SDGs 目標15「陸の豊かさも守ろう」
海洋資源も大切ですが、もちろん陸の豊かさも私たちが生きていく上では重要です。陸上生態系は森林や草原、砂漠など様々な地形からなり、地球の約30%を覆っています。これらは私たちの職、食糧、燃料、医療品などの供給源となっており、私たちの生活には欠かせないものです。言い換えれば貧困撲滅や格差削減などすべての課題は、この陸上生態系が生み出す財とサービスが直結しているとも言えます。
これらを守るため「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および回復、ならびに生物多様性損失の阻止」を目標に掲げ、12項目のターゲットを用意して、取り組みを行っています。(出典:国際開発センター「海の豊かさを守ろう」,2018)
15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。
15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。
15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。
15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。
15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。
15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。
15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。
15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。
15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。
15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。
15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。
SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」が必要とされる理由は、目標を紐解いていけば見えてきます。まず、「森林をきちんと管理して、砂漠化を防ぐ」という目標は、世界の陸地の面積のおよそ3割を占める森林が、毎年約1,300万ヘクタールずつ失われているという現状があったため掲げられたといえます。今のところ、世界の森林減少率は以下の通り少なくなってきています。1990年から2000年:0.18%。2010年から2015年:0.08%。しかし油断は出来ません。減少率が下がったとは言え、1990年には約41億ヘクタールあった森林は、2015年は約40億ヘクタール弱になっていて、今も森林は失われ続けているのです。森林が失われる原因は、自然環境や生態系に配慮しない森林伐採や人口増加による森林の都市化、砂漠化や干ばつといった気候変動の影響などです。
森林を管理しなければ、世界中から豊かな森が姿を消すことになります。続いての、「陸の生態系を守りつつ再生し、持続させる」「土地環境が悪くなるのを食い止め、再生し生物多様性を守る」という目標は絶滅の危機に直面している野生生物が多いことが関係しています。地球上では、確認されているだけでも175万種類の生き物がいます。その数ある生き物のうち、およそ2万6000種類の野生動物が絶滅の危機に直面しているのです。出典:WWFジャパン|絶滅の危機に瀕している世界の野生動物のリスト「レッドリスト」について
私たちも含め、地球上に生きるすべての動植物は、海・山・川・森などの自然の中で関わり合いながら暮らしています。これを「生物多様性」といいます。つまり、野生動物が次々と絶滅していけば、生物多様性は崩れていき、今の生活を持続できなくなる可能性が高いということです。一度絶滅してしまった生き物は、再び姿を現すことはありません。生き物が絶滅する前に食い止め、守り続けていかなければ、陸の豊かさも私たちの未来も失われてしまいます。「SDGs 15.陸の豊かさも守ろう」が必要とされるのは、持続可能な世界を可能にするために無視できない問題があるためです。
「SDGs 15.陸の豊かさも守ろう」を実現に導く取り組みの中に、FSC認証制度というものがあります。これは、「Forest Stewardship Council(森林管理協議会)」という国際機関が行う森林認証制度です。FSC認証は、森林の環境や地域社会に配慮し、経済的にも持続可能な生産方法で作り出された木材に与えられるものです。FSC認証マークが付いた製品を買うと、私たちもSDGsの目標15に貢献できる仕組みになっています。木のおもちゃやインテリアといった木製品はもちろん、ジュースの紙パックや洋服のタグなどもよく見ればFSC認証マークがついています。FSC認証の製品は、今後も種類や販売が拡大していくことが推測されます。
宮城県南三陸町は、仙台藩の藩祖、伊達政宗公の時代よりスギの良産地と知られています。この地域は、時にヒノキと間違われることもある独特な赤味を帯びたスギの産出地としても知られ、全国にコアなファンを持つ林業地でもあります。近年は『南三陸杉』のブランド化に取り組み、2011年には全国林業経営者コンクールで優勝。農林水産大臣賞を受賞するも、10日後に発生した東日本大震災により住宅の7割が津波で浸水する壊滅的な被害を受け、一時活動の中断を余儀なくされました。その後、「自然と共生するまちづくり」を基本理念の一つに掲げて震災復興に取り組む中、町有林を含む複数の森林でFSC-FM認証を取得。FSCが復興に一役買っているといいいます。
2015(平成27)年10月、南三陸森林管理協議会は、国際的なFSC認証制度での森林管理認証を取得し、持続可能な林業を続けていくための大きな一歩を踏み出しました。また、2017年9月高台に新設した南三陸町役場本庁舎は日本で初めてFSC®全体プロジェクト認証を取得した公共施設でもあります。
我が家も、南三陸町産杉を使っておりますので、微力ながらSDGsの目標15に貢献していることになるようです。また、漆器や折敷を使うことも目標15に関わってくる大切な生活の営みですね。浄法寺に行きたいです。
下の階の農林水産課の職員さんが、本当に申し訳なさそうに「もしかしてその花・・」と教えてくださったのです。おもむろにレンズ機能で調べてみたらまさに特定外来種。いつの間にか道路の花も刈り取られていました。とてもきれいな花だったので、どこかまだ残念な気持ちも残っているのが本音です・・(^_^;)
昨年、道路脇に無造作に咲いていたきれいな黄色い花を数本抜いてアパートの花壇に植えたところ、今年の初夏には見応えのある花をたわわに咲かせてくれて大満足していました。道路脇の同じ花もさらに増えて群生しており、とてもきれいだなと感動していました。
しかし、そのきれいな黄色い花は「オオキンケイギク」と言う特定外来生物で、見つけたらすぐに駆除しなければならないことがわかり、ましてや自宅の花壇に植えたりしては絶対だめで、違反すると罰金が科されると言うことも知りました。ガーン(#゚Д゚)y-~~
泣く泣く花壇のその花は抜いて、指定のごみ袋に入れてシナッとなるのを待ちました。が、何日経っても黄色い花はビッと袋の中で咲き続けていたんです。恐るべき生命力!確かにこんな花がはびこったら周りの植物は絶えてしまうかもしれないと思いました。
15.8 の 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。
私はこれをやったことになるのでしょうかね?
嬉しいような、悲しいような、ちょっぴり複雑な心境です。
「道路脇に咲いていたきれいな黄色い花を数本抜いてアパートの花壇に植えた」なんて可愛い振る舞いなのだろうって思いながら読み進めると、しっかり落ちが付いていました。
何と、植え付けが禁止されている「特定外来種」だった!
そのような経験をSDGsで思い出して頂き有り難うございました。悪気のない行為が、生態系を犯すことになったりするのですね。私も気をつけたいと思います。それにしても、良く特定外来種と分かりましたね。もしかすると、Googleのレンズ機能を活用したのでしょうか?
いつも、コメント有り難うございます。