自主上映映画『人生フルーツ』(主催:富谷ユネスコ協会)

「こつこつ ゆっくり ・・ 人生フルーツ」樹木希林さんの語りとBGMのピアノが心地よい、映画『人生フルーツ』が、富谷ユネスコ協会の主催で上映されました(12月11日)。富谷ユネスコ協会は、その目的を「より良い社会づくりに貢献しうる人格の形成を図るとともに、世界の平和と地域社会の持続的な発展に寄与する」とし、2020(令和2)年7月18日に設立しています。富谷ユネスコ協会では、この目的にある「平和」の解釈を「だれもが安心して日々の暮らしを営めること」と受けとめ、その実現のために活動に取り組んでまいります。私は、この解釈をとても気に入り、機会ある毎に当協会の事業に顔を出しています。

今回の映画会も含め、地域の豊かな資源に着目した様々な事業を展開し、豊かで活気のある地域社会づくりに関わる事業も行っています。この映画会については、役員の皆さんの並々ならない想いで実現しています。コロナ禍にあってさぞかし大変だったと思います。しかし「一年に一度は観たい映画」と語っているだけのことはある映画だと私も思っています。今回は、出席できなかったのですが、これまで2度観ています。Naritaマルシェ主催と東北学院大学地域共生推進機構主催の2回です。毎回、新たな視点で観ることのできる奥深い映画だと思っています。

 人生フルーツ劇場版ダイジェスト

この映画を富谷ユネスコ協会の主催で上映していることには、とても大きな意味を感じています。こうした映画を通して「豊かさとは何か」「人生とは何か」「仕事と何か」そして「自分のした仕事にけりを付ける」意味や付け方等々様々なメッセージを地域社会に発信し、考える機会を設けているからです。

地域社会は、その構成員である私たち一人ひとりの意識・振る舞いによって形成されます。「一人くらいの振る舞いで社会が変わる訳ない」という考えがあります。これを社会的ジレンマといいます。別名「社会的蟻地獄」ともいいます。一人くらいゴミを捨てても、たいしたことないだろうっていう行為は、次々と同じようなことをする人を生み出してしまい、道路がゴミの山になってしまう。道路の路肩がそうなっている光景をよく見ます。あれを社会的ジレンマ(社会的蟻地獄)といいます。

その反対のことも起こりえます。一人の振るまいが多くの人に影響を与え、その輪が広がり、その地域全体が花いっぱいの美しい街になる等々があります。南米エクアドルに伝わる民話「ハチドリのひとしづく」にも通じる現象です。今回、富谷ユネスコ協会が行った映画会「人生フルーツ」は、こうした一人ひとりの振る舞いを引き出す貴重なメッセージなのではないかと考えているのです。こうした意味で、大変素晴らしい事業だと思っています。

今回の事業は、「私たちの社会は私たちがつくる」。このような大人の本気を感じています。そしてそのような動きを、富谷市行政や教育委員会が応援しているという「協働」も光ります。お金を出したりするだけではない支援がそこにはあります。このような協働も、これからの住民主体の地域づくりにはとてもいいお手本になるのではないかと思っています。本事業を準備し実践して下さった富谷ユネスコの皆さんお疲れ様でした。それから、200名近い参加者の皆さん、どうか観終わった後に余り時間をおかないで、自分なりの感想を反芻し、自分の生活に生かしてもらえたら良いのではないかと思います。

私は、残念ながら今回は観られませんした。また遠くから観に来てくれた友人と約束していた500ccボトル選定や新蕎麦ランチもできませんでした。しかし、200人近い方々が鑑賞したと聞き、とてもほっこりした気持ちになっています。

下の写真は、東北学院大学で上映した後に、学長、学生及び近隣住民が感想を語り合っている様子です。「人生フルーツ」は、地域住民にとってとても貴重な教材だと思っています。

東北学院大学COC事業(2018/09/01)

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

自主上映映画『人生フルーツ』(主催:富谷ユネスコ協会)” に対して7件のコメントがあります。

  1. いくこ より:

    今回も含めて何度みたことでしょうか。
    初めてみたときに一番心に残ったのは、ハチドリさんと同じ「いいことだけ言っていればいい」というところでした。年寄りは心配症で不安ばかりを口にすると思っていて、励ますのに苦慮していた私はそう言ってもらえる娘さんをとても羨ましく思いました。
    生真面目で働き者だった両親、これを「準拠集団」という言葉で考えると、表現の有り様は違っていても、心配性は子に対する慈しみではなかったかと思えます。その心配性のおかげで今日の穏やかな暮らしがあるのもまた事実、感謝して暮らしていこうと改めて思っています。
    何度も登場する樹木希林さんの「風が吹けば~」という語り、気持ちをゆったりさせてくれますね、だいじょうぶ心配ないよと背中を撫でられているように感じます。

    1. ハチドリ より:

      いくこさん、1回目の心に残った場面が同じところだったのですね。
      嬉しいです。ハッピータッチしましょう!(笑)
      毎食、心を込めてお食事づくりをしていた英子さん、修一さんに「美味しい」と言ってもらうのが嬉しそうでしたね。
      多くのお友達に「人生フルーツ」の映画のお話をしたら、知ってはいたけどまだ見たことがなかったという人も多く、いろいろ検索をして見てもらっているようです。1月には東京北区でも上映会があるようですが、なんとその区にお住いの人しか見れないみたいでした(*_*;
      先日の富谷ユネスコ協会の上映会では、県外の私たちにも見せていただき、本当に感謝しています。
      そして・・、いくこさんの「準拠集団」の言葉から考えたご両親に対する想い、なんだかとてもジ~ンときちゃいました。ありがとうございます。午後は、その言葉でウルウルしながらの仕事になりそうですが、頑張ります!

