かじってみよう“社会学”7講目社会学理論「社会化」

こんな感じのこと(社会学理論)ばかりで飽きているのではないかと心配しつつも、社会や他者との関わりを観るときには、必要になることではないかと思い、今回も退屈なお話しをさせて頂きます。

今日は、ヒトは如何にして人間になるか!即ち「社会化」を取り上げます。社会学の全ての概念(簡単にいえば「理解している物事に共通している特徴」)の中で、最も重要な社会学的なものの考え方が凝縮されて詰まっている概念が「社会化」です。

社会化(socialization)とは、「ひとが自分の所属する社会や集団、またはこれから所属しようとしている社会や集団に共有されている流儀作法を学習し、自分のものにしてゆくプロセス」をいいます。また、「社会の基準や価値を採用したり、社会的相互作用に必要な技能を獲得したり、受け入れ可能な役割を採用することを学習することによって、子どもが社会に統合されていく過程をさす」(人間理解のための心理学事典)。私はこれがわかりやすく感じています。「個人が他者との相互作用のなかで、彼が生活する社会、あるいは将来生活しようとする社会に、適切に参加することが可能になるような価値、知識、技能、行動などを習得する過程」(新社会学事典)。この様に説明されています。

   動物に育てられた子どもたち

ここで、いわれている「学習」の対象は、社会規範(社会や集団のなかで、成員たちに期待されている意見、態度、行動の型のこと。簡単にいえば、社会にある従わなければならない無数のルール)をはじめ、価値観、このごとの考え方や感じ方、行動パターン等々、多方面におよびます。社会化(学習過程)は、大きく二つに分けられます。第一次的社会化と第二次社会化です。

第一次社会化は、生まれて成長するなかにあっての学習過程です。社会規範、生活習慣、言語など、その社会全体に共通な、そして最も基本的なことがらを学習することをいいます。社会化の対象は子ども、社会化の担い手は、まずは家庭、そして近隣社会。保育園や幼稚園、学校と成長に合わせてしだいに広がっていきます。第一次社会化を通じて、一個の動物として生まれた「ヒト」は、この過程を通して「人間」になり、男や女(最近はこうした区別の言い方も避ける傾向がありますが)になっていきます。いわゆる「しつけ」は、第一次社会化の最も重要な局面です。

第二次社会化は、ある集団に固有の、だが集団には共通な規範、価値観、行動パターンを学習する過程です。貴族社会、会社、暴力団、宗教団体、政党、軍隊等々、それぞれに固有の作法や気風があります。新参者は、そうした作法や気風をしっかり身につけることで、はじめて一人前のメンバーとして認められるのです。

社会化には、強制的社会化と自発的社会化の二つにパターンがあります。強制的社会化というのは、他のいわば先達のメンバーが新しいメンバーに対して、怒ったり褒めたり、おだてたりして、いわば正負の制裁を与えて社会化を強制する場合です。いわゆる「しつけ」は、家庭における第一次社会化のうちの強制的社会化に属する部分です。食事のしつけ、トイレのしつけ、歯磨き、入浴、お着替えのしつけ、あいさつのしつけなどは、この典型といえます。第二次社会化における強制的社会化は、宗教団体のイニシエーション(本来は人類学用語。ある集団や社会で行われる、正式な成員として承認されるための手続きや儀式。通過儀礼)。やくざのテキ屋修行(祭りや夜店の屋台での仕事)。軍隊での新兵のしごき等があります。

一方、自発的社会化は、無意識の模倣、つまり見よう見まねでみずから好んで積極的に行われる社会化をいいます。言葉の習得は、自発的な第一次社会化の最も代表的なものです。子どもは、家族との言葉のやり取りによって、また友達との遊びのなかで知らず知らずのうちに社会化されていきます。また、パンクロック青年の茶髪やピアス、暴走族の公道蛇行などに、自発的な第二次社会化へ向かう様子を見ることができます。

