敬老の日を考える

「敬老の日」(9月16日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国の65歳以上の高齢者のすがたについて取りまとめました。高齢者の人口(人口推計:2023年9月15日現在)

○高齢者人口(65歳以上)は1950年以降初めての減少。一方で総人口に占める高齢者人口の割合は29.1%と過去最高となりました。

○75歳以上人口が初めて2,000万人を超え、10人に1人が80歳以上です。

○日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(200の国・地域中)です。

〇我が国の65歳以上人口(高齢者人口)は、

・1950(昭和25)年には総人口の5%に満たなかった(4.9%)のですが、

・1970(昭和45)年に7%(高齢化社会)を超え、

・1994(平成6)年には14%(高齢社会)を超えました。

・その後も上昇を続け、2022(令和4)年には29.1%と、なりました。

〇15~64歳人口(生産年齢人口)は、1995(平成7)年に8,716万人でピークを迎え、その後減少に転じ、2019(令和元)年には7,507万人と、総人口の59.5%となりました。

〇我が国の総人口は、長期の人口減少過程に入っています。2029(令和11)年に1億2,000万人を下回った後も減少を続け、2053(令和35)年には1億人を割って9,924万人になると推計されています。

〇出生数は減少を続け、2065(令和47)年には56万人になると推計されています。この減少により、年少人口(0~14歳)は2056(令和38)年に1,000万人を割り、2065(令和47)年には898万人と、現在の半分程度になると推計されています。

〇これは、41年後の姿です。現在20歳の若者が、高齢者の入り口61歳になるときの世界です。今の若者が高齢者になろうとしているときには、子どもたちは現在の半数になっているのです。そして平均余命は、2065(令和47)年には、男性84.95年、女性91.35年となり、女性は90年を超えると見込まれています。

〇別の言い方をすると、現在20歳の若者は、自分が60歳を過ぎた頃には、街の中に子どもたちの姿は少なくなり、その反面80歳半ばから90歳を超える高齢者が溢れているのです。こうした日常の暮らしの中で、如何にして活気のある暮らしを築くのかは、今すぐに考えていかなければならない喫緊の課題です。宮城県の合計特殊出生率は、昨年全国で下から2番目、今年は3番目です。産めよ増やせよなんて言いません。でも、生まれてきた子どもたちを丁寧に地域社会みんなで育てる、こんな世相を築いて行く必要があると思っています。高齢者の皆さんには、もう一肌も二肌も脱いでもらう必要があります。敬老の日は、高齢者を敬う日ですが、私は社会的な役割をお願いする日、と考えたいです。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

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