高齢者は、なぜ時間の進みが早いのか

年齢を重ねると、時間の過ぎるのを早く感じたことありませんか?一日が「あっと」いう間に過ぎてしまいます。若い頃とは何か違うような気がしてなりません。そんな時、一川誠,2008『大人の時間はなぜ短いのか』集英社新書.を見つけ読んでみました。その概要は以下です。何となくですが、心当たりが有りうなずいてしまいました。

同じ1時間でも、人によってその長さは違って感じられる。また、同じ人であっても、時として、なかなか過ぎて生きないように感じたり、あっという間に過ぎてしまうように感じたりすることが有ると言います。この様な感覚的な時間の長さは、心理学の世界では『時間評価』の問題として研究されているそうです。

この時間評価に影響を及ぼす主な要因としては、「身体の代謝」「心的活性度」「時間経過への注意」「知覚様相」等があるそうです(『心理的時間』1996)。なかなか分かりにくいので、簡単なところだけ取り上げてみます。

◇身体の代謝で変わる時計

当然ですが物理的時間の進みは、一定です。これは万国共通です。それに対して私たちが感覚的に感じ取れる時間の長さは、時と場合のより違って感じ取っているようです。

身体や気持ちが活性化しているとき(元気で晴れ晴れとしているとき)は、感覚的時間(心理的時間)は早く進みます。即ち、物理的時間(時栄の時間)1時間が、それよりも少ない時間(心理的時間)で1時間と感じてしまいます。

また、身体の代謝が活発なときは心理的時計の進みが早くなり、代謝が落ち込んでいるときはゆっくり進みます。

今回テーマにした歳を重ねると時間が早く進むというのは、加齢に伴う身体の代謝機能低下が影響を及ぼしていると説明されています。身体的代謝が落ちると、それに伴って心的時計(感覚的時計)の進み方も遅くなるのです。この為。まだ1時間も経っていないと思っているのに、時計は1時間を指しているので、『時が進むのが早い』と感じてしまうのです。

朝方は、身体的代謝機能がまだ十分に活性化していないので、心的時計(感覚的時計)がゆっくり進みます。この為、朝方は、時間の経つのがもの凄く早く感じてしまうのです。朝ご飯を食べて一息ついていたらもう昼ご飯の時間になってしまった。こんな経験ありませんか?低血圧で朝が弱い方などは、この傾向が顕著に出るかも知れません。

◇感情によっても心的時計の進み方は異なる

恐怖を感じたり、不安な状態にあるとき等は、心的時計(感覚時計)が早く進みます。この為、物理的時計の時間がとてもゆっくり進むように感じてしまいます。ジェットコースターに乗ったときなど、乗車時間はわずか3分程度なのですが、その10倍以上も乗っていたような気がします。先日、有名なジェットコースターの乗らないかと勧められたのですが、私はとても怖くて乗れませんでした。もし、お付き合いで乗ったら、キット1時間も乗っていたような感じ方ないなっていたと思います。また、交通事故が起きたときに、目の前の出来事が、スローモーションのように見えたとされることがあります。これなどは、事故時の極度の緊張や恐怖感が心的時計(感覚的時計)を早く進めるため、物理的時計がゆっくり進むように感じるからです。私は、交通事故ではありませんが、パラグライダーで30m位の高さから墜落したときに、とてもゆっくり墜落していくように感じたことがあります。これも、強度の緊張感や恐怖が心的時計の進みを早くしたのだと思います。

◇時間経過への注意

これは、誰もが経験し実感していると思います。楽しく過ごしている時は、余り時計のことなど気にならなくて、気がついたら、もう帰る時間になっていた。また、趣味に没頭していると、あっという間に時間が経ってしまい、いくら時間があっても足りないと感じてしまう。反対につまらない講義や会議に出席していると、何度も時間が見てしまい、その都度「まだ〇分過ぎたかけか~・・」等ととても時間が長く感じてしまいます。

この様に、同じ時間でも時間の進み方は、その時々の身体的・精神的状況で変わってきます。高齢者になると「時間の進みが早い」と良く聴きます。この本に寄れば、少々代謝機能が下がっていることが要因のようです。でも私はそれだけではないようにも感じています。

ほとんど眠ることが出来ず、何時間経っても夜が明けない感じがした。

34℃の炎天下、幾ら歩いても時計が狂っているのかと思うほど進みが遅く感じた。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

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