この様に社会化は、人間を社会や集団の一員として形成し、社会や集団のために新しいメンバーを補給し、社会や集団に秩序をもたらす決定的に重要なプロセスなのです。

皆さんから頂いた言葉、阿部さんの「大人が起こす事件が、年々子どもっぽくなっている」という指摘、山ぼうしさんの「小さなことでもいいので気になったり、気づいたりしたことがあったら隣の子供にも声をかけてあげる、いいところを見つけて褒めてあげる」という実践。これらを社会化という概念をとおして読み返すと、その事象の根底にあるものや対応策の有り方を考える大きなヒントをもらえるのではないかと思います。そして、いくこさんのいう「具体的な行為を見せ続ける」という行為の持つ意味を再確認できるのではないかと思います。また、菊池さんの行っている活動は、社会化という視点で振り返ってみると、その活動に新たな価値や役割を見いだすことができるのではないでしょうか。スマイルさんは「自分自身と自分の人生に責任を持つこと」があらゆる行為の出発点だといいます。この言葉は、「社会化」という視点で反芻してみると、その言葉の持つ重みをことさらに感じます。たまには、目の前の活動や事象をこうした言葉で見る(切る)ことも、自分たちの活動を再確認することに役立つのではないかと思います。

今週もお読み頂き有り難うございました。理解度60%を目指して頑張ります。次回もお立ち寄り下さいますよう宜しくお願い致します。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

かじってみよう“社会学”7講目社会学理論「社会化」” に対して10件のコメントがあります。

  1. 阿部 優 より:

    2周目の7講目

    社会化→社会学の中で最も重要な概念。ヒトはいかにして人間になるか。
    社会化(socialization)とは、自分が所属する集団に共有の作法を学習・会得していくプロセス。基準や価値を覚え、お付き合いに必要な技術を獲得したり、役割を見つけることを学ぶことで社会の一員になっていく過程。

    第一次社会化
    生まれてから学校に行くくらいまでの子どもが対象の、最も基本的な学習過程。
    規範・習慣・言語など。この過程を通じてヒトから人間になる(男女になる)。

    第二次社会化
    ある集団固有の共通規範・価値観を学習する過程。会社・宗教・軍隊など。

    社会化のパターン
    ① 強制的社会化・・・正負の制裁を加えて社会化を強制する。しつけ・しごき・儀式など。
    ② 自発的社会化・・・見よう見まねで好んで社会化していく。恰好や行動など

    目の前の活動や事象を『社会化』という視点で見直してみると、新たな価値・役割を見つけることができる。自分の活動を再度見直してみると、僕と一緒に家を建てたご家族は第二次社会化(自発的)に該当します。僕の作る家に共感してもらい、生活のルールまで学習してもらっています。同時に僕もご家族の一員とまではいきませんが、親戚のようなつながりを持たせていただいています。そのご家族から行動・習慣などを自発的に学習しています。よいものは別のご家族に提供したりもします。また、ご家族同士を引き合わせたりすることもあります。

    ここまで書いて気が付きました。僕はこの【つなぎ】【HUB】の役割を自ら引き受けています。これからも皆さんのハブとして役割を果たします。

  2. welfare0622 より:

    かじってみよう”社会学”を読んでくださっている皆様、おはようございます。先週末、楽しい時間を過ごしていたので、今朝はゆっくりの起床でした。皆さんからのコメントを改めて読み返し、外は吹雪いて寒い朝ですが、私の中では、ほっこりと暖かな気持ちでいます。家族を想い、他者に目を掛け、地域の行く末を案じる姿が、頼もしく慈しみを感じます。今週も有り難うございました。

    鈴虫さん。 第一次社会化は周りの大人達から与えられ、第二次社会化はそれを基にして自分の選択を下に歩む自分ならではの道。私たち大人は、本気でより良く生きなければならない。更には、今ある自分を育ててくれた両親への感謝と全ての子ども達へのエールを持って見守ってあげたい。そのような気持ちに溢れていると。こうした考えを下にした振る舞いの姿勢は、社会教育委員としての活動にも存分に生かしてください。一人の力は決して小さくありません。いや、例え小さくとも、其の姿勢を持ち続けている限り、その姿勢から学ぶ人が出てくる人がいます。それを信じ、自分を信じ、こうした気持ちを持ち続け、小さな実践を積み重ね続けてください。

