八日目(4月26日)愛媛県新居浜市から香川県丸亀市まで
八日目は、六十六番札所雲辺寺から七十七番札所道隆寺までの12ヶ寺を巡拝しました。宿泊は、ここも立派なホテル、オークラホテル丸亀です。
八日目の始めは六十六番札所雲辺寺(うんぺんじ)です。讃岐香川「涅槃の道場」最初の札所です。雲辺寺は、四国霊場で最も高い所にある札所で、全長2,600mのロープウェイで登りま。ここには、五百羅漢や腰をかけると努力が報われ願いが叶うという「おたのみなす」があります。色々と見せ場を設けている感じのする札所です。
今日の見所は何といっての七十五番札所善通寺でしょう。善通寺は、弘法大師が生まれた地です。お遍路のする人々にとっては感慨深い場所になります。高野山の金剛峯寺、京都の東寺とならぶ弘法大師ゆかりの三大霊場の一つで、真言宗善通寺派の総本山です。
山門をくぐると広がる境内は、4万5千㎡と広大な敷地が圧巻です。これまでの札所とは全く異なる規模でした。創建は807(大同2)年、唐から帰った弘法大師が生まれ故郷に真言密教の根本道場を建立したのが始まりです。この地には、インドの八大仏跡の土砂を撒き、唐の青龍寺伽藍の雰囲気を再現しようとしたといわれています。
御影堂の地下に100m程の通路があり、闇の中を壁伝いに歩く「戒壇巡り」があるのですが、今はコロナ禍にあって閉鎖されていました。東院の高さ43mの五重塔も迫力がありました。
善通寺から近い場所に金刀比羅宮があります。今回は四国八十八ヶ寺巡拝なので立ち寄りませんでしたが、以前、四国に来たとき、中程にまで階段を登ったことがあります。その時の楽しかった思い出がふとよみがえってきました。
悟りに至る涅槃の巡拝に入ってきた香川県。涅槃とは、煩悩から解脱した高い精神境地を示します。しかし、私の場合は、涅槃というと、横浜で食べた舌の痺れるカレーライスを思い出してしまいます。楽しかったことを思い出しながら「修行が足りん!」と一人笑ってしまいました。
のどかな平野の多い香川県は、札所も街中の平地にあることが殆どです。ロープウェイで登った六十六番札所雲辺寺から下界を見たら、讃岐平野のいたるとことにため池がありました。讃岐平野、ため池、うどんが繋がった感じがしました。
悟りにいたる涅槃の道場である香川県に入りました。残りの巡拝の間に、悟りまでは行かなくとも、ここ四国八十八ヶ所巡拝の意味を感じられたら嬉しいです。