小さく産んで大きく育てる勉強会(市民CSWer研修会in福島)

2019(令和元)年から始まったこの研修会「市民CSWer研究会in福島」は、2016(平成28)年4月から始まった東北学院大学が主催するコミュニティソーシャルワーカー(CSW)スキルアッププログラムを受講した一期生が、地元福島県においても同じように学びの場を設けたいと一念発起し、地元のNPOと組んで企画・実施したものです。以降、4年目を向かえ、益々充実したカリキュラムで行われています。

研修内容は、「座学研修20科目と実践研修10科目で構成され、毎回ミニッツペーパーが課されます。5月から始まり翌年2月の学習成果発表会を持って修了します。今年度からは、福島県社会福祉協議会、郡山市、郡山市社会福祉協議会及び東北学院大学地域連携センターの後援を得て益々その社会的な役割と意味を増しています。

参加者は多種多様ですが、共通しているのは「地域の役に立ちたい」と思い、其の術を学びたいという志です。今年は、僧侶が二人も受講しています。今年始めた参加するお坊さんは、先に参加していたお坊さんの活動に憧れ参加したといい、子ども食堂の開設などを考え、地域のお寺としての役割の在り方を考える機会としたいと話しています。もう一方の先輩お坊さんは、「かかりつけCSW」という言葉を発信している方です。また、参加者も広域化し、広島県からの参加もあります。この方は、東日本大震災で広域避難している方を支援されている方です。避難先になじめない中でご苦労されているのを目にするにつけ何とか役に立ちたいと申し込んでいます。

Zoomも使った講義(広島県からも参加)

参加者は、年間15,000円の受講料を支払い、受講しています。身銭を切って、地域の役に立つ術を得る為に「学ぶ」のです。なんとも頭の下がる思いです。そもそも、高い課題意識と志を持っている方々です。この方々とともに「地域福祉」の推進を目指せるのは私としてもこの上ない喜びです。

学ぶことは、それぞれが抱いている課題意識の解決に向けた実践を手助けしてくれると思っています。また、これまでのものの見方や捉え方に、新たな視点を加えることで、其の課題を浮き彫りにし、より明確に課題接近ができるようになります。彼らが学びを深め、具体的な実践につながっていく。一人の受講者は、多くの人との生活課題の解決に関わります。なので、わずかな人数であっても其の影響量は量りきれない効果を生み出すと思います。

この様な志を持った方々のお役に立てるのなら何でもしたい、そんな気持ちになります。今回(5月21日)は開講式と第一回目の講義「現代社会とコミュニティソーシャルワーク」でっした。これからも福島を支える為に、私自身も精進しより良い学びの場を設けられるように努めたいと思っています。

Web環境をセットするダクルス・マニュファクチャ

この事業を行っているのは、「よりあいコミュニティーワークス」の共同代表、岩崎さんとダクルスさんです。いつもですが、会場の準備や遠隔講義の環境を整えてくれているシステムエンジニアは、ダクルスさんのお子さん達です。正に「ダクルス・マニュファクチャ」です。親子でこのような学びの場を整えている姿は何とも微笑ましいのです。母親が地域社会のために身を粉にしている姿を見る、これに勝る教育の場はないのではないかと思います。母の背中を見て子どもが育つ、そんなアットホームな空気感もこの研修会の良いところのように思います。

小さく産んで大きく育てる勉強会が市民の手で行われている。私が考える地域福祉の一つの姿がここにあります。これも地域社会の「自律」した姿ではないかと思っています。この様な活動を通して市民の目が肥えていく。このことが地域社会の成長には欠かせない姿ではないかと思います。私たちの地域社会をよりよい生活環境にしていくためには、私たち一人ひとりが学びを深め自覚と責任を持って社会の一員として振る舞うことが大事だと思います。この様な場に関われる私は本当に幸せだと思っています。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

小さく産んで大きく育てる勉強会(市民CSWer研修会in福島)” に対して2件のコメントがあります。

  1. Da Cruz より:

    本間先生
    今年度も走り出したCCSWに伴走いただき、本当にありがとうございます!
    必死で走ってきて気づいたら4年目、今年初めからはレース種目が増えて、さらに先生を忙しく走り回らせてしまっています(苦笑)

    いつも先生が「福島を放っておくわけにはいかない」とおっしゃってくださることに、私自身が立ち続けなくてどうする、と奮い立たされる思いがします。
    自分一人でできることは本当にわずかですが、先生はじめ応援してくださる皆さんや家族が寄って集って支えてくださるおかげでこの働きが成り立っています。そして支えられながら私自身がいつも学ばされ、筋トレのようにじわじわと成長させられています。

    昨日ももう一方のお働きでお世話になりました。昨日の参加者のある方が振り返りで、「先生がそばに来て掛けてくださったあの一言で、『ああ、そうか!』と電球に灯がともったんです。」と自分の気づきを生き生きと述べていました。

    昨日も、そして毎年のCCSWでも、学んでくださる方々の内側から気づきの力が引き出される瞬間に立ち会うたびに、すごいことだと感動します。
    そしてそれはいつも関わっていただいている私自身も同じで、山谷越えながらもやり続けることができるのは、先生がいつもこの働きの意味を毎年新たに確認させてくださり、いつも新しい知識と気づきと発見の刃を研いでくださるかからです。

    これからもこの”ふくしまトライアスロンコース”の伴走をよろしくお願いいたします!
    叱咤激励を飛ばしていただけましたら感謝です!

  2. 鈴虫 より:

    2019年から始まり今年で4年目の『市民CSWer in 福島』の開講、おめでとうございます!
    それぞれの地域活動の発展を願い、学びを求めて集ったこの日は、みなさんにとって一粒万倍日ですね。
    目指す地域づくりへの願いのこもった講座が、社会福祉協議会をはじめとする味方を得て、さらに力強く展開していくのだと思うと期待が高まります。
    そしてまた、ご家族が力を合わせてその場を準備なさっていることが、講座に温かみを添えていて素晴らしいです。
    ダクルス家の団欒の場面では講座の振り返りなどなさるのでしょうね。
    なんて素敵なご家族!尊敬いたします!

    良い刺激を受け、私もみなさんのように学び続けることが生き甲斐と感じられる日々を送りたいと思います。
    今回もありがとうございました。

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