SDGs 目標12 「つくる責任 つかう責任」
持続的開発を進めていく上で、阻害する要因となるのが食品廃棄や有価物の投棄です。これらは資源浪費にほかならず、大きな問題となっています。そのため目標12ではより少ない資源で良質かつ大量のものを得られるような生産と消費の形態を求められています。生産工程における廃棄の発生の抑制、消費者側のリサイクルやリユースなどを求めるなど、11項目のターゲットを定め、消費者から企業、国に至るまでこの目標に対しての問題提起と取り組みを求めています。(出典:国際開発センター「つくる責任 つかう責任」,2018)
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する 10 年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、 収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフ スタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.a 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.b 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.c 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。
今のライフスタイルを維持するためには、地球1つでは足りないという試算があります。エコロジカル・フットプリント(人類が地球環境に与えている「負荷」の大きさを測る指標)を如何に削減し、資源を未来につなげていくかが求められています。
日本でも、数年で一気に節分行事として全国に広がった恵方巻と、その膨大な廃棄量が問題になりました。ほしいと思ったものがいつでも複数のお店で買えるような昨今の日本の環境はとても便利ですが、同時に地球環境に大きな負荷をかけて成り立っていることを忘れてはなりません。
現在、消費量に見合わない生産をしているものが沢山ある(見方を変えると私達が求めている)ことを認識し、未来に向けて、持続可能なライフスタイルを構築していきましょう。その為には、一人ひとりができることから始めることが大切です。
私達の消費行動で社会をかえることが出来ます。その事で、日本が持っている伝統的な技術や文化を残し継承することが可能になります。使う責日々の日々のチョットした意識がけで出来ることです。今日から、消費行動を意識してみませんか。
わたしたちは生活するうえで、森林伐採、海洋資源の乱獲、二酸化炭素の大量排出など地球に負荷をかけています。エコロジカル・フットプリントは、人の生活が環境に与える負荷を、資源の再生産および廃棄物の浄化に必要な地球の面積として示した数値を試算したものです。エコロジカル・フットプリントによると、現在の日本人と同じライフスタイルを世界中の人が維持しようとすると、地球が約2.5個分も必要という試算があります。このことから、わたしたちがいかに大きな負荷を地球にかけているかが分かるでしょう。
世界の人口は、2019年は77億人ですが、2030年には85億人、2050年には97億人にまで増加すると予想されています。さらに、今後20年間で世界では多くの人々が中間層に加わると予測されています。このことは、人々の需要が増加し、既に問題視されている天然資源の需要と供給のバランスが大きく崩れることも指しています。現状のまま生産と消費を続ければ、将来的に人々の暮らしを支えるのに必要な資源に限界がくることは必至です。
まさに今、わたしたちの消費と生産の活動パターンに変化を起こさなければならない時代がやってきています。世界中で地球1個分のライフスタイルを目指して持続可能な取り組みが必要なのです。特に、現在問題視されているのが、「食品ロス」と「廃棄物リサイクル」の問題です。どちらも世界的に発生していますが、問題となっているポイントは先進国と開発途上国で異なります。そのため、目標達成には、その国に合わせた対策や支援が不可欠であり、世界全体の目標として掲げる必要があるのです。
普段の生活においては誰もが消費者でもあります。無駄な買い物やエネルギーの浪費をしていないか、リサイクルやリユースに取り組んでいるかなど普段の生活を見直してみましょう。目標12の達成のためにできることは、身近な生活に潜んでいます。SDGsの主人公は、まさにわたしたちなのです。
近年、プラスチックごみによる海洋汚染が国際的にも注目されています。日本でもプラスチック製品の使用削減のため、2020年7月からレジ袋が有料化されました。これにより、多くの人がマイバッグを持ち歩くようになりました。今までは無条件でもらっていたレジ袋ですが、本当に必要なときだけ利用するという意識を持つよいきっかけになったのではないでしょうか。またペットボトル飲料を毎日購入しているという人も少なくないでしょう。こうしたペットボトルの代わりに、マイボトルを持参する習慣をつけましょう。さらに、コーヒーショップなどでもマイボトルに飲み物を入れてくれるサービスがあります。こういったものを積極的に利用することで、紙コップやプラスチック製のフタなどの使用量も削減することができるでしょう。
日本の食品ロスは年間で600万トン以上あるといわれています。食品ロスを減らすには、食べ物を買い過ぎないことはもちろんのこと、食べ残しをださない、余り食材を活用するなどの方法も有効です。まずは、買い物をする段階で、家族の好みや食べる量、スケジュールを考え、無駄のないよう買い物をしましょう。また、賞味期限や消費期限を正しく理解し、確認して食品を選ぶことも大切です。また、調理段階でも食品ロスの削減が可能です。余ってしまった食材や大根の葉や野菜の皮など普段は捨てているものでも、調理をすれば美味しく食べられます。さらに、残ってしまった料理でも少しの手間で別の料理にリメイクできます。余り食材や野菜の皮や葉、残った料理などの利用法はレシピサイト等で簡単に見つけられます。食材を使い切り、料理をしっかりと食べきることで、食品ロスを減らしていきましょう。普段、買い物をするときは、価格や品質などをチェックすることが多いと思いますが、さらに「持続可能かどうか」ということにも着目して、製品を選ぶようにしましょう。
環境に配慮した製品やサービスが増えてきているとはいえ、残念ながらすべてがそうではありません。そこで、消費者であるわたしたちが、環境や社会に配慮した製品を積極的に選択することが求められています。こういった考え方は「エシカル消費」と呼ばれています。例えば、パッケージのリサイクルマークなどを確認し、リサイクル可能な商品を購入するといったことなら手軽に行えるでしょう。また、電化製品などでは、リサイクルが可能かに加えて、有害廃棄分が少ないかなどもチェックすべきポイントです。さらに、SDGsに積極的に取り組む企業の商品を選択することでも、SDGsの達成に貢献できるでしょう。