栗駒山登山の笑顔溢れる振り返り

1週間前の『栗駒山登山80歳の挑戦』(8月28日)の振り返りは、山岳ガイドを務めて頂いた博泰さんのお店「栗駒の里パン工房“おふくろさん”」(栗原市栗駒沼倉)で開催されました。

本題に入る前に会場となった「栗駒の里パン工房“おふくろさん”」のご紹介。このお店は、栗駒山に通じる旧道沿いにある博泰さんの実家近くにあります。このお店の商品は、溶岩を浸食してできた渓谷に広がる田んぼのお米を、もっちりした新食感のパン・ピザ・麺に仕上げています。博泰さんは、元々は仙台や海外でも働いたバリバリの技術者。この技術者魂は、試行錯誤を繰り返し、グルテンフリーの商品や地産地消を意識したものづくり、地域住民の居場所づくりをしています。

地域の方々の「居場所づくり」をめざして地元に戻り、地元の食材はもちろん、従業員の皆さんも74歳から84歳までの比較的年齢を重ねた地元の方々にお手伝いをもらい営んでいます。夏休みには、子ども会等にパンづくり体験や近くの沢での釣りや水遊びなどを企画して、子どもたちを喜ばせています。

ここは、強い関心を持っている「コミュニティ・ビジネス」と「社会貢献」を併せ持つ、希有な場所です。地域の持続可能性を考えたとき、大切にしていきたい事業で有り場所・空間(「居場所」)だと思います。

振り返りの会場

さてさて、今回の本題である「栗駒山登山の振り返り」。一般的な振り返りとは様相を異にし、「栗駒の里パン工房“おふくろさん”」の主力商品であるピザ(何と4種類)を食べながら、笑いの絶えない賑やかな振り返りでした。冒頭、社協の高橋さんからは、事の発端やコロナ禍での実施に迷っているときに若柳支部長からの「やってみたらいいよ!」の一言で迷いが吹っ切れ進めることが出来たとの話があり、責任者としての苦悩や管理者の英断を垣間見られました。

主役のちよのさんは、帰路の下り坂は、とても大変だったが、いわかがみ平に着いて、大きな岩に腰掛けて少ししたら「す~と」疲れが取れて元に戻った。次の日からはいつもと変わらない一枝さんとのお茶飲みが始まった等々の話が出て、一同、その体力に驚きました。ご主人の清四郎さんは、はじめは登る気は無かったと言い、計画が具体化すに連れ、「そばにいてやりたい」「妻の願いを見届けたい」という想いに変わり、自らも登山に加わったとのことでした。これに対してちよのさんは、「わたしをおいて、どんどん先に進んでいき、見捨てられた」等と言ったかと思うと「持病があるのでとても心配で、身体に良いというドリンクや精の付く食べ物をいっぱい用意した」等々、優しい言葉もあり、その度に笑いや拍手が湧き出ていました。

また、次回は須川温泉の方から登ってみたいと新たな計画の話があり、夫清四郎さんにも提案したが返事はなかったようです。登山ガイドの博泰さんからは、勾配がきついのでお勧めできない、二人須川温泉でゆっくりするのが良いでしょうと提案されていました。

また、大親友の一枝さんは、帰ってきたときの疲れ切った姿を見てとても心配したことやいつも二人で支え合っていることへの感謝の言葉がありました。家族で暮らしていることと一人で暮らしていることの、それぞれの良い面、大変な面なども話の中に出て来て、その両方が組み合わさることの大切さや補い合うことの大切さを感じたお話しでした。

以前、この「80歳、栗駒登山」を企画した社協マンは、お茶会は「地域ケア会議だ!」と表現していました。今日、振り返りを聴いていると、正にそうだなって感じました。普段からの関わり合いが、一番の支え合いであり危機管理機能を持つ基盤であることを再確認しました。

登頂の感想を語る(振り返りの様子)
絶品のピザを食べながらの振り返り

アメリカで80歳以上の老人を対象とした「人生で最も後悔していることは何ですか?」というアンケート調査結果があります。其れによると、なんと7割の高齢者は「チャレンジ(挑戦)しなかったこと」と回答しています。人間は失敗したことよりも「やらなかったこと」を後悔する生き物なのかもしれません。

でも過去には戻れません。ではどうすれば良かったのか。「他人がどう思うか気にしなければ良かった。」これが多くの人が答えていたことです。私たちは人からの目、評価を気にしてしまいます。しかしそれに重きを置けば置くほど自分が本当に求めているものが見えなくなり他人の意見、意思によって人生が決められてしまいます。他人の事を気にすれば気にするほど自分が取れる行動の幅はどんどんと狭くなり、自分の首が絞めつけられていきます。他人の目なんて気にしなくていいです。大事なのは、あなたがどうしたいかなのです。間違いなく今日があなたの1番若い日です。今迷っている人はやれるだけのことはやってみましょう。この様に結ばれています。

米誌『Emotion』に掲載された「The Ideal Road Not Taken」の筆頭筆者で心理学者のTom Gilovich氏によると、私たちがを最も苦しめる後悔は、「理想の自己」として生きることができなかった後悔なのだそうです(https://www.lifehacker.jp/2018/07/170293how-to-avoid-a-life-of-regret.html 2021-09-04)。自分のこれまでを振り返ってみると、共感できる面が多々あるような気がします。また、今回のちよのさんの挑戦は、こうした意味においても、とても重要な一コマだったのではないかと思えます。

まだまだ舌足らずで書き足らないのですが、キリがないのでこの辺で終わりにします。登山の様子は、2021-08-29の投稿「80歳、栗駒山頂に立つ」及び添付のスライドショウ(BGMの著作権の関係で残念ながら添付できず)を併せてご覧下さい。

登頂記念、銘酒「栗駒山」の贈呈
この店への想いを語る博泰さん

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

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