    スマイルさん。「社会化は幼い子ども達によって私たち大人も育てられている」そして「”これは良かった”と思えることを、これから子育てする人たちに伝えていく」。こうした気づきを、これから子育てしていく人達に伝えていく。「誰でもが手探り」「先人の経験や知識を土台にして、より良い子育てに生かしていってもらえたら嬉しいし、そうであってもらいたい」。私たちの悩みながら子育てと向き合う中で培った経験や知識(わたしは”知恵”呼んでいます)が現在子育て中の親につながり、良い影響をもたらすという循環。この循環というまとめの言葉はとても大切な概念整理だと思います。この「循環」にさまざまな活動を結びつけて考える。私は素晴らしい考えたと思います。

    この指摘は、「一次社会化と二次社会化の連係プレーによる子育て環境づくり」という提案として受け止めました。とても素晴らしい提案です。今行っている地域活動をこうした視点で再度見返すと、更なる可能性を見いだすことができるのではないでしょうか。

    先輩の親たちの「切なさ」「哀しみ」は、昇華することができる。この考え方は、子育て期を過ぎた人達に大きな勇気と他者への慈しみの場づくりへの一歩を踏み出す力を与えてくれます。もう役割は無いと思っている人たちに新たな役割づくりを付与する、理論的背景になります。とても大切な考え方です。

              (まだ下書きの一枚目だ!先が長い、頑張ろう・・・。)

    阿部さん。「全然退屈しない」。有り難うございます、励みになります。第一次社会化は、子どもの成長の『土台』をつくる重要な場。社会から様々な影響を受ける子ども達に、その土台がないと上手くいかない、土台が大切なのだ!。彼らのスポンジのような吸収力を支える土台の大切さは、言い過ぎると言うことはないくらい大切という指摘、同感です。

    「ライフコンサルタント」いいですね~!重要なところにてあてをする役割。住まいという場を介して人生という生き方に関わる、必然とも思える流れに自覚を持っている。これまでの仕事や社会貢献から生み出した、唯一無二の知見だと思います。阿部さんにしかできないことだと思います。

    いくこさん。「ノートを取りながら読んでいる」なんと嬉しい返事でしょうか、有り難うございます。頭の中だけで処理するのではなく、改めて文字に起こして頭の中を整理する。前向きで積極的な取り組みに感激です。昔の通信簿なら、生活欄の「積極的取り組み」に◎が付くことでしょう。

    「まっすぐに育った子どもが誇り」親としてこれほどの喜びはありません。過日、認知症学びの講座で市役所に伺った際、お子様にご挨拶を頂きました。頼もしい公務員に育っていました。様々な仕事を通して、只今二次社会化過程の中で真摯に向き合っている様子をうかがい知ることができました。謙虚な姿勢は学びの基本です。それをしっかり身に付けています。

    また、後に続く人の幸せを「社会化」という視点にあわせて考える。このことは、大人としての振る舞いの見習いたい姿勢だと思います。この様な姿勢で、背中を見せ続けてください。きっとお住まいになっている地域は、子ども達の笑顔に溢れる街になることうけあいです。

    ハチドリさん。布団から出て言うことは「早くはやく」これはショックだ!こちらが無意識でも、子ども達はそのまま受け止めている。第一次社会化は、大人の一挙手一投足で行っていることを自覚することが必要です。こうした振る返りを、しっかり子育て中の親に伝えることも大切な役割です。今回のレポートは、こうした意味でも大切な役割を持っていると思います。

    第二次社会化では、ここでご紹介頂いたようなことは、多くの人が同じ様な経験を持っていると思います。しかし、それを生かして自分の糧にしているかどうかは、人それぞれです。私が思うには、ハチドリさんの中に、阿部さんの言う「土台」があったからこそ、学びとして受け止められたのだと思います。世の中は、学びの機会に溢れており、過疎はありません。あるのは、私たちの姿勢の中だけです。大切なことは「意識」は「知識」に先行すると言うことです。意識すると知識は後から必然的に付いてきます。その時、このかじってみよう”社会学”が何らかのお役に立てたらとても嬉しいです。

