四日目(4月22日)高知県高知市から足摺岬まで

四日目は、三十一番札所竹林寺から三十八番札所金剛福寺までの8ヶ寺を巡拝しました。宿泊は、足摺岬に建つ眺望の良いホテル。ただ、お風呂までの通路が長く下っていくもので、チョット億劫になってしまう感じがありました。

四日目は、土佐湾沿いの札所を巡る巡拝で、これまでの山岳部が多い巡拝とは異なり、街中のお寺巡りという感じがしました。また、至る所に避難タワーがあり南海トラフ地震による巨大津波の発生が予測されている地域の防災対策の現状を垣間見た気がしました。

経路の途中に黒潮町がありました。ここは、南海トラフ地震で国内最高の巨大津波の発生が予測されている場所です。黒潮町は、最大波高34.4mの巨大津波が想定され、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に指定されています。

三十一番札所竹林寺(ちくりんじ)は、五台山山頂に広がる境内にあります。山門をくぐり両側に木々が生い茂る中の石段を登ると、高さ32.1m総檜造りの五重塔が見えました。竹林寺というから竹林かと思ったのですがそうではなく、桜の名所として知られているとのことでした。本堂は、江戸時代初期の建立で国の重要文化財に指定されています。屋根は、杉の柾目板で「こけら葺き」されており、私が好きな屋根葺き様式です。この為か、全体として質素で落ち着きがある本堂でした。

三十五番札所青龍寺迄の道のりは、車での巡拝では国霊場最大の難所といわれ、極端に細いつづら折りの急な坂道が続きます。テレビ番組「ポツンと一軒家」で山奥の一軒家に辿り着く迄の様子を思い出します。四三十六番札所青竜寺から三十七番札所岩本寺間は55㎞もあり、車なら80分程度ですが、歩き遍路は左手に土佐湾の海原を見ながら三日弱程の日程になります。更に距離があるのは、三十七番札所岩本寺から三十八番札所金剛福寺までは四国八十八ヶ所巡拝最長の約100㎞。正に自らと向き合って苦闘する修行になることでしょう。

三十四番札所種間寺の観音堂は「安産の薬師さん」と呼ばれ、数多くの底の抜けたひしゃくが掲げられている。三十六番札所青龍寺には、弘法大師が唐より投げた独鈷杆(どっこしょ)が奥の院の松にかかっていたといういわれがあります。三十七番札所岩本寺には、全国から募集した花鳥風月等が描かれた格天井があります。三十八番札所金剛福寺には弘法大師が亀の背中に乗って沖の不動岩で海上安全の祈願をしたと伝えられている大師亀があります。亀の頭をなでて、御利益を願っているそうです。こういった所が四日目の見所でした。

足摺岬は、台風の時にヘルメットを被ったアナウンサーが台風の接近を実況する場面でよく目にする場所です。その場に立ってみると見渡す限りの海の広さに圧倒されました。潮風が心地よく、一時、疲れを忘れさせてくれます。周りに遮るものが何もない真っ青な空と深い青の広い海原、丸みを持った水平線、心地よい潮風、久しぶりで見たような気がします。

高知県の札所は青い海と険しい山岳。そんな印象が強いです。そして、正に修行だ!と感じさせられることの多い札所巡りでした。

四国八十八ヶ所巡拝は、弘法大師と常に一緒に歩くということで「同行二人」といわれ、手にもつ金剛杖は弘法大師様の代わりだとされています。私は、同行二人は弘法大師と一緒ということだけでなく、自分にとって大切な人と一緒に巡っているともいえるのではないかと思いました。巡拝中の心の中での会話。非日常の中にあっても、日常の会話のように感じました。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です