内会と連携して大きな行事として行われたことが、住民の意識づけには大きな役割を果たしたのではないかと私は思っています。
    停電の時にまずは町内会館に明かりをつけたいという会長の願いで、昨年は発電機を備え防災用の倉庫には色々な機材とともに大量のブルーシートも備えられています。これは千葉で台風の折に、壊れた屋根を覆うブルーシートが不足したニュースを見て備えることにした物です。
    小さくても何か立ち上げると、そこに工夫が積み上げられ、そしてそれを行おうとすることが住民を繋いでいくということになったと感じます。
    先生の個人避難所もきっと町を変えていくのではないでしょうか。

    1. ハチドリ より:

      いくこさん、その町内会館とはいつもカフェをするところですか?
      皆さんが知ってる場所がいざと言うときに避難場所になる、そして明かりや電源はとても必要になるので停電に備えて自家発電を備えていると言うのもとってもいいなと思いました。自家発電は夜ばかりでなく必要になります。町内会と防災ボランティア組織との素晴らしい連携、そういう形が広がっていくといいですね。

  2. 鈴虫 より:

    あの大きな地震の直後に、民生委員・児童委員として心配りのある見廻りを行ったことを伺って、なんて素晴らしい振る舞いと感心させられました。
    家に戻ってからもカーテンを開けて灯りをつけたままに居たことは「何かあればあそこに駆け込める」と思わせる対応でしたね。正しく、みなさんから安全基地と認識して頂けると思います。
    この役割を頼まれた仕事と思っていたら、ここまで思いやりのある行動は思いつかないはずです。
    地域の心細く暮らす人達に、本気で寄り添おうとする姿勢を感じました。
    この地域ではきっと、新しい民生委員さんから良い影響をうけて「私も!」と行動を起こす人が出てくるのではないかと期待が高まります。

    そして『見える黒子』とってもいいです!

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