お彼岸

今の時期になると「暑さ寒さも彼岸まで」と、いう言葉を良く耳にします。確かに、朝夕はだいぶ暑さも収まってきているように感じます。しかし、日中は、この言葉とはほど遠い蒸し暑さが続いています。

特段の宗教心もないのですが、年中行事の如くお墓参りに行ってきました。いつもより生花がたむけられているお墓が多いためか、墓地全体に花が咲いている感じがして、これも、なかなかいい景色です。仏教の考えから来ている習慣なのでしょうが、宗教よりこの時期の生活習慣化しているところが私は好きです。

お彼岸は日本独自の仏教行事です。故人や先祖を供養して感謝をささげる精進期間と考えられています。この期間にはお墓参りや法要などを執り行うのが一般的です。「彼岸」という言葉は、私たちが生きている現世に対して、解脱した仏の世界を意味します。しかし日常的に私達が使う「お彼岸」は、お墓参りを指すのが一般的のように思います。私は、生花を手向けお線香を焚き、お経を読んで来ました。お寺でお経を読むのは、四国八十八ヶ寺歩きお遍路以来、私の中ではあたりまえの行為になっています。携帯用の「おりん」も打ちながら読経するので、周りの方々から振り返られてしまいます(汗)。

お彼岸が春分・秋分の日を中心に行われるのは「太陽が真東からのぼって真西へ沈んでいく日」であるためです。そして、仏教において極楽浄土があるのは「西の彼方」です。春分・秋分の日は太陽が真東からのぼって真西へ沈みます。そのため、極楽浄土と通じる日と考えられるようになりました。このような理由から、お彼岸は春分・秋分の日を中心に行われます。

「彼岸」には「極楽浄土を目指す修行」という、六波羅蜜と呼ばれる修行が存在します。修行内容は、次の六つです。

一 持戒(じかい)→善い行い

二 精進(しょうじん)→努力

三 布施(ふせ)→施すこと

四 禅定(ぜんじょう)→心を静めること

五 忍辱(にんにく)→耐え忍ぶこと

六 智慧(ちえ)→一から五迄の総括

いずれも生きていくうえで大切な教えと仏教では考えられています。

お彼岸にお供えする花は、通年で使える花・春彼岸に適した花・秋彼岸に適した花の三つがあるようです。私は全く知りませんでした。富谷市にある「げんきくん市場」の入り口にいっぱいある仏花を、何の躊躇いもなく購入していました。通年で使える花は、菊・カーネーション。春彼岸の花は、キンセンカ・マーガレット。秋彼岸の花は、リンドウ・ソリダコとのことです。そもそも、菊とカーネーションの他は分かりません。手向けた仏花は、合っているのだろうかと少々心配なのですが、きっと大丈夫でしょう。

極楽浄土を目指す修行という六波羅蜜。私は、何が出来ているのだろうかと、しげしげと見ています。どうも、全てが「只今修行中です」と誤魔化してしまう状況のようです。四国八十八ヶ寺歩きお遍路の学びが持続していないようで何とも恥ずかしい限りです。

彼岸花(大崎市羽黒山公園)
菩提寺のお墓(左はお地蔵さんを間に妻の実家のお墓)

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

お彼岸” に対して1件のコメントがあります。

  1. 丸山 正芳 より:

    「只今修行中です」とも言えずまだまだ【欲望】の塊です。美味しいものを腹一杯食べたい、あれも欲しいこれも欲しい、楽しい旅行にも行きたいと思う日々です。8年前、大きな手術をしその後も数度入退院を経験してから《今を楽しく》と考えるように成ってしまいました。もう一段上の段階に上がり世の為人の為に何か出来る事が有ると言う考えまで至らない俗人です。恥ずかしい限りです。

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