    やまぼうしさん。バーチャルな世界に子育てを任せるな!とても重要な警鐘です。今、デジタル・バーチャルの世界が急速に進み、国も積極的に後押しをしています。小学校1年生から、パソコンを手にしている時代です。数字で空想の生き物が動くことを体験しているのです。

    私は、「DigitalとAnalogの融合」をこれからの社会のテーマと考えています。デジタルの時空を超えた世界観と体温を感じるアナログの社会観を持ち、それぞれの良いところを生かす社会です。そして、その為に大切なことは、人間にしかできない「社会的想像力」を下にして、「DigitalとAnalogの融合」と関わることです。これを忘れてはいけません。

    伝統芸能・芸術の世界では、徹底的に模倣する(まねる)ことから修行が始まると言います。徹底的な模倣の先に初めてその人らしい個性が生まれると言います。私たちは、「あの人のあの行為が素敵だな~・・・」。これはできる。こうした自発的社会化は、なんか微笑ましくやってみたくなります。こうしたやまぼうしさんの提案の広がりは、その地域の雰囲気づくりにも役立つように感じました。私は、同じモノを持つ、こんな子供じみたことから始めてみようと思います。

    今回も皆様、有り難うございました。土曜日に書くのを今日に延ばしてしまいました、申し訳ないです。今回も、多くの学びを頂きました。きっと、呼んでいる皆さんも、共感しつつ自分を振る返ったことと思います。第一次社会化の子育てに関する事や其の経験の生かし方は、皆さんに共通する関心のように感じました。是非、今回の学びをそれぞれお住まいの地域社会に生かしてもらえたら、これに勝る喜びはありません。

  3. 山ぼうし より:

    本間先生、お疲れ様です。
    全然飽きてなんかいませんし、普段聞きなれない言葉、単語に馴れてきた感じがします。先生こそ、息切れ起こしていませんか?
    まだ一回読んだだけではどんなことを話されようとしているのかすぐにはわからなくとも、何度も読んで、想像してみたり、実際に起きていることと重ねて考えてみたり、普段考えてもみないことをちょっと立ち止まって考えてる時間が楽しいです。

    第一次社会化のお話では、ぜひ、バーチャルな世界に子育てを任せないでほしいなとと思いました。人と人との関わり合い、言葉がけを大切にしてほしいです。一歳半健診の問診でテレビの視聴時間を聞かれたりしたこともありました。

    第二次社会化のお話では「無意識の模倣、つまり見よう見まねでみずから好んで積極的に行われる自発的社会化」のところで、無意識にいいことを行っているようになれればいいけど、まずは「あの人のあの行為が素敵だな」と思ったら意識してまねてみたいなと思います。

    今週も遅れてのミニッツペーパー、申し訳ありません。

  4. ハチドリ より:

    第一次社会化の内容を読んでいて甦ってきたことがあります。
    長男がまだ二歳前後の頃のことです。朝、バババと家事をやり、長男を起こしてご飯を食べさせ、車を30分走らせて実家の親に預け、そこからさらに10分くらいのところにある職場に出勤していました。
    ある日、言葉を話し出した息子に「あいさつ」の絵本を読んであげていた時、寝るときは「おやすみなさい」、昼間誰かに会った時は「こんにちは」と答えたのですが、「ほら、このボク、朝になってお布団から起きたね。この時はなんて言うのかな?」と聞いた時、息子の答えは「早く、早く」だったんです(^_^;)
    なんか、頭を殴られたような自己嫌悪に陥り、長男を抱きしめて「ごめんね」と謝ったように記憶しています。
    次の日から私は早起きをして、余裕をもって「おはよう」と長男を起こすようになりました。早起きをすると他にもいろいろ良いことが起きていったように思います。大切なことを教えてくれた長男も今では4歳の子の父親になり、ものすごく子供を可愛がってくれています。

