バッパホールで縁側コンサート

ハチドリさんが宮城県出身と聞いて、浪江町の区長さんから出てきたのが、中新田町の「バッハホール」。今でも行かれているといいます。このような投稿に反応して、バッハホールで思い出したのが鈴虫さん。南三陸町の生活支援員さんが企画した縁側コンサートの会場「バッパホール」。

ここにつながるのかと、私もビックリしたのですが、鈴虫さんからこの件について触れるようにとのご指示なので、当時の写真などを掲載して、その時の様子をお話しいたします。

ハーモニカをいつも手にしていたこの方は、当時90歳を越えていました。津波で家を流されてしまったのですが、奇跡的に大切にしていたハーモニカは失わずに持ち帰れたといいます。そのようなことも有り、いつも大切に手に持ち、ハーモニカを吹いていたそうです。

この方が暮らしている応急仮設住宅団地を担当する生活支援員がこの様子を聞きつけ、何とか励ましたいと考え「コンサート」を企画したのです。私は、こうした生活支援員の想いを、できるだけ「本物」に準じた形にするように助言し、ネーミングなども考えるようにお話をしました。生活支援員さんは、とても素晴らしい企画に仕上げてくれました。

私は、マスコミにコンサートの企画意図等を説明して取材を依頼したりしました。お陰様で何社かのテレビ局が来てくれ放送して頂きました。悲惨な状況に関する報道だけではなく、被災住民が懸命に頑張っている様子やそれを支えている生活支援員の姿を知ってもらいたくて、マスコミには積極的に情報提供をしていました。

その際、報道が「お涙ちょうだい」的にならないように、マスコミに対しては情報提供時に、事業の趣旨や目的をしっかり伝えるようにしていました。お陰様で、マスコミもその趣旨を理解し、失意の中にある皆さんを励まし応援するようなトーンで放送してくれたように思います。

複数のマスコミが駆けつける
このコンサートを思いついた支援員さん(立ってる方)

隣近所の皆さんから感想を頂いたのですが、多くの方々は月並みな言い方かも知れませんが、「元気が出た」「見習いたい」「あのように生きたい」等々、多くのみなさんに、笑顔だけではなく明日への希望を持たせてくれる機会になったように感じています。娘さんたちご家族もとても喜び、「自慢の母だ」と、いっていたことがとても嬉しかったです。本人、ご家族そして隣近所の皆さんの笑顔をご覧下さい。

2012-08-30縁側コンサート
満面の笑み
インタビューに答える本人と嬉しそうに見守る家族
「良かった~!」て駆け寄る隣近所の方

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

バッパホールで縁側コンサート” に対して8件のコメントがあります。

  1. ハチドリ より:

    鈴虫さん,先生にご指示していただき,ありがとうございます。

    いろいろな仮設住宅を見てきましたが,あの横丁をこんな素敵なコンサート会場にした取り組みは初めて見ました。なんて素敵なアイデアでしょう。緞帳を彷彿とさせる,夏らしい白色ののれんもとっても素敵です。そして,バッパホールというネーミング,スマイルさんも書かれていましたが,ネーミングは本当に大事だと思います。ハーモニカを吹く90歳のこの女性の晴れ舞台にふさわしい,ユーモアのセンスもキラリと光るバッパホール,会場の皆さんの拍手も一緒にこのハーモニカコンサートをさらに盛り上げてくれたことでしょうね。この全体の出来事がそこで暮らすみなさんの大きな希望になったことと思います。そして,このコンサートを思いついてくれた支援員さんも,ご家族もどんなにか嬉しかったことでしょう。

    もう10年も前になるのですね。実は私,これが放送されたとき,確か夕方にテレビで見ていました。あの時は,「縁側コンサート」という言葉と,こんなことができるんだ~とただただ驚いてしまったことを覚えているのですが,今回,鈴虫さんのおかげで,ここでいきさつや写真を改めてゆっくり見ることができて,本当に良かったと思います。

    11月14日の『簡単レシピ(アルコール依存対策)』のコメントの中から端を発し,役割や趣味をもっていることや,そしてそれが承認されることで喜びに繋がっていくことが大事,何事もお互いを認め合って楽しむことが秘訣かしら?という話の流れから,中新田のバッハホールが出てきて,南三陸町のバッパホールに繋がるという,いや~,素晴らしい!👏👏👏

    1. 鈴虫 より:

      ハチドリさんの仰る通り、11月14日の『簡単レシピ(アルコール依存対策)』に寄せられたコメントが次々と自分事として受け入れられ、また別の場所でのエピソードへと繋がっていく展開はとてもここち良いものでした。 

