SDGs 目標9 「産業と技術革新の基盤をつくろう」
過去10年で東アジアや東南アジアは著しい発展を遂げました。その要因はインフラや産業、イノベーション(技術革新)です。そのため「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことを目標とすることで、持続的経済成長と持続可能な開発を目指しています。SDGsでは誰一人取り残さないという理念を掲げていることから、2030年までに脆弱な国家への様々な支援を行うなど8項目のターゲットに取り組むことで、この目標の達成を目指しています。(出典:国際開発センター「産業と技術革新の基盤をつくろう」,2018)
9.1 全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭(レジリエント)なインフラを開発する。
9.2 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及び GDP に占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
9.3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸与などの金融サービスやバ リューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。
9.4 2030 年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導 入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能 力に応じた取り組みを行う。
9.5 2030 年までにイノベーションを促進させることや 100 万人当たりの研究開発従事者数を大幅に 増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとする全ての国々の産 業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
9.a アフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への金融・テクノロジー・ 技術の支援強化を通じて、開発途上国における持続可能かつ強靭(レジリエント)なインフラ開発 を促進する。
9.b 産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国 内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。
9.c 後発開発途上国において情報通信技術へのアクセスを大幅に向上させ、2020 年までに普遍的かつ 安価なインターネットアクセスを提供できるようにする。
そもそも、産業と技術革新の基盤がなぜポイントになるのでしょうか?それはインフラや持続可能な産業開発、技術進歩がないと、経済成長や気候変動対策を実現できないためです。今、世界はグローバル経済の様相が急激に変化し、不平等が拡大しているといわれています。そのような状況下で持続的な成長をするためには、「すべての人々が機会を利用できる」「技術革新と強靭なインフラに支えられた産業を含む」ことが必須と考えられています。つまり、新産業の成長は、私たちを含む世界の多くの人にとって生活水準の向上を意味し、また、産業が持続可能性を追求すれば、環境や地球に住む私たちに良い影響を与えるというわけです。
では、産業と技術革新の基盤は具体的にどのように、進めていけばよいのでしょうか?それは「インフラ整備」「持続可能な産業化」「技術革新の拡大」とされています。①「インフラ整備」は、道路や情報通信、技術、衛生施設、電力、水といった生活に必要な基盤を整えることを指します。②「持続可能な産業化」は、環境に優しくお金も適正に循環し、従業員をはじめとした人々が必要な物を買うに足りるだけの十分な収入を得られるような産業をつくることを指します。③「技術革新の拡大」は、地球に優しく、かつ新しい技術を生み出しつづける姿勢を指します。
私たち親世代が子どもの頃は考えもしなかった視点は、今の子ども達には必要になってきている時代です。親世代が習っていないことを教えるのは難しいですが、子どもの身近にあるものを使って、会話や関連した体験を重ねていくことで、子ども達の未来を生きるに必要な考え方が浸透していくと良いですね!
普段、意識して見ることもないインフラ(社会基盤)。電気、水道、ガス、インターネット、SNS、電話等々は、様々な技術の集積の上に成り立っています。しかし私達は、さも当然の如くそれらを使い、生活が成り立っています。このインフラを意識するのは、災害に見舞われた時くらいのように思います。
開発途上国等の様子で、井戸を掘り子どもたちが水くみから解放されて喜んでいる姿を見ることがあります。私達の国との違いは何処にあるのか、またこの便利さを維持するためには何をしなければいけないのか等々をこの機会に考えてみても良いように思います。
インターネットにより、実に様々なことが簡単に検索でき、改めてその恩恵にどっぷり浸っているんだな~と思いました。仕事でわからないことがあれば手元のスマホでサクサクと調べることができ、聴きたい歌や見たい動画もすぐに手に入れることができる。
振り返って見れば、インターネットの利用は、私の場合は15年くらいしか経っていませんが、ものすごく目まぐるしい変化があったように感じます。
そのインターネットの普及率は日本は91.1%に対し、アフリカは25.1%なんですね。発展途上国で何とかもっと普及させることで、これまで知らなかった世界が広がり、かなりのインフラが発展していくように思います!
コメント有り難うございます。様々なインフラは、使っている内にそれが当たり前になってしまいますが、その維持には膨大な労力がつぎ込まれています。こうした、設置及び維持には、財力と技術力が必要ですが、ご指摘のように国際的には大きな差がありますね。
この差は、インフラに留まらず、そこからもたらされる情報の公開や一般利用による国際状況の把握などにも影響を持ちます。そうしたことが結果として国際的孤立や独裁にまでつながってしまいます。
私達は、自国のインフラ整備に感謝するだけではなく、他国でも同様の恩恵を受けられるよう、ODA(政府開発援助)の状況などにも関心を持つことなども、結果としてSDGsにつながる行為なのかも知れません。
今回もコメント有り難うございました。