SDGs 目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」

目標17ではこれまでの16の目標を達成するため、「実施手段の強化」と「パートナーシップの活性化」を掲げています。そのためターゲットもこれまでの目標の中で19項目と一番多くなっているのも特徴です。その内訳は7種の実施手段に分けられ、ODAの増額や民間のあらゆる資金の動因を目指すもの、あるいは途上国への様々な国際支援などがターゲットとなっています。(出典:国際開発センター「パートナーシップで目標を達成しよう」,2018)

目標17である、「パートナーシップで目標を達成しよう」のゴールは、「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」ことです。その目標達成のために何を行うべきか、記されているターゲットすべてを、資金、技術、能力構築、貿易、政策・制度的整合性、マルチステークホルダー・パートナーシップ、データ、モニタリング、説明責任とテーマごとに分けて見ていきましょう。

(資金)17.1    課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する。17.2    先進国は、開発途上国に対するODAをGNI比0.7%に、後発開発途上国に対するODAをGNI比0.15~0.20%にするという目標を達成するとの多くの国によるコミットメントを含むODAに係るコミットメントを完全に実施する。ODA供与国が、少なくともGNI比0.20%のODAを後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討することを奨励する。17.3    複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。17.4    必要に応じた負債による資金調達、債務救済及び債務再編の促進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への対応により債務リスクを軽減する。17.5    後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入及び実施する。

(技術)17.6    科学技術イノベーション(STI)及びこれらへのアクセスに関する南北協力、南南協力及び地域的・国際的な三角協力を向上させる。また、国連レベルをはじめとする既存のメカニズム間の調整改善や、全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件において知識共有を進める。17.7    開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する。17.8    2017年までに、後発開発途上国のための技術バンク及び科学技術イノベーション能力構築メカニズムを完全運用させ、情報通信技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。

(能力構築)17.9   全ての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。

(貿易)17.1    ドーハ・ラウンド(DDA)交渉の受諾を含むWTOの下での普遍的でルールに基づいた、差別的でない、公平な多角的貿易体制を促進する。17.11   開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に2020年までに世界の輸出に占める後発開発途上国のシェアを倍増させる。17.12   後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透明で簡略的かつ市場アクセスの円滑化に寄与するものとなるようにすることを含む世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、全ての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市場アクセスを適時実施する。

(制度・政策)17.13   政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ経済の安定を促進する。17.14   持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。17.15   貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。

(マルチステークホルダー・パートナーシップ)17.16   全ての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。17.17   さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

(データ、モニタリング、説明責任)17.18   2020年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置及びその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。17.19   2030年までに、持続可能な開発の進捗状況を測るGDP以外の尺度を開発する既存の取組を更に前進させ、開発途上国における統計に関する能力構築を支援する。

目標17.「パートナーシップで目標を達成しよう」は「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」ことがテーマです。「パートナーシップで目標を達成しよう」が目標に設定される背景には、SDGsの目標達成は、世界中のありとあらゆる人々が、強い結びつきによって協力し合うことで達成できるものであると言う考え方が下になっています。複数の目標を2030年までに達成するためにも、パートナーシップは重要なことと位置付けられています。

SDGsの目標17に対して、世界ではどのような取り組みがあるでしょうか。

2006年にアナン国連事務総長(当時)が提唱した、ESG投資を組み込むPRI(責任投資原則)も世界的に広がっています。

ESGは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字をとったもので、従来多かった儲かっている企業や伸びそうな企業という観点ではなく、

●自然環境にとってよい企業か、●社会にとってよい企業か、

●企業の収益の公正、さ

●それらが持続可能かどうか。

こう言った観点から投資先企業を判断するものです。提唱されてから、ESG投資に取り組む機関投資家も運用資産残高も増えていることもあり、サステイナブル(持続可能な(sustainable))な社会であるための好循環が生まれています。こうした考え方や実践は、今後、現代社会の投資のスタンダードになるものと言えるのではないでしょうか。

SDGsについて、是れまで9月22日の第一回目を皮切りに17回に分けて勉強してきました。おつきあいいただき有り難うございました。私自身、改めてSDGsについて身近なこととして捉え直す良い機会になりました。このような機会を持たせて頂きありがとうございました。みなさんにおかれましても、身近な所で取り組めそうなことが意外とあることに気づいてもらえたのではないかと思っています。

私達一人ひとりの物事に対する視線の向け方や選択という行為を通して、よりよい地域社会づくりに向けて、社会的想像力を持った意識醸成を図る。これは、大人の責任であると思います。次代を担う子どもたちの未来が希望に満ちて明るい地域社会になるかどうかは、私達大人の責任の下にあります。みなさんと一緒に考え一緒に行動して行きたいと思っています。このHPが、そのような志を持つみなさんのプラットホームになることを願っています。もちろん、私の稚拙な駄文とのお付き合いも併せて宜しくお願い致します。今後ともみなさま宜しくお願い致します。