    第二次社会化で思うことは、価値観や物事の感じかたで、やはり自分への影響で大きいのは就職してから出会った人や組織です。そんな中でもターニングポイントだったのは「政策課題研究研修」と言う県内の各地、各所属から集まった方たちとテーマを決めて一年近くディスカッションをして考えをまとめる研修のなかで、目から鱗が落ちるようなお話をしてくださる方もいて、それまでの自分の考えの狭さや偏りにも気づかされた思いでした。そのときの出会いで得た「住まいの大切さ」や「依存的介護→(当時、まだ介護保険なんてない時でしたが、介護が必要な時は誰かに依存することが必要)」等、今にすれば当たり前のことですが、25年前くらいにこんな考えや価値観を教えてもらい、今もとても役に立っています。この事は、6講目の準拠集団の、自分への影響の話にも関連していくのかなとも思いました。

    7講目では、こんなことをいろいろ思い出させていただきました。ありがとうございました。

  5. いくこ より:

    先生、今回もありがとうございます。
    この頃はすぐに脳みそからこぼれ落ちてしまうので、ノートに書きとりながら読んでいます。小さめのノートに大きな文字なので結構なページ数になりました。
    鈴虫さん、スマイルさんの素敵なコメントを読んで、共感とともに子育てを振り返っていました。
    初めて子どもを授かった頃、青少年の起こした事件が度々ニュースになっていました。普通の家庭のお子さんがなぜと報道されていて、どう育てれば加害者にならないのかと心配になったものでした。その子ども達も20代後半となり、まっすぐに育ってくれたことが誇りです。
    鈴虫さんのように幸せな気持ちになりますし、スマイルさんの言うように子ども達に育てられたと感じています。
    どうか後から来る人たちが幸せでありますように、社会化ということを心にとめて日々を重ねていきたいと思います。

  6. 阿部 優 より:

    本間先生。全然退屈してないですよ!
    今週も楽しんで受講いたしました。

    第一次社会化は子どもの『土台』をつくる重要なものだと理解しました。
    どんな親だろうが家庭も社会ですし、家庭のない子どもたちも
    施設なりの社会で大人の影響を受けていく。

    せっかく地域で大人たちがいい背中を見せ続けても、
    受け取る側の子どもに土台がなかったら受け止めきれない
    のではないか。土台が大事。

    『子どもが社会に統合されていく過程をさす』という
    引用を読んで、いかに恐ろしいことなのかとも思いました。
    統合されていくのですね。

    さて、社会化ということばで、自分の活動を切ってみました。
    僕の活動は、僕に関わった全ての人のお役に立つことです。
    勝手にライフコンサルタントと名乗っています。

    家づくりを通じて、生き方や子育ての方向性を決めるきっかけを
    得てもらうことを目的としています。
    本質を見極める目を持つことで、その後の人生が変わると考えています。

    僕と関わったことで、親が変わるのは自発的第二次社会化。
    当然子どもも変わりますので、これは強制的第一次社会化ですね。
    僕もお客様からいい影響をたくさんいただきます。本間先生からも。

    あらためて、重要なところに手を突っ込んでいるのだと自覚し、
    身の引き締まる思いです。

    7講目もありがとうございました。

  7. スマイル より:

    鈴虫さんのコメントを「なんて素敵なのだろう」と胸がいっぱいになりながら読ませていただきました。『子どもたちのなかに両親からの教えが見え隠れする時にとても幸せな気持ちになるのは、私たち親子の根っこには同じ宝ものがあると感じられるから』そう言えるということは、どんなものにも勝る宝物ですね。

    私は「いいお母さん」になりたいという願いを持っていました。でも願うだけで「いいお母さん」になれるわけもなく、途方に暮れることが多々ありました。そんな時、どうすればいいか教えてくれたのは子どもたち自身でした。子どもたちの顔が穏やかなら私の接し方は大丈夫、不安定な様子なら態度を見直した方がいい、そのように子どもたちを観察し教わりながらひとつひとつ学んでいきました。

    子どもから教わることの方がずっとずっと多かったと思います。「社会化」はこうして、まだまだ幼い子どもたちによって大人にもたらされることもあるんですね。

    今の私が、何にも染まっていない柔らかな心を持った赤ちゃんの頃の娘たちを育てることができたらいいのに、と思います。でも、娘たちに育てられて(?)今の私があるのだから、それは無理なこと。それならせめて、「これは良かった」と思えることを、これから子育てする人たちに伝えることができたらいいな、と思うのです。誰もが手探りで始めなくてもいい。先人の経験や知識を土台にして、より良いものにしていったらいい。そうであって欲しい。良い循環を生み出していけたらいい。

