嬉しいご連絡(「専門誌に掲載されました~!」)

認知症ケアの専門誌『認知症ケア事例ジャーナル』2021Vol.14(2021.06.20発行)に小論文が掲載されたと、嬉しい連絡を頂きました。タイトルは「過去の趣味活動を生かした認知症の行動・心理症状(BPSD)を軽減させたカレンダーの制作」というものでした。 

この小論文の掲載には、専門家による査読が行われています。この為、自由投稿とはいいえかなりしっかりした内容を求められています。それをクリアーした5,000字の小論文なので、それはそれは素晴らしいことだと思っています。査読者の講評も併せて掲載されていました。そこには、『BPSDは認知症高齢者からの大切なメッセージ』と記されていました。冒頭の文章を引用すると「今回のレポートは、進行した認知症高齢者の帰宅願望をどのように理解し、向き合い、対応するのかをていねいに分析し、症状を軽減させながら本人の居場所づくりに成功した示唆に富む報告であった」と、ありました。なかなか書いては頂けない高い評価を頂いていると思います。 

加えて「いいな!」って思ったのは、この専門誌掲載を職場の皆さんが自分事のように喜び、この研究成果を日常のケアに生かそうとしていることです。多くの場合、やっかみ半分で話題にすることを意図的に避けたり無視したりすることが多いのですが、この施設ではみなさん喜びのメッセージを寄せたりしているようです。多分、ご本人は、専門誌に掲載された喜びよりも、同僚に一緒に喜んでもらえたことが一番嬉しいのではないかと思います。 

また、事例で取り上げた方のご家族に掲載をご報告し、ご家族からは日頃のケアに対する心配りへの感謝やケアの質の高さに対する感謝を「本当に皆さんに出会えた事が、家族と父にとっての、重要な分岐点になりました」という言葉で現しています。家族からこの様な言葉を頂けるのは本当に嬉しいと思います。 

この方は、南三陸町被災者支援センターの生活支援員をしていた方でした。退職後、地元の介護施設で介護助手をしながら、理論と経験を積み重ね介護福祉士国家試験に合格しています。更には、認知症専門士(日本認知症ケア学会認定)の資格も取り、今では中堅職員として日々のケアを専門的な視点を持ちながら本人及びご家族に寄り添ったていねいなケアを行っています。日々精進を重ねている努力家です。 

南三陸町の生活支援員は、この方だけではなく多くの方が生活支援員の経験を地域福祉の推進に生かしています。自治会役員、民生児童委員、DV相談員、障害者・高齢者介護施設ケアワーカー、生活支援コーディネータ(地域支えあい推進員)、福祉活動専門員(社協職員)等々として、地域福祉の推進の最前線で活躍しています。また、このような地域福祉を生業とする仕事に就いていなくとも、「ホットバンクメンバー」として205人(R3.07)が災害公営住宅の見守りや各地域福祉関連事業のお手伝い等のボランティア活動を行っています。 

これらを進めているのが南三陸町社会福祉協議会です。地域福祉を推進する役割をこれほど明確にかつ着実に進めている社協はなかなかありません。東日本大震災での被災経験を住民と共に生かし新たな地域福祉・まちづくりを推進している数少ない団体だと思います。頑張っているね南三陸町社協。応援しています。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です