今日からお彼岸(3月18日)
今日からお彼岸。菩提寺に行くと、普段とは異なり、お花畑に居るかのような錯覚さえ覚えるほど沢山の花がお供えされています。改めてお彼岸って何なのか紐解いてみました。
春のお彼岸は「春分の日」を中日として前後3日間。この計7日間が「お彼岸」の期間とされています。2022(令和4)年の春のお彼岸は、3月18日(金)彼岸入り、3月21日(月・祝)中日(春分の日)、3月24日(木)彼岸明けとなります。
日本文化に定着している「お彼岸」ですが、もともとサンスクリット語の「パーラミター」が語源であると言われています。「パーラミター」は仏教用語です。これを音写したのが「波羅蜜多(はらみった、はらみた)」で、「般若波羅蜜多(はんにゃはらみた)」ではじまる般若心経の例を挙げるまでもないほど、仏教にとって重要な概念です。サンスクリット語で「パーラミター」とは「完成する、成就する」という意味です。仏教の概念として用いられる場合は、欲や煩悩、苦しみに満ちた輪廻の世界から解脱し、迷いのない悟りの境地に達することを表します。
この悟りの境地「パーラミター」を、川を挟んだ向こう岸、すなわち「彼岸」に例えたのが私達日本人の伝統行事「お彼岸」なのです。反対に、私達の生きる煩悩の世界はこちら側の岸「此岸(しがん)」と呼ばれます。日本古来の自然観や先祖崇拝の影響から、亡くなった家族やご先祖は、迷いのない「彼岸」へと渡り、時々私達の生きる此岸に姿を現すと考えられるようになりました。また、これらの時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福を祈るとともに、自らもいつか迷いのない此岸に到達できるよう願ったのです。「お彼岸」とは、彼岸と此岸(あの世とこの世、すなわちご先祖と私たち)とが交流する行事であり、そのための場所が「お墓」なのです。
春分の日と秋分の日には、太陽が真東から上り真西へと沈みます。太陽が真西にまっすぐ沈むお彼岸時期は、西方の遥か彼方にあるとされる極楽浄土(西方浄土)への道しるべができ、かつお浄土との距離が最も近くなる特別な時期であるといわれていました。さらに、昼夜の長さが等しくなる時期であることから、思想も行動も左右に偏ってはいけないとする、仏様の「中道(ちゅうどう)」の教えに通じるとも考えられました。これらのことから、お彼岸時期は仏教修行を行うきっかけとして最適な時期であるとされました。
記録に残る最古のお彼岸は、「日本後記」の記述によると、西暦806年(平安時代初期)、早良親王(桓武天皇の弟。無実の罪を訴えて死去)を偲ぶために行われた「彼岸会(ひがんえ)」が、記録に残る日本最古のお彼岸とされています。この際、春分・秋分の日を中心とした7日間に渡り、全国の国分寺にて僧が読経を行ったと言われています。これ以降、「源氏物語」などの平安時代の代表的な作品の中にもお彼岸の記述がみられるようになり、江戸時代にかけて年中行事として民衆に定着したとされています。
ちなみに、お彼岸はなぜ7日間あるのかご存じでしょうか。お彼岸が7日間あるのは、中日はご先祖様の供養に徹し、前後3日間を使って、この六波羅蜜の修行を毎日1つずつ実践するために設けられたともいわれています。お彼岸は、本来、悟りの世界へ達するために「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という修行を実践しながら、仏教の教えに従って精進すべき期間でもあります。
この六波羅蜜とは、悟りの境地に達するための正しい修行の道である「八正道(はっしょうどう)」を、出家していない者たち(在家)に向けた修行方法として説いた六つの実践(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)のことです。仏教修行の基本とされる六波羅蜜は、全ての物に感謝する報恩感謝の精神が基本になっています。お彼岸に自分がお世話になった親やご先祖様のお墓参りをするのも、この精神に通じています。
六つの実践とは、①布施(ふせ)…施しをすること。②持戒(じかい)…規律を守ること。③忍辱(にんにく)…よく正しい心をもつこと。④精進(しょうじん)…目的に向かってたゆまず努力すること。⑤禅定(ぜんじょう)…常に平静な心をもち続けること。⑥智慧(ちえ)…智慧を磨き、智慧を働かせること、です。
お彼岸という年2回の特別な期間には、是非この六波羅蜜の実践を思い出し、今までお世話になった方やここまで命を繋げてくださったご先祖様への感謝を込め、いつも以上に丁寧にご供養してみる、こんな時間にしたいものです。
出典:https://www.hasegawa.jp/blogs/butsudan/ohigan-meaning(2022/03/17)