    「いいお母さんになりたい」と願って、そうはなれない切なさを私は身に染みて知っています。でもその「切なさ」「哀しみ」は昇華させることもできる気がするのです。子育てに悩む方たちに共感し、手を差し伸べることによって。子どもたちの顔が安心して穏やかであること、これが私の願いです。そのためにどんな社会にしていったらいいのか、どんな大人の背中を見せていったらいいのか、そのことを考え行動につなげていけたらと思います。より良い未来につながる「社会化」をもたらすことができる自分になることを願って・・・

    1. 鈴虫 より:

      「誰もが手探りで始めなくてもいい、、、良い循環を生み出していけたらいい」に頷いています。
      誰でも最初から親ではないですもの、本当に一生懸命に悩みながらでしたよね。
      一時的社会化が過ぎて、二次的社会化のまっ最中で子育ての時期ですが、今思うと、子供を授かるまでの価値基準を塗り替えるような、あらためて社会化の更新があったように思います。
      それは、子育てを通して社会と関わり直したような、親としての自覚を育てる社会化であったような、、うまく言い表せませんが。

      今、私達に出来ることは、子育てに悩むママ達に「大丈夫、それでいいんだよ」と言ってあげること。
      これを年の功と言うのかも知れませんね。

      社会化も真っ直ぐに進むだけでなく、何度も行ったり来たりしながら、少しずつ少しずつ確立されていくものなのではないでしょうか。

      スマイルさんのおかげで、もう少し掘り下げることが出来ました。
      ありがとうございました。

      1. 鈴虫 より:

        第一次社会化、第二次社会化。
        だいじなところ間違えていました、訂正いたします。

  8. 鈴虫 より:

    第一次社会化は、親や地域社会、教育などから受ける『しつけ』で子供の成長過程で最も重要な局面とのこと。
    しかし、とうの子供にとっては身に降り注ぐ太陽のひかり、雨や風と同じように否応なく与えられるものです。
    私達大人は、その影響の重要性をよく考え責任を持って基本的なしつけを行わなければならないということですね。

    とはいえ、既に子育てが終わっている私はその様なはっきりした自覚も無いままに、
    ・自分のことは自分でする
    ・よそ様に迷惑をかけない
    ・困っている人を見て見ぬふりしない
    ・相手のいいところを見る
    ・やるなら楽しくやる
    といったことを見せながら育てたつもりです。それは、私が両親から受け取ったものを子供達に繋いでいったのですが、私に限らず誰もが自分の価値基準に従って子供にしつけを施していますよね。

    いくこさんが以前に言っていた「同世代の人との会話で、価値基準の違いに衝撃を受けた」というのが、それぞれのしつけの違いによるものではないかと思います。
    たまに、あまりにも自分と違い過ぎて宇宙人かと思われる方もいますが、それはお互いさまなのでしょう。

    しつけとは、小さい頃から知らぬ間に染みついているものですが、成長の過程で「あれ?なぜこの人はその様に考えるのだろう」といった違和感から、人にはそれぞれ違った価値基準があることに気がつき始めます。そのあとは、一人ひとりの違いも受け入れつつ、人との距離感や関わり方を自分で決めているわけですが、これも第二次社会化のひとつなのですね。

    第一次社会化は周りの大人達から与えられるもの、第二次社会化は、それを基に自分で選びながら進む自分ならではの道ということでしょうか。
    子供は大人の振る舞いをよく見ていますので、私達大人は本気でより良く生きようとしなければなりませんね。

    私は我が家のしつけが良いものであったかはわかりません。
    でも、成長した子供達のなかに私の両親からの教えが見え隠れする時にとても幸せな気持ちになるのは、私達親子の根っこには同じ宝ものがあると感じられるからだと思います。

    こんなことを考えながら、あらためて両親への感謝と、すべての子供達にエールを送り、愛情を持って見守っていきたい気持ちが溢れてきました。

    今回もありがとうございました。

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