SDGs 目標1「貧困をなくそう」
今日から、各目標について、どの様なことが示されているのかを一つひとつ見て言います。
貧困をなくすというのは、SDGsにおいて最も根源的かつ主要な目標の一つです。
2030年には、あらゆる形態の貧困を終わらせるべく行動しなければいけません。しかし、この貧困の定義は、単に持続可能な基本的な水準の生活を確保する経済的な収入や資産がないことを指すわけではありません。
教育やその他の基本的なサービスへのアクセスの不足や、社会的な差別、排除、意思決定からの除外など、多様な形態における「貧困」が対象となっており、これを終わらせることを目標としています。
そのために7項目のターゲットを設定し、貧困世帯に十分な社会保障を与える、基本的なサービスへのアクセス権や所有権などの権利を確保する、紛争や災害時に的確な支援を行う、といった取り組みをする必要があります。(出典:国際開発センター「貧困をなくそう」,2018)
目標1「貧困をなくそう」にはターゲットが定められています。ターゲットとは目標の内容をより細かく説明したものです。具体的なターゲット内容を把握することで、より持続可能な開発目標、SDGsが目指す未来が理解できるようになるでしょう。
1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル(205円)未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新規術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、様々な供給源からの多大な資源の動員を確保する。
1.b 各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。
このターゲットでは、「貧困」の具体的な定義を数値化して示しています。1日1.25$未満で生活する人々を2030年になくすのが大きな目標の1つです。その他にも、気候変動によるダメージを避けられない人やジェンダーに配慮がなく辛い思いをする人を救います。経済的な要因だけに限らず貧しい暮らしをしている人を助けるべく国際レベルで政策的な仕組みを作らなければなりません。
貧困は、ライフラインが整っている日本では身近に感じられない人が多いのではないでしょうか。しかし、ユニセフの調査によると日本でも7人に1人の子どもが貧困状態にあるという事実が明らかになっています。この「7人に1人」という割合は、先進国31ヵ国中で高い方から数えると10番目。豊かな国だと思われる日本でも、貧困の中で暮らしている子どもは少なくないという事実は、余り知られていない決して見過ごせる問題ではありません。
SDGsが定義付けている貧困とは、世界銀行で決定された国際貧困ラインを基準にしています。国際貧困ラインでは「1日1.9ドル(205円)未満で生活している人=貧困」となっています。SDGsが定められた当初の国際貧困ラインは1.25ドルでしたが、2015年10月に現在の1.9ドルまで引き上げられました。SDGsのターゲットが1.25ドルとなっているのはそのためです。
わたしたちがすぐにできる取り組みとしては、「寄附」があげられます。「赤い羽根募金」をはじめ、さまざまな募金が存在しています。国内はもちろん、海外にも支援することができるのが寄附の大きな特徴と言えるでしょう。現在では日本国際ボランティアセンターが、貧困に苦しむパレスチナのためにクラウドファンディングを立ち上げています。
また、ボランティア活動に参加するというのもあります。ボランティア活動は、災害の時のドロかき瓦礫撤去だけではありません。身近な所で行う些細な「お互い様」もこの範疇に入ると私は思っています。社会的想像力を研ぎ澄まして周りを見ると、私たちの出来ることは沢山あります。力まず、普段丘代わり合いの延長で取り組めたら最高ですね。
若い頃からフェアトレードの取り組みに共感し、チョコレートやコーヒー、洋服や手芸作品などフェアトレード商品を意識して購入してきました。
個人消費では微々たる応援ですが、継続することに意義が有ると考えています。
開発途上国の子供達が、労働ではなくあたりまえに学校に通えるようになることを願っています。
栗ごはんさん、コメント有り難うございます。
「笑顔で挨拶」は、贈与交換です。こうした細やかな振る舞いは、地域社会の安全安心につながるコミュニティづくりの始めの一歩になると思います。
そして、そのような関わりは地域社会の大切な財産だと思います。貧困は、何も経済的なことだけではありません。他者との関わりの脆弱さということも社会的貧困だと思います。
笑顔が溢れる社会は、安全・安心のある豊かな社会だと思います。
なるほど・・
経済的なことばかりではなく、教育やその他の基本的なサービスへのアクセスの不足や、社会的な差別、排除、意思決定からの除外など、多様な形態における「貧困」が対象となっているのですね。
具体的目標をみて、今の自分には何が出来るのだろうと考えてしまいましたが、僅かながらですが寄付はできます。ここ10年くらいずっと毎月続けてきたユニセフへの寄付はこれからも継続したいと思いましたが、赤い羽根の共同募金については、今度その時期が来たらきっとSDGsのことが頭をよぎり、金額も変わるかもしれません。
社会的な多様な貧困に関しても、ちょっと考えてみても思うところがいろいろあります。意識してみることだけでも大切ですね。
こちらが些細なことでも、その人にとっては実はとても重要なことだったりすることがあります。相手の立場に立って考えてみるって出来そうでなかなかできないけど、それでも「想う人がいる 想ってくれる人がいる」と感じるだけでも人は生きていく力になりそうです。
まずは笑顔での挨拶をしっかりしていこう!