鈴虫さん、ハチドリさん、いくこさん、そしてスマイルさん。共に学んだ仲間への気遣いを有り難うございました。文明の利器がこの様に生かされるのは、とても良いですね。
それぞれが、他者(準拠集団になりつつある仲間)の状況について想いを馳せ、気遣い、無事を願う。学びの場とは、そのようにも発展するのですね。こんな大変なときではありますが、何かみなさんの温かい思いやりのような感情に「ホッコリ」しています。
また、それぞれの東日本大震災の経験を今に生かそうとする姿勢にも心打たれます。何かが起きた時、「台風一過」として過ぎ去ることだけを願うのではなく、そこから新たな学びを積み重ねていく、こうした積み重ねが「風化」を防ぎ、次への備えを日常生活の中に落としこむことにつながるのだと思います。
私も、夜間の災害の際の非常照明設備が懐中電灯しかない現実を再確認しました。これでは、自分の身を守るので精一杯で、人様の助けにはならないなって思いました。なんか、考えなければと、今思っています。
皆さま、今回は有り難うございました。このような他者への気遣いは、きっと人に優しい地域づくりに生きると思います。そして、そうした振る舞が、いつか自分が年老いたとき、若者が支えてくれるそんな社会になることと思います。
先生、みなさん
温かいコメントをありがとうございます。
どんな立場の人でも、この様な大変な時には自分の身の周りのことで一杯になりがちですが、他の地域のみなさんから様々な情報を得られることで、少し視野を広げたり自分達の課題解決へのヒントをもらえると思います。
みなさんと其々の課題を共有させていただくことは、次への備えに活かせる貴重な疑似体験にもなります。
みなさんと繋がれて心強く感じました。
どうもありがとうございました!
鈴虫さんの人を思いやる気持ちに触れ、心に沁みました。またハチドリさんの大変さを想像し心臓がギュッと締め付けられました。それでも前向きにご報告してくださる姿に感銘を受けました。
11年前は数日間は右往左往するだけだったのですが、今回は翌日の朝に町内会長さんに連絡をとり、会館の片付けのお手伝いに駆けつけることができました。いつの間にか、そんなこともできる関係を築いていたのだと感じました。
備えで大事なことのひとつは「助け合える環境を作る」ということだと、あらためて思いました。家の見直しもしつつ、これからもそんな環境づくりをしていきたいと思っているところです。
やっと・・・という希望を見出しはじめた人もいたであろう時期にコロナがあり、また震災があり。こういう時こそ、本間先生があの震災後に奔走した中で得たいろいろなことを教えていただきたいという気持ちも湧いてきています。どうぞよろしくお願いいたします。
緊張の糸はなかなかほどけないかもしれませんが、こういう時こそ温かな飲み物でホッとする時間も作って、自分をいたわりながら過ごしましょう。
ハチドリさん
そちらはやはり大変な揺れだったようですね、そんな中、お仕事もありご苦労さまでした。
ちょうど本間先生が震災を風化させないようにとお話をされたばかりでしたが、自然界がその風化を阻止してくれたようです。
私達は東日本大地震で得た教訓から次への備えをしていたつもりでしたが、今回は季節や時間帯など様々なパターンでシュミレーションしておくことも必要なのだと教えられ、貴重な体験になったと思います。
ハチドリさんがおっしゃるように、我が家でも物の置き場所をもう一度み直す必要があるようです。
揺れがおさまり家族の安否確認を終えて、次に頭に浮かんだのは福島第1原発とハチドリさんを始め福島の様子はどうかということでした。
ご無事でなによりでした、お返事いただいて安心しました。
まだ、油断せずに過ごしましょうね。
鈴虫さん、ありがとうございました。今日、実家のお墓参りに行き、先日の地震の影響でたくさんのお墓が被害を受けているのを目の当たりにして、真っ先に思い浮かんだのは墓石がずれていたと書かれていた鈴虫さんのことでした。
お墓、東日本大震災の何倍もの被害でした。
鈴虫さんが書かれていたように、『今回は季節や時間帯など様々なパターンでシュミレーションしておくことも必要なのだと教えられ、貴重な体験になったと思います』、本当にその通りですよね。これまではどちらかと言うと寒い時期でしたが、真夏の高温の時も大変ですね。
いろいろ情報交換しながら、少しずつ備えをしていけたらと思います。
まずは私は断捨離~😅☝️
鈴虫さん、ハチドリさん、ご無事でなによりです。良かった。
我が家は大事ありませんでしたが、皆さんどうなさっているかと思っていました。
鈴虫さんがおっしゃるように11年前には無かった備えが、町内会でも自宅にもあり有難いことと思っていますが、時を経て備えが薄くなったところも感じた今回でした。
備えも進化させなければと思ったことでした。
自宅の片づけや仕事に追われる皆様、まだ寒い日が続いていますどうか身体を暖めてご自愛ください。
