あやめ園(栗原市一迫)に行ってきました
博論を書いているとき、一迫及び鶯沢にある特別養護老人ホームに通い、参与観察をしていました。その時に、特養で生活している皆さんと何度か来たことがあるので、あやめ園はよく知った場所でした。
あやめ園は、一迫山王史跡公園の一角にあります。広さは13,000㎡あり、アヤメやカキツバタ、ハナショウブなど約300品種22万株が植栽されています。例年、この時期には、あやめ祭りが開催され、期間中はみちのく鹿踊大会、あやめ祭り神楽大会も開かれます。しかし、コロナ禍にあって、今年は開催が見送られ、あやめ園が無料で公開されていました。
私は、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブの区別がつかず、みな同じにしか見えません。何となく、この時期に咲く花として、紫陽花と並べて観たくなります。宮城県内では多賀城市の史跡公園も有名ですが、私は、前述の特養と関わりで一迫のあやめ園に足を運んでしまいます。
あやめ園を回遊して鑑賞した後、久しぶりに鶯沢まで足を運び、研究でお世話になった特養を遠目に見て帰ってきました。この特養に通っていたのは、15年ほど前なので、いまでは誰も知った人はいないような気がして、挨拶もしないで帰ってきてしまいました。この特養では、相馬さん、佐藤さんというとても優れた職員がいて、様々な取り組みをしていました。
彼らは、特養の生活者を、介護の対象者としてではなく、一人の地域生活者として受け止め、小学校との関わりや地域の神社仏閣や栗電という馴染みの社会資源をケアに生かしていました。博論のテーマ「関係性の再構築としてのケア改革」は、ここでのフィールドワーク・参与観察をとおして辿り着きました。
年末年始をこの特養に泊まり込み、職員と入居者の関わりを観察したり、地元の中学生をボランティアにお願いして、廃止直前の栗電に乗せてあげたり、思い出の尽きない場所です。きっと、今でも地域との関わりを大切にしたケアが行われていることを信じつつ帰ってきました。