  2. ハチドリ より:

    風が吹けば,枯れ葉が落ちる・・・
    枯れ葉が落ちれば,土が肥える・・・
    土が肥えれば,果実が実る・・・
    こつこつ ゆっくり,人生 フルーツ

    樹木希林さんが何度もナレーションをしていたので覚えることができました。
    何年か前にこの映画のことを知り,いつか見たいなと思っていたのですが,なかなかそのチャンスは訪れず。でも,この本間先生のHPでNaritaマルシェさんが紹介してくださった富谷ユネスコ協会のホームページを見て,「人生フルーツ」を上映してくださることを知り,「え?え?うそ~」と飛び跳ねそうになるくらい,とても嬉しかったです。
    でも,実際に見終わるまでは,どこかの心の片隅で「悲しい気持ちになったらどうしよう」と不安な部分があったのも事実でした。
    いや~,それがどっこい,「家は暮らしの宝石箱でなくてはならない」という修一さんの言葉や,英子さんが育てている70種の野菜や50種の果実,修一さん手作りのコメント入りの野菜の表札,英子さんは苦手でもあのごろっとジャガイモが入ったビーフシチューがとても美味しそう・・等々など,とても彩りを感じました。今回,1回目でしたが見終えて,一番心に残ったことは,鳥のために置いてあった水バチが壊れてしまっていて,それを娘さんに「壊れてしまってるじゃない」と咎められた時に,「いいことだけ言っていればいいんだよ。悪いことは言わなくていい・・」と独り言のように呟いていたこと。そしていつの間にか,娘さんがその水バチを見事に修復し,またそこには鳥たちが集まっていたことです。あのシーンがなんだかとっても嬉しかったです。

    進行役の素敵な方が「1年に1度は観たい映画」とお話をしていたのを私も聴いておりましたが,何とかして私も何度も見てみたいなと思いました。本間先生が書いてらっしゃるように,そのたびに新たな視点で見ることが,感じることができる映画なのだと思います。

    最後に思い切って手をあげて「とってもいい映画を見せていただきありがとうございました!」と言わないでしまったことがとても心残りでした。でもそのあとのプチオフ会でいろんなお話を聴かせていただき,参加できて本当に良かったなと思っております。同僚もいたく感激しておりました。

  3. 映画館にも何度も足を運び繰り返し見た「人生フルーツ」。一人でも多くの人と分かち合いたくてNaritaマルシェでも自主上映会を開催したことがありました。山形から駆けつけてお手伝いくださった映画会社の方達との出会いも忘れ難い思い出です。

    富谷ユネスコ協会にも関わっていて、昨年上映したドキュメンタリー「いただきます」が大変好評だったこともあり、今年はぜひ「人生フルーツ」を、と提案しました。コロナ禍での不安はありましたが、だからこそなおさら、可能ならば一人でも多くの人に「今こそ」見ていただきたいと。

    内容は本間先生が書いてくださっている通りです。100名を超える方がアンケートに答えてくださり、すべての方が感動を伝えてくださいました。

    この映画は見た人の心に種として宿り、人生の折々に思い出させてくれて「より良い人生を創造する」手伝いをしてくれると確信しています。まさに、私の人生にとってはそうです。

    まだご覧になったことがない方は、機会がありましたらぜひぜひご覧いただくことをおすすめいたします。

    素晴らしい紹介をありがとうございました。

    1. 鈴虫 より:

      『人生フルーツ』私も以前に見ました!

      とても心に残る、また見たいと思う映画でした。修一さんと英子さんの優しくて逞しい日常に見習いたいことが沢山詰まっていました。

      鑑賞後から自分の毎日も丁寧に暮らしたいと強く思いました。
      最期まで夢を持ち続け、自分の志を貫いて生きることの素晴らしさに胸を打たれました。
      ふたりは私の人生のお手本です。

      いい物を沢山の人と分かち合いたいというNaritaマルシェの思いのこもった其々の活動も、お手本にしたいという気持ちで拝見しています。

      英子さんが言っています「土を良くすれば絶対に作物はだれでも作れる」と。

      私達は今、地域というこの土をいい土を作っているところなのだと思います。となりの畑と比べなくていい、目の前の畑が肥沃な大地になるよう、よく目を配り深く耕していきたいと思います。

      成田市の活動、今回も素晴らしいです。

      1. 鈴虫様

        なんと素敵な文章でしょうか!「地域という土をいいものにしている最中」「比べなくていい、目の前の畑を肥沃な大地に」・・・まさに、本当に、そうですね。

        本間先生のホームページを通して、このように交流できることに心震えるほど喜びを感じています。お会いしたことがなくても、深く通じ合えるような気がしています。

        それぞれに、心を込めて、丁寧に、まずは手の届くところを良いものにしていきましょう!嬉しいメッセージありがとうございました。

        1. 鈴虫 より:

          こちらこそ、交流出来て嬉しいです。

          「一人くらいの振る舞いで社会が変わる訳ない」
          でも、何事も始めはひとりの行為から始まるはずです。社会的蟻地獄に足を取られない様に、共感できる相手と手を繋ぐことが大切なのだと思います。

          素敵なご縁に感謝して明日からまた励みます。
          ありがとうございました。

ハチドリ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です