本間先生、私もお彼岸のお話とても興味深く読ませて頂きました、ありがとうございました。
いくこさん
「備えも進化させなければ」とおっしゃっています、本当にそうですね。実際に大きな震災を経験した私達が、より良く現実味のある備えを他所のみなさんに発信出来るようになれるといいですね。
社会的想像力を働かせて周りに心配りが出来るようでありたいです。
先ずは普段からの近所づきあいを大事に育んでおきましょう。
コメントありがとうございました。
おはようございます。
鈴虫さん、ありがとうございます。
震度は東日本大震災と同じ6弱で、しかも続けて2回も揺れ、アパートがどうなることかと思いました。
あの晩は珍しくもう布団に入ってテレビを見ていたのですが、緊急地震速報が鳴る前に揺れが来て、2度めの揺れの時にはガチャンガチャンと物が倒れ、落ち、壁の時計や絵も飛び?、これまで落ちなかったプリンターまでも床に落ちました。そして突然の停電!極めつけは、防災無線から流れた津波警報!東日本大震災の時は、私は宮城県内陸部に住んでいたので、初めての津波警報でした( ̄▽ ̄;)。
真っ暗で部屋の中の惨状が見えなかったのは幸いでしたが、震えて着替えがなかなかできない中、家族とラインで安否を確認し合い、懐中電灯の手元に常に置いてありますが、外から入る明かりでなんとか身支度を整え、出勤しました。
職場では続々と職員が出てきて、すぐに避難所が3ヶ所で開設されました。何度かの経験もあり、住民のお手伝いもあり、かなりスムーズに開設できたように感じます。住民の皆さんの移動も素早く、お隣声を掛け合って相乗りで避難所においでになっていました。ペット連れの方は車の中で過ごされておりました。(先日役場で行われた避難所の検討会ではペット連れの方専用の避難所も必要と話が出ていました)
一夜明け、早々にパン、ソーセージ、カロリーメイト、飲み物の朝食が届き、津波警報も解除され、避難していた皆さんは笑顔で帰られました。
物理的な被害は確かにありましたが、鈴虫さんが書かれていたように津波がないだけで、本当に精神的に余裕があったように思います。東京電力も大丈夫でした。
私も朝、別の職員と交代してアパートに戻りました。半分目を閉じて、恐る恐る部屋に入りましたが、テレビが付いていて音が聞こえ、ものすご~くホッとしました!
2晩かけて片付けは終わりましたが、また同じ位置に戻してしまいました。それではダメです。次に備え、家具や家財を低い位置にする等、置き方をもっと考えようと思いました。
本間先生、お彼岸のお話ありがとうございます。
私もお墓参りに行ってきます。そして、いつもより丁寧にお参りしたいと思います。
今朝はお彼岸のお墓参りをしてきました。
先日の地震の影響で墓石がズレていました。11年前の東日本大地震の時にも同じように墓石がズレて修理していましたが、またもやです。
この辺りでは、今回は日頃の備えと津波が無かったことで東日本大地震とは比較にならないほどの精神的余裕がありました。
みなさんは被害はありませんでしたか?
福島のハチドリさんは大丈夫でしたか?
鈴虫さん、宮城の実家のお墓参りに行ってきたのですが、多くのお墓の石が倒れ、通路が塞がれていたり、割れてしまったものもたくさん見受けられとてもショックでした。実家のお墓もずれたり、やはり無惨にも壊れていたのもありました(悲)。
でも、手を合わせていたら、職人だった父親が「壊れたなら直せばいい」と言ってくれてるような気がしました。
そして、ご近所の方も両親にお線香をあげに来ていただいたり、誰だっけかな~と記憶が曖昧な方に「今、どごさいんの~?」と声をかけてもらったり、同級生にも会い「お前んちも壊れだのが?うぢもだ~。しゃねな~、直すべ!」と言われたりしているうちに、悲しい気持ちがどっかに行ってしまいました。
ハチドリさん
やはりご実家のお墓も被害があったのですね。ニュースでも墓石が沢山倒れている光景を見たりして衝撃を受けています。
ハチドリさんのお父さんがおっしゃりそうだという「壊れたならなおせばいい」は、うちの義母も同じように言いそうだと思ってクスッとしました。形のある物はいつか壊れることもあります、急がなくてもいい、なおせる時期が来たらなおしましょう。
そして、私も実家のお墓参りでいちど通り過ぎた軽トラがぎゅーんとバックしてきて驚いていたら、降りてきたのは懐かしの同級生でした。
「なんで此処にいんの?マスクしててもわかったぞー」
「うちの実家のお墓がここなんだよ。そっちもここだったんだね、久しぶりぃ」と墓地が一気に社交場になりました(笑)。実家のお墓参りは癒しがありますよね。
待てよ、お墓で癒しを感じるなんて結構な大人に(?)なった証かもしれません🤣
お彼岸にしっかりと供養が出来て、いい休日でした。
明日からまたお仕事に励みましょ!