敬老の日(9月20日)と老人の日(9月15日)

敬老の日を前に総務省が19日発表した人口推計(15日時点)によると、65歳以上の高齢者は前年より22万人増の3640万人、総人口に占める割合(高齢化率)は0・3ポイント増の29・1%といずれも過去最多、最高を更新しました。同時に示した2020年の労働力調査では、高齢者の4人に1人が働いていたことが分かりました。15歳以上の就業者全体に占める高齢者の割合も年々上昇しており、就労環境の整備が急務となっています。高齢者のうち、男性は1583万人、女性は2057万人。年齢層別では、「団塊の世代」(1947〜49年生まれ)を含む70歳以上が61万人増の2852万人となっています(河北新報2021/09/20)。

敬老の日は、兵庫県の野間谷村(現在の多可町八千代区)が1947(昭和22)年に9月15日と定めた「としよりの日」がきっかけとされています。多可町のホームページによると、この日に村中のお年寄りを招き、ごちそうや余興でもてなす敬老会を開催したのが始まりだそうです。その目的は、長年社会に貢献してきたお年寄りに敬意を表し、その知識や経験を伝えてもらうこと。当時の敬老会に招かれた“お年寄り”の対象年齢は、なんと55歳以上だったそうです。

その後は県内で同様の催しが普及し、村独自から県独自の祝日に発展。1966(昭和44)年には国民の祝日として「敬老の日」が制定され、長きにわたり社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し長寿を祝う日として全国に定着しています。また、2003(平成15)年の祝日法改正によって9月の第3月曜日に変更されたため、今年2021(令和3)年は9月20日です。

ちなみに、敬老の日とは別に「老人の日」というのがあるのをご存じですか?敬老の日は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」祝日(「国民の祝日に関する法律」第2条)です。それに対して、老人の日は「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける」(「老人福祉法」第5条)とあります。2001(平成13)年に老人福祉法が改正。9月15日は老人の日、老人の日から1週間は「老人週間」とし、内閣府などによる全国的なキャンペーンが開催されるようになりました。敬老の日は、老人を敬愛し、長寿を祝う日。老人の日は、健康で長寿な社会を築くための啓発キャンペーンといえそうです。

年を重ねることが、本人、家族そして社会にとって喜びとなれるような社会を願っています。しかし、長寿を喜べる人はどれくらいいるでしょう。現実の社会は、過重な介護負担等々の理由で、本人及び家族共に長寿を心から喜べる状況にはなっていないような感じがします。

高齢者は、別の言い方をすると父や母です。私たちを育てるために一生懸命働き、爪に火を灯す想いでわずかばかりのお金をやりくりしてくれた人です。そんな人を人生の最後に泣かせてはいけない。長生き(長寿)を心から喜んでいただけるような社会をみんなで作り上げたいものです。

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