      これは一人ひとりが其々の地域で其々の課題に向き合っている人達だからこそ、ひとつ聞いて十も理解出来てしまうような、それこそ「つーかー」のやり取りとなったのかもしれませんね。

      今回の展開から、私達はもっと其々の地域活動における成功体験も失敗体験もみなさんと共有して、良い事は真似てみる、反省すべき事は学びとしていくのが良いのではないかと感じています。

      私達はなんて素晴らしい場所に参加出来ているのでしょう!今、何処に居るのかなんて関係ない。この『地域福祉研究所』のHPは、時間も空間も超えたもはやパラレルワールドと言えるのではないかと感じでいます。✨✨👏

      共感いただける方には、是非ひと言だけでもコメントを入れていただけると、私の拙い活動の支えになり最高に嬉しいです😃

      1. いくこ より:

        OOCの遥か以前に「バッパホール」というネーミングが存在していた!素晴らしい。もう想像できます、企画段階からもう笑顔というか爆笑、そうすると笑顔あふれる企画はスムーズに回りだす、厳しい環境でどれほどの希望を皆さんに与えたか。
        この時を共有出来た人達は、楽しさを折に触れて思い出し励まされているのではと思います。
        鈴虫さん宝物の時間をお持ちですね。

        1. 鈴虫 より:

          いくこさん
          この縁側コンサートの場面を宝物と捉えていただいて、とても嬉しく思います。

          このハーモニカ演奏を披露して下さったおばあさんの笑顔を見て下さい!
          この様な瞬間に立ち会わせて頂きながら、私達支援員は仮設住宅に暮らす人々を支援すると同時に、私達自身も大いに励まされ復興に向け背中を押して頂いていたのです。
          ですから、これらの経験は私個人の宝物というよりは、関わった全ての人々の宝物になっていることでしょう。

          先生のHPをプラットホームとして、みなさんとコメントの交換が出来たおかげで、またひとつ素敵な想い出を掘り起こすことが出来ました。
          ありがとうございました。

  2. スマイル より:

    ご本人とご家族の表情、見守る人たちの姿に胸がいっぱいになります。できうる限り「本物」に、という気持ち本当に大切だと思いました。マスコミの方達にどのような趣旨でお伝えするか、ということも。

    『バッパホール』というネーミングがすべてを表していますね。親が子どもの名前を一生懸命考えるように、ネーミングは本当に大事。そこに表れるものがあります。本気で全力で南三陸町や住民の方達を支えてらした本間先生らしさの表れでもありますね。このような温かな発想が生まれる土台になっていたことでしょう。

    今回の記事だけでも、たくさんのことが伝わり、それぞれの地域で生かせることがあると感じます。鈴虫さんが声をあげてくださって本当に良かったです。いつもありがとうございます。

    1. 鈴虫 より:

      スマイルさん
      素敵な笑顔があふれているでしょう✨この光景をみなさんにご紹介したかったのです!

      先生、私のリクエストに応えて頂いてありがとうございました。

      この一件だけでなく、生活支援員は目立たないところで埋もれてしまいがちな人達の得意なことを大々的にお披露目することを積極的にお手伝いしました。
      その度に、この『バッパホール』の縁側コンサートの時の様な素晴らしい笑顔が満開に咲いて、この空間、この関わりに仕事を超えたプライスレスな喜びを感じていました。

      今、私はあの当時のかけがえの無い経験が心の中で経年熟成されているのを感じています。
      一つひとつの出来事を振り返る度に、感謝で胸がいっぱいになるのです。

      1. ハチドリ より:

        『生活支援員は目立たないところで埋もれてしまいがちな人達の得意なことを大々的にお披露目することを積極的にお手伝いしました』とのこと。鈴虫さんたち、生活支援員さんたちは、なんていいお仕事をなさっていたのでしょう。

        カメラマンと一緒に写っているイケメンはインタビュアーの人でしょうか?彼の笑顔が仕事を忘れて本気で楽しんでいるのでは?が伝わって来ますよね。後ろ姿で見えないけど、カメラマンもきっとこの日の主役の女性を前にとびきりの笑顔で撮影をしてくれ、撮影クルーの皆さん全員が自信をもって大切なことを全国に放送してくれたことでしょう。

        1. 鈴虫 より:

          ハチドリさん
          本当にその場に居た人達がみな良い顔をしていますね!
          観客にこの様な笑顔で迎えられたら、この時のハーモニカは普段以上の音色を奏でたことでしょう。
          コメントありがとうございました。

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