DIYでベランダに柿渋
我が家には、庭に面したわずかばかりのベランダがあります。私としては、縁側の代わりに設けました。雨が降るたび、ベランダには雨が吹き込んでしまいます。その理由は、日光を宅内に取り込みたくて軒先を余り長くしてないからです。また、この家は、接着剤や化学塗料はいっさい使わず、杉の無垢板と漆喰を基本に建てています。そのようなことかた、ベランダにも防水塗料を塗布するようなことはしていませんでした。
最近、排気ガスが溶け込んだ雨が染みこみ、拭くと雑巾が黒くなるベランダの杉板を見て、防水を施したいと考えていました。この様なことを考えていた10月23日に丸森町の阿武隈川舟下りに行ったときに、たまたま船着き場の売店で「柿渋」を見つけました。柿渋は天然素材で防水効果もあることを知っていたので、これなら色合いも良いし、使えるのではないかと500ccのペットボトルに入った柿渋を2本買ってきて、天気が数日続く乾燥した日に塗ってみました。
これがなかなか良い!一度塗りして使い切ってしまったので、10本追加で取り寄せ、二回塗りを先ほど終えました。臭いもぬけなかなか良い感じに仕上がっています。今度は、軒先を支えている柱に塗ろうと思っています。今は、白木の柱なので概観が一変するかも知れないのですが、防水・防腐を施し長く持たせたいのでやってみようと思っています。
そんなことをしながら、ふと考えたのは、なんで丸森町で柿渋が大量に売られているのだろうって思ったのです。色々と調べて見たら、丸森町は干し柿が特産品でした。特に丸森町耕野地区は、干し柿の里と呼ばれるほど干し柿(ころ柿・あんぽ柿)づくりが盛んのようです。11月中旬頃が渋柿の収穫期で、鮮やかなオレンジ色の柿の実が軒下につるされている様は、この地区の風物詩となっているようです。柿がいっぱい取れる地区なので、自ずと柿を原材料とする「柿渋」づくりも盛んになったのだということでした。
柿渋とは、未熟な青い柿の絞り汁を発酵・熟成されてつくる液体で、撥水性・耐久性・防虫・防腐などに優れていることから番傘、漁網、木&竹&和紙籠の補強、建材などなど日本では昔から塗料、染料、民間薬などとして親しまれてきたそうです。木造住宅の外壁塗料や、衣類の染料に使われるのはよく知られているところです。柿渋の歴史は古く、平安時代から作られており、今でも、竹籠と和紙からなる工芸品「一閑張り」などに使われています。
丸森での柿渋づくりは江戸時代に始まったといわれ、農村の暮らしの中で使われていたようですが、化学合成された塗料の流通で柿渋の需要が少なくなり作られなくなりました。しかし現在は、柿生産者の高齢化で放置された柿の木の活用法として、柿渋作りが見直されています。木の呼吸を妨げない柿渋塗料は、建物の耐久性や防水性を高め、長く変わらぬ美しさを後世に残すことができる塗料として寺院などの文化財に多く用いられているようです。その昔は漆が高級だったため庶民は柿渋を使ったたらしいともありました。
丸森町の名産物と言うと、タケノコ、自然薯、干し柿、へそ大根、エゴマ、ヤーコンなどがあげられますが、ひと昔前は養蚕が盛んで、県内一の養蚕の町だったそう。丸森町で猫を多く見かけるのは、養蚕の天敵、ネズミに対処するために多く飼われていたことに由来するようです。丸森町では猫をモチーフにしたお土産が結構あります。私は、タケノコしか知らなかったので、柿渋を機会に、干し柿も特産品だと知る事ができました。
こんな些細なことでもSDGzに関わることなのかも知れないと、改めてSDGzの目標を見直していました。今回のことは、以下の開発目標に寄与できそうです。日常生活の中に、出来ることからSDGZ意識し取り組んで行きたいと思います
阿部さん、ハチドリさん、有り難うございます。
柿渋と渋柿、正に似て非なるものですね(笑)。私たちは、ものを「見たいように見る!」と言われています。きっと、ベランダにつるした干し柿のイメージが頭にあり、その延長で読み違えたのでしょう。極めて正常な間違い?」の様な気がします。
柿渋。漆と並ぶ日本の伝統的な塗料ですが、その柿渋が、阿部さんに建てて頂いた今日の木造家屋に生かされる。先人の知恵が現代建築に生かされるというのは、私のもっとも興味をそそられる事柄です。RC(鉄筋コンクリート造)建築や木造でも合板建築は、建てた時が最も良い状態で、それ以降は右肩下がりになっていきます。しかし、伝統的な木造建築は、経年変化と共に、組む人の暮らしに馴染み、漆喰などは石化して強度を増します。強度増し健康づくりに一役買う住宅です。
木材は、曲がり(狂い)がつきものですが、その曲がりを反対方向で組合せ、時間と共に締まり強度を増していくように工夫しているそうです。そんな先人の知恵が詰まった住宅に住めることは、この上ない喜びです。「渋い!」私には最大の褒め言葉です。有り難うございます。
柿渋だけに‼️(笑)
ものすご~く面白い内容です。
最初、タイトルを見た時に「へ~、本間先生もベランダで干し柿を作ってるんだ~」と勘違いしましたが、柿渋の塗料のお話なんですね。いい感じで、なんだか、柿渋も作ってみたくなりました。
数年前の台風被害のあとのボランティアで丸森を訪れた時に買った缶バッジ『がんばっぺ』が猫だったんです。その意味がよおくわかりました。
へそ大根のお煮しめも最高です。大好き!
丸森のあんぽ柿は柔らかくて中がジャムみたいにトロリとしていて、私が作る干し柿と同じです。それを冷凍庫に入れておき、冬にこたつに入り、シャリシャリ言いながら冷たい干し柿を食べるのが大好きです。
今年もいい感じに仕上がって来ています。
本間先生は固いのと柔らかいのとどちらが好きですか?
干し柿つくりと勘違い?なるほどね、関心の向き方が違うので、柿だけで干し柿に直結するのでしょうね(笑)。
これも社会的想像力?私は、固い干し柿が好みです。
柿渋を渋柿と読み違いしました(笑)。思い込みは怖いです(^_^;)
私の回りもカチカチの固いのが好きな人が多いのですが、中がゼリーみたいな干し柿も美味しいですよ~!固い干し柿は大根やニンジンの千切りと混ぜた酢の物にしてお正月の重箱に入れます。
柿渋!うまくいきましたね。
とても馴染んでいます。渋い。