白紙の手帳に少しだけ予定が入ってきたました

今年（2021年）の四月から、給料を頂く仕事から完全に卒業し「市井の人」となりました。今日の予定がないという、70年の人生で初めての経験の毎日が始まりました。「のんびりできて良いですね」と言われたりします。でも、仕事に依存した生活しかしてこなかった私には、白紙のカレンダーを見るたびに、ため息と罪悪感だけの日々でした。仕事が無いとはこういうことか、平日に普段着で家にいるとはとはこういう状態なのか等々、これまで経験をしたことにない感覚ばかりです。仕事という「役割」喪失の持つインパクトは想像を超えるものでした。

こんな状況に置かれていたので、たまに講義などのお話しを頂くと、それはそれは嬉しくて飛び上がらんばかりです。また、何とかして「流れる時間」ではなく「刻む時間」にしようと始めたHPへの投稿（つれずれ草）にも、そこそこの時間が必要となりました。講義の資料作りやHPへの書き込みで概ね午前中が費やされます。定期的にやるべきことで午前中を過ごせるので、なんとか「流れる時間」を少しだけ生産的な「刻む時間」にできているかなって思っています。

そうこうしている内に、新しい役割が舞い込みました。私の考える究極の社会貢献です。すまなそうにしてお話しを持って来てくれた方には、一つ返事で承る旨を即答したので、あっけにとられていました。何か勘違いしているのではないかと受け取ったようで、何度も繰り返しお願いの内容を説明して下さいました。よくよく考えれば、なり手がいなくて困っている現状があるので、当然の受け止め方だったと思います。

しばらく経ってから、仙台市健康福祉局地域福祉部社会課という見慣れない場所からの封書が入りました。開封すると、民生委員児童委員委嘱状伝達交付式の案内でした。12月1日に仙台市福祉プラザ（五橋）に来るようにと言う内容でした。当日は、厚生労働大臣からの委嘱状と仙台市長からの担当地区の委嘱を頂き、その後研修会がありました。これまでのお話しする側から聞く側になり、わかりやすくお話しすることの大切さを改めて感じた時間でした。

伝達式が始まる前には、仙台市の担当課長が来て「推薦名簿でお名前を見つけてビックリしていました」とか、以前研修会でお話を聞いていましたという泉区役所の担当課長さんなどからご挨拶を頂きとても恐縮してしました。月並みな言葉ですが、委嘱状を頂き「身の引き締まる」思いを久しぶりに体感しました。

そのようなことがあり、12月から急に手帳に日程が入り始めました。民生委員児童委員として、そして民生委員児童委員であるが故に地域の諸団体・機関と関わる機会が出てきたのです。こうしたことから、手帳による管理では難しくなり、日常的に目に付くようにホワイトボードで日程を管理することにしました。また、各団体や機関から多くの文書も頂くようになったので、ファイルで整理しておく必要も出てきて、それを収納する棚も備えたりしていました。形から入る典型だと笑われています。笑われても、きっちり仕事をする為の環境整備は必須だと思い、書斎を整理してスペースをつくました。

現在は、支援者台帳や活動記録等々の様式を自分なりに工夫して作成中です。これまでは、人様に「こうした方は良いですヨ」と言っていたことを、今度は、実際の担当者として行います。自分の考え方に間違いはなかったのかを自らの実践で確認したいと思っています。

これまでと比べ、チョットだけ忙しくなりました。そんな自分がとても嬉しいです。人様のお役に立てる事は、とても嬉しく思いますし、これまでの学びを生かせるように努めたいと思っています。これからの働き次第ではありますが、父の背中が遠くに見えるところに立てました。精一杯、地域貢献に励み、自己実現を目指したいと思います。