皆様からの感想・ご意見などをお待ちしています。

SDGs 目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」” に対して8件のコメントがあります。

  1. 鈴虫 より:

    楽しく取り組むに賛成!
    これからは贈り物には可愛いマイボトル
    いいですね!笑笑

  2. H.Y より:

    もう17回目が終了したのですね⁉️
    お疲れ様でした。
    SDGs、よく見かける英字なのに最初は読み方さえわからず、このHPでエスデ―ジーズと教えてもらいました。何度か口に出して練習してみました(笑)。正直、難しいです。目標はたくさんあるけど、世の中はそれに向けて何をしてるんだろうとか思っていました。
    しかし、ある日、身近なスーパーで高校生とコラボして節電の取り組みをしていることを知ったり、テレビでも結構SDGsと言う言葉が出ていてそういうこともか~と思ったり、ここによくコメントをくださるNaritaマルシェのHPを見ていたらやっぱりあった~(^o^)/と嬉しくなりました。
    一人ひとりが、何かとても小さなことを取り組んだとして、そのコツコツがいつか大きなうねりになって来るのかもしれませんね。まずはほんの少しでも意識してみることが大切なような気がします。
    今回の17回の目標、169のターゲットの勉強は、最初に書いたように正直難しかったです。でもすでに2015年9月に国連で採択されていたことすらわからなかったことをわかっただけでもラッキーです。恥ずかしいけど!
    「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に向けて、出来ることを楽しく取り組んでいけたらいいですねp(^^)q

    1. welfare0622 より:

      スタバの珈琲をマイボトルで飲む!そんな日常を持つところからでも良いのではないかと思います。対応のレベルは、国家レベルのことから極々普通の日常で対応するレベルまで様々なです。なので、日常レベルの自分の振る舞いで変えられることから取り組み始める。そんな日常が、意外なほどSDGsに貢献できるように思います。

      私達の消費行動が社会を変えます。一人ひとりの成果は小さきかも知れませんが、それがスタンダードになって多くの人々が関わるようになれば、社会は変わります。大切な事は、一過性のブームにしないことです。また、「意識の高い人の振る舞い」に留まっては広がりません。

      可愛いマイボトルを持って下さい。Naritaマルシェで行う、「マルシェCafe」の時、マイボトルで珈琲頂いて下さい。キット、読んだな!って周りの人は思うでしょう(笑)。

      1. H.Y より:

        そう言えば、スタバではマイボトルにコーヒーを入れてもらう人を以前から見かけていました。お持ち帰りなんでしょうが、店内で飲む人の何人かでもマイボトルを使う人が増えたらいいですね。100円お代わりコーヒーもそれに入れてもらって☝️
        マルシェかふぇのコーヒーもマイボトルで味わってみたいですね‼️

  3. 鈴虫 より:

    SDGsについて学ぶ機会をありがとうございました。
    個人的な目標に向けてとはいえ、目の前の事に視線を落としていたことに気づかされたおもいです。
    もっと顔をあげて、地域、国、世界へと興味関心を向け、様々な人達と手を取り合って世の中を良くいこうということなのですね。
    まだまだ勉強不足ですが、何度もHPで振り返りながら出来ることから早速始めてみます。
    いい勉強になります。
    ありがとうございました。

    1. welfare0622 より:

      足下をしっかり見つめ着実に歩を進める。是れはとても大切なことです。同時に、たまにで良いので、遠くに目を向け、自分の立っている場所を見つめ直すことも必要です。そうすることによって、ぶれのない自分の進む道筋を確認出来ます。

      そんなことを考える機会になっているのだとするととても嬉しです。有り難うございます。

      1. 鈴虫 より:

        先生のHPから直接に受ける知的好奇心とともに、ここに寄せられる様々なコメントからも大変刺激を受けています。
        私などは井の中の蛙で、まだまだ未熟者だなぁと思います。
        私なりに歩みを進め、皆さんと意見交換が出来るように学んでいこうと思います。
        その努力を重ねて行った先に、このHPが私にとって本当のプラットフォームになるのだと期待しています。
        ぶれない私を一生懸命目指します。
        ありがとうございました。

        1. welfare0622 より:

          このHPが、皆様の知的好奇心を駆り立てる場になって頂けたら、それに勝る喜びはありません。これを見ている皆様同士のやり取りが増えることを楽しみにしています。有